バースデー・ウイークエンド。

昨日は40+?のバースデーであった。この年になると目出度くもないが、マァ年中行事みたいなものだ。

日中はオークション・カタログ最終追い込み、午後には米国人茶人のグレッグ氏が、茶壷と茶杓を見に来社。彼は金融機関に勤めているのだが、30年前に日本で茶の湯と出会い、長い間の裏千家でのお稽古を通じて、茶人となった。マンハッタンのアパートに茶室も持ち、道具も京都や日本橋の一流店で買うという、博覧強記的知識をも兼ね備えた「茶人」である。

さてそのグレッグ氏、前にも書いた「千種」を溜息と共に見る。作品に触る前には時計を外し、敷衣、口覆など装束も丁寧に見た上で、古今名物類聚に所載が無いかと尋ねたり、この作品は利休展で見た等と嬉しそうに話す。全て見終わって仕舞う時も、丁寧に順番通りキチンと仕舞った。あぁ、何と言う外国人だろう…日本人である筆者も見習わねば。茶会の約束をして別れた。

仕事を大急ぎで片付け、メイン・イベントのバースデー・ディナーへ。いつも誕生日は家での食事が多いのだが、今年は友人のシェフがいる、46丁目の「SUSHI OF GARI」に行く事にした。このシェフは赤星さんと云い、元々在レバノン日本大使の料理人だったのだが、その後彼がNYに来て「RIKI」という店でシェフをしていた時に知り合いになった。赤星さんが居た頃の「RIKI」は、「居酒屋」ではあるが、彼の発明した料理が大変美味しく、よく通い詰めたものだ。

その赤星さんと仲良くなったきっかけは、確か阪神タイガースが優勝した年(彼は熱狂的なタイガース・ファン)の事である。彼が祝勝万歳をしている写真が、「NYの虎キチ・ファン」として日本の全国紙に載り、それから直ぐ店でその事を彼に話した時に、お互い誕生日が一緒だという事が判ったから。同じ誕生日に生まれた人間は、性格も似るのだろうか?シュワルツェネッガージャン・レノ、赤星さん、孫一と来れば、共通点は「ガチムチ」「気は優しくて力持ち」(笑)。

赤星さんを驚かせる為に偽名で予約をし、「GARI」に赴いた。カウンターで彼を呼び出しビックリさせ、花束贈呈後赤星さんのサービスの茄子素麺(本当に美味!)を堪能する。

GARIの創作寿司は、筆者が世界で唯一許せて、且つウマイと思う創作寿司(マグロ赤身にラディッシュ風味の豆腐ディップを載せた奴とか、サーモンにアツアツのチーズトマトを載せた奴とか!)で、オマカセであるのだが、ナカナカ止められない程旨い(ちょっと高いが、本当に美味いので、騙されたと思って行ってみて)。さて食べ終わると急に店内が暗くなり、キャンドルの燈されたデザート(トロではない)が。ハッピー・バースデーが皆で歌われ、満員の店内から拍手を受ける。恥ずかしい…が、嬉しかった。

「GARI」を後にし、今度はチェルシーの「BASTA PASTA」へ。念の為、筆者にとってはレストランのハシゴなど、日常茶飯事なのである(笑)。

高田シェフと、彼に先日貸したサンソン・フランソワショパンノクターン集の話で盛り上がる。フランソワはある種サロン・ピアニストであり、ショパンドビュッシーのソロの曲を弾かせたら、エッチでマダム・キラー的魅力満載のピアニストである。エロな部分が素晴しいと、意見が合う。

その後話題は、エロ繋がりでバルテュス(決して「エロ」では無いが)、そしてベーコン展へ。次回高田シェフのバルテュス的料理を期待しよう。友人のジャズ・ピアニストの、なら春子さんもジョインし、此処でもバースデー・デザートと再びハッピー・バースデーの大合唱。アー、恥ずかった。

いよいよ明日は、第2回地獄パレスのパーティー。客のエントリーは90人を超え、妻は目が三角になってきている。何しろ人が多いので、皆さん涼しい格好でご来場下さいね。

SEE YOU TOMORROW!!