デブ右翼。

滔々小沢一郎が、民主党主選出馬宣言をした。

民主党、いや日本の最終兵器である小沢氏には、死んでも解散等せずに、旧弊を全部ぶち壊して頂きたい…彼しか出来ないのだから、此処は彼に期待している。小沢氏には「金」の問題も有るし、支持率も恐ろしく低くなるだろうが、「金」に汚くない政治家が何処に、そして「リーダー」に値する者が、他に居ると云うのか…居たら是非教えて頂きたい。少なくとも、「小市民」菅氏よりは「賭ける」価値が有ると思うが、如何だろうか。

さて昨日は猛暑の続く中、湘南の顧客宅に査定に伺う。久々に江ノ電に乗り、駅から2-3分歩くと、江ノ島が見渡せる高台にそのお宅は在った。

モダニズム建築に建て直された建物は、嘗ては洋館だったらしいが、しかし今でも水が落ちる庭、その庭の石段を降りた所に佇む「待合」と、裏千家鵬雲斎大宗匠命名したと云う茶室が、趣味の良さを顕している。

客間に通されると、この邸の嘗ての主の遺影が。最近亡くなられたばかりとの事…軽く手を合わせ、黙礼する。…そう昨日は、相続の為の遺産査定に伺ったのであった。

拝見したコレクションは日本の近代絵画が中心で、その他には数点の西洋絵画、そして現代の茶道具であったが、当代楽氏の茶碗等と共に、一点「センセーショナル」な作品が…。このダイアリーを、真面目に読んでいる方なら予想が付いたかも知れないが(拙ダイアリー:「センセーショナルな『100歳』参照)、それは、妻の祖父が造った「萩窯変水指」であった…ご縁である。

査定を終え、お昼を頂き、奥様、娘さんやお孫さんとお話しすると、殆どの美術品は、Mデパートの美術部から購入したとの事。

さて、これは何時もの話だが、デパートから買う美術品が高いのは云う迄も無いが、問題は売りたい時である。先ずの疑問は、デパートが売った相手から買い戻しの依頼を受けた場合、一体どうするのか。デパートが買い戻す際、一流古美術商の様に、最低でも売った価格の8割位(下取りの際は100%売値)で買い戻す様なシステムが確立しない限り、日本の近現代美術のセカンダリー・マーケットは、決して健全に機能しないだろう。

顧客宅を後にし、再び江ノ電に乗り、車窓から光輝く海を眺める。夏休みを楽しむカップルや、涼しげな装いの女の子達を横目で見ながら、自分のスーツ姿を恨めしく思う…ユニコーンでは無いが、「働く男」はツラい(笑)。

夜は、秘書の方からのご招待で、インターコンチネンタル(全日空)で行われた、自民党の閣僚経験者、K代議士のパーティーに妻と出席。

政治家のパーティーは本当に久し振りで(稲葉大和氏以来か)、何処と無く場違いで、居場所が無い感じである。しかし例えば、骨董屋のパーティーに、政治家がたった一人で参加したとすれば、同じ気持ちに為るのかも知れない(笑)。因みに昨晩実際、会場でいきなり顧客である古美術商H氏に声を掛けられ、本当にビックリした…お互い「何してんだ、こんな処で!」な顔をしていたに違いない(笑)。

G氏にK代議士を紹介され、ご挨拶を済ませた後は、お暇を頂き、食事をしに西麻布の裏道に在る、カジュアルなレストラン「H」へ。

鰹とアボカドのカルパッチョ、ほうれん草と温泉卵のサラダ、蛤酒蒸しエスカルゴバター、もち豚、チャンジャニラ焼そば等を頂く…もう美味すぎる!「H」、相変わらずの大満足であった。

食べながら、大学時代の友人で編集者のNに連絡を取ると、丁度時間が合い、食後久々に山の上ホテルのバーで飲む事にする。

Nは、大学卒業後マガジンハウスに入社、「ポパイ」、「ガリバー」、「ブルータス」等を経て独立。一時はリリー・フランキー氏と「フランキー・ブラザース」(Nは「ウィリー・フランキー」を名乗る)を結成し、活動していた時期も有る。因みに、リリー・フランキーのベストセラー「東京タワー」中で、主人公と一緒に九州に行く友人編集者が、Nである。また著書に「ロックンロール・ダイエット」や「車輪の上」、マンガ原作、最近の編集仕事に「架空の料理 空想の食卓」等もある、ヤリテなのである。

そしてNは、筆者の2度の披露宴(涙)にも出席、2度目に至っては、「茶長髪」の友人代表としてスピーチに登場、「新郎が如何にアメリカで、日本憂国民として闘っているか」を巻くし立て、会場に居る学者達や検事、右翼、能役者や医者等の眼を丸くさせていた、有難い友人なのだ(笑)。

さてこのN、中身は筆者同様右翼、外見はイタリアンなのだが(笑)、しかし会う度にその肥痩が余りにも激しい…とても「男のダイエット本」を書いた人間とは思えない(笑)。久し振りに会ったNは、顔はスマートだが体は…であった。検査結果が思わしく無く、煙草も止め、酒も断っていると云う…お互いオッサン・デブであるが、我が日本国が良くなる迄、節制をして、気を付けて貰いたい。

何と無く「右」係った日だった様な気がしたのは、気のせいか(笑)。