恭賀新年、そして「命日」の出版。

遅れ馳せながら、恭賀新年。

「今年も凡ゆる芸術を観て歩こう!」と心に決めた物の、昨年末30日から正月5日迄インフルエンザA型に罹って倒れて仕舞った。

当然、毎年恒例の谷中の禅堂での除夜の鐘撞きや、氏神様で有る神田明神での新年昇殿参拝も出来ずに、元旦を熱に魘されて過ごすと云う自分の記憶には無いアクシデントで、僕の2020年は幕を上げたのだった…「オリンピック後の日本」の如く、何とも暗雲漂う感じでは有る(涙)。

そんな年末年始と仕事始めの1週間をフラフラの体で遣り過ごした訳だが、一昨日の1月17日は亡き父の命日だった。

「過去」と為って久しい出来事は、人に「光陰矢の如し」を鋭く強く突き付ける。

その8年前の父の突然の死は、僕に人生に於ける幾つかの重要な決定を促し、そしてそれらを確実に遂行させたのだが、その意味でもこの1月17日と云う日は、僕に取って忘れられない日なので有る。

が今年、この日にもう一つ意味が加わった。

それは何年か前から企画されて居た拙著、「美意識の値段」(→https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1008-b/)が集英社新書から出版されたからで、美術史家で著作も多かった「和の鉄人」の子で有る僕の、人生初の本がこの日に出版されるとは深い因縁を感じざるを得ない。

この本は、僕が「オークション・スペシャリスト」として生きて来た30年弱をカジュアルに書いたモノで有る。オークションや日本人の美意識にご興味の有る方は、是非御笑読頂きたい。

またこの度、生物学者福岡伸一先生と作家平野啓一郎氏に協力な帯の応援と書評を頂きました。この場を借りて深く御礼申し上げます。有難うございました!(平野啓一郎氏の本書書評はこちらから→https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/review/8124)。

本ブログも中々更新出来ませんが、本年も何卒宜しくお願い奉りまする。

孫一

 

ーお知らせー

産経新聞の書評欄に、拙著「美意識の値段」が取り上げられました(→https://www.sankei.com/premium/news/200122/prm2001220002-n1.html)!

藤田美術館の公式サイト内「Art Talk」で、藤田清館長と対談しています。是非ご一読下さい(→http://fujita-museum.or.jp/topics/2018/12/17/351/)。

*僕が嘗て扱い、現在フリア美術館所蔵の名物茶壺「千種」に関する物語が、『「千種」物語 二つの海を渡った唐物茶壺」として本に為っています(→http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033551943&Action_id=121&Sza_id=E1)。非常に面白い、歴史を超えた茶壺の旅のお話を、是非ご一読下さい!(因みに、その「千種」に関する僕のダイアリーはこちら→http://d.hatena.ne.jp/art-alien/20090724/1248459874、今から思えば、これも藤田美術館旧蔵で有った…)

主婦と生活社の書籍「時間を、整える」(→http://www.shufu.co.jp/books/detail/978-4-391-64148-6)に、僕の「インターステラー理論」が取材されて居ます。ご興味のある方は御笑覧下さい。

*僕が一昨年出演した「プロフェッショナル 仕事の流儀」が、NHKオンデマンドで2020年3月28日迄視聴出来ます。見逃した方は是非(→https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017078195SA000/)!

*山口桂三郎著「浮世絵の歴史:美人画・役者絵の世界」(→http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062924337)が、「講談社学術文庫」の一冊として復刊されました。ご興味の有る方は、是非ご一読下さい。