命モイラズ、名モイラズ。

国葬」…もういい加減にして欲しい。安倍氏の逝去は痛ましいが、それとこれとは全く違う話だ。僕は安倍氏国葬に関しては、一国民として断固反対する。

理由は簡単明快で、今回の「国葬閣議決定が「民主主義の根幹を揺るがす」事態だからだ。

先ず持って「国葬」に関する法律が無く、FNNでは46%、(あの)NHK世論調査ですら30%以上が国葬に反対しているにも関わらず、与党幹事長の「国民からの反対の声は聞こえない」などと云う惚けた発言からも分かる様に、国民の意見を聞く気も時間も持たずに、現内閣が勝手に決めた事。

次に「弔意の強制」…「信教の自由」が憲法で保証されて居る以上、「弔意の自由」も保証されるべきで、その議論も無視して居る。

そして安倍元総理の業績に、何が有ったと言うのだろうか?あれだけ長く政権に就いて居たにも関わらず、拉致被害者北方領土も帰らず、賃金は上がらず景気は悪くなる一方、モリカケ桜を見る会問題は闇の中、統一教会との関係性も真灰色…彼が「国葬」なら、拉致被害者を帰国させ、郵政民営化を成し遂げた小泉元首相には「アジア葬」か「地球葬」をせねばなるまい。

そもそも今の与党は、我々が納めた税金を何だと思っているのだろう?オリンピック然り、今回の国葬然り、予算も意味が無ければ、実際幾ら費ったか等の最終収支報告もない。こんな事態はアメリカだったら即公聴会、且つ訴追物だ。そう、この2つの理由だけでも、十分「民主主義の根幹を揺るがす」と思うのだが、如何だろう。

久し振りの更新なのに、書いて居る内にイライラして来たので、最後に一言。

聴く処に拠ると、安倍元首相は時折、山岡鉄舟居士建立の谷中の全生庵坐禅に訪れていたと云う。もしそれが本当ならば、安倍氏は絶対的に、西郷南州が鉄舟居士を評した以下の遺訓を肝に銘じていた筈だし、もし彼がこの遺訓を肝に銘じて居なかったのなら、全生庵での座禅など単なるパフォーマンスか時間潰しだったと云う事に為る。

命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難(かんなん)を共にして国家の大業は成し得られぬなり。

そう、真の政治家とは国民の下僕である訳だから、安倍氏が生きて居られたら「自分の如き一人の政治家に、何億円も国民の血税を使う葬儀など、とんでも無い」と仰るに違いなく、必ずや辞退されたに違いない。

ご遺族は亡き安部氏に代わって「南州遺訓」を今一度味読し、為すべき事を為す様考えられるべきと思う。

合掌。

 

ーお知らせー

*Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第16回、「007/チャリティ・ロワイヤル」(https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB2597A0V20C22A8000000/)が掲載されました。大好きな007フィルムは、今年60周年…アートと007に纏わるコラムです。ご一読を。

*9月1日発売「婦人画報」10月号内、「極私的名作鑑賞マニュアル」の連載10回目が掲載されました(→https://www.fujingaho.jp/culture/art/a41061897/art-yamaguchikatsura-220916/)。今回は「コドモ画報」特集号に因んで、ファンタジーな作品を紹介しています。

*8月30日刊の朝日新聞夕刊に、「アートの伴走者」の連載最終回が掲載されました(→https://www.asahi.com/articles/DA3S15402076.html)。5ヶ月間、ご愛読有難う御座いました!

*7月26日刊の朝日新聞夕刊に、「アートの伴走者」の連載第4回目が掲載されました(→https://www.asahi.com/articles/DA3S15369021.html)。

*Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第15回、「寝苦しい夜には、背筋も凍るアートを」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB1453N0U2A710C2000000/)が掲載されました。今回は暑い夜を涼しくするアートをご紹介。ご一読ください。

*7月1日発売「婦人画報」8月号内、「極私的名作鑑賞マニュアル」の連載9回目が掲載されました。今回はパリ占領下で描かれたピカソの大作と、それを市民の為に公開する美術館のお話。ご一読下さい!

*6月25日刊の朝日新聞夕刊に、「アートの伴走者」の連載第3回目が掲載されました(→https://www.asahi.com/articles/DA3S15338133.html)。

*Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第14回、「Absolute auction」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB304W30Q2A530C2000000/)が掲載されました。今回はニューヨークで開催された「これぞオークション!」なオークションに就いてです。

*5月31日刊の朝日新聞夕刊に、「アートの伴走者」の連載第2回目が掲載されました(→https://www.asahi.com/articles/DA3S15311161.html)。

*5月1日発売「婦人画報」6月号内「極私的名作鑑賞マニュアル」の、連載8回目が掲載されました(→https://www.fujingaho.jp/culture/art/a39961886/art-yamaguchikatsura-220520/)。今回は新装オープンした大阪藤田美術館の逸品と、大コレクター藤田傳三郎に就いて。ご一読下さい!

*4月26日刊の朝日新聞夕刊の新企画、「アートの伴走者」に寄稿しました(→https://www.asahi.com/articles/DA3S15278332.html)。この連載は月1回、5回続きますので、是非ご一読を!

*「Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第13回、「『見つけ、買い、飾る」というゲーム」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB187VS0Y2A410C2000000/)が掲載されました。アートを部屋に飾る時のヒントを、ご一読ください。

*「Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第12回、「『ルイトモ』芸術の発見」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB074K20X00C22A3000000/)が掲載されました。芸術の「類は友を呼ぶ」…是非ご一読下さい。

*3月1日発売「婦人画報」4月号内「極私的名作鑑賞マニュアル」、連載7回目が掲載されました(→https://www.fujingaho.jp/culture/art/a39422967/art-yamaguchikatsura-220318/)。今回はリニューアル・オープンした松岡美術館と、その所蔵品の中から「青花龍唐草文天球瓶」を取り上げました。ご一読下さい!

*2月24日付「日刊工業新聞」ウィークエンド版内「コンテンポラリーの嵐」(→https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00628916)で、僕の回の「下」が掲載されました。ご一読を。

*「Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第11回、「アート・ミッション・ポッシブル 2022」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB242KU0U2A120C2000000/)が掲載されました。独断で今年必見の展覧会を紹介しています。ご一読下さい。

*1月28日付「日刊工業新聞」ウィークエンド版内「コンテンポラリーの嵐」(→https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00626083)で、恥ずかしながら現代美術コレクターとして取材されました。上下2回の掲載で、次回「下」は2月25日掲載予定です。ご一読を。

*12月27日発売「婦人画報」2月号内「極私的名作鑑賞マニュアル」、連載6回目が掲載されました(→https://www.fujingaho.jp/culture/art/a38740815/art-yamaguchikatsura-220114/)。今回は天王洲WHAT Museumで開催中に「大林コレクション」展を取り上げました。ぜひご一読ください。

*「Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第10回、「『傷』と『繕い』の日本文化」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB175N30X11C21A1000000/)が掲載されました。今回は日本文化の大きな特徴である、「金継ぎ」に就いて。ご一読下さい。

*11月1日発売「婦人画報」12月号内「極私的名作鑑賞マニュアル」、連載5回目が掲載されました(→https://www.fujingaho.jp/culture/art/a38169828/art-yamaguchikatsura-211112/)。今回は楽美術館で開催中の「赤と黒の世界」に出展中の、長次郎作黒楽茶碗「萬代」を取り上げました。ぜひご一読を。

*いつ見てもタメになる、ロバート・キャンベル先生の公式YouTube、「四の五のYouチャンネル」の最新回、「大正時代の掛け軸を現代に蘇らせた!」(→https://youtu.be/rPBiG2LHjVw)がアップされました。今回は先生が見つけた痛んだ掛軸が、表具師によって綺麗に生まれ変わると云うお話。僕も少しだけ出演しております。是非ご覧ください!

*「Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第9回目、「私的美術品立国論ノオト」(→https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUB112GX0R11C21A0000000/)が掲載されました。閉塞する我が国の美術行政と、国際美術品マーケットでの立ち位置に関して、個人的意見を書きました。ご一読を!

*10月10日付「産經新聞」朝刊内、「新仕事の周辺」に掲載されました(→https://www.sankei.com/article/20211010-TCXWXQ2EMVIVZGIS2ZE53JSMQI/)。ご一読ください!

*5月25日発売の雑誌「GOETHEゲーテ)」(幻冬社)7月号内「相師相愛」(→https://goetheweb.jp/person/article/20210606-soushisoai58)にて、武者小路千家家元後嗣の千宗屋氏との対談が掲載されています。是非ご一読下さい!

*拙著「若冲のひみつー奇想の絵師はなぜ海外で人気があるのか」(PHP新書)のP. 60の一行目「せききょうず」は「しゃっきょうず」の誤り、P. 62の7行目「大徳寺」は、「相国寺」の間違いです。P. 100をご参照下さい。

*拙著第3弾「若冲のひみつー奇想の絵師はなぜ海外で人気があるのか」が、PHP新書より発売になりました(→https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84915-7)。若冲をビジネスサイドから見た本ですが、図版も多く、江戸文学・文化研究者のロバート・キャンベル先生との対談も収録されている、読み易い本です。ご興味のある方はご一読下さい。

*拙著第2弾「美意識の磨き方ーオークション・スペシャリストが教えるアートの見方」が、8月13日に平凡社新書より発売されました(→https://www.heibonsha.co.jp/smp/book/b512842.html)。諧謔味溢れる推薦帯は、現代美術家杉本博司氏が書いて下さいました。是非ご一読下さい。

*「週間文春」3月12日号内「文春図書館」の「今週の必読」に、作家澤田瞳子氏に拠る「美意識の値段」の有難い書評が掲載されております(→https://bunshun.jp/articles/-/36469?page=1)。是非ご一読下さい。

*作家平野啓一郎氏に拠る、拙著「美意識の値段」の書評はこちら→https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/review/8124。素晴らしい書評を有難うございます!

*拙著「美意識の値段」が集英社新書から発売となりました(→https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1008-b/)。帯は平野啓一郎氏と福岡伸一先生が書いて下さいました。是非ご一読下さい!

*僕が出演した「プロフェッショナル 仕事の流儀」が、NHKオンデマンドで2023年3月28日迄視聴出来ます。見逃した方は是非(→https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017078195SA000/)!

*山口桂三郎著「浮世絵の歴史:美人画・役者絵の世界」(→http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062924337)が、「講談社学術文庫」の一冊として復刊されました。ご興味の有る方は、是非ご一読下さい。