2012-01-01から1年間の記事一覧

年末所感:「空白は満たされた」。

超多忙だった1年も、今日でお仕舞い…。だが、ここ数晩は例年に無く個性的な忘年会が続き、人の生死に就いて考えない日は無かった為に沈みがちだった今年も、何とか明るく締め括れそうだ。そんな忘年会。一昨日は、大学時代の友人で現在編集者のNが結成したオ…

「手」の歴史。

ここ数日、クサマヨイの実家の在る萩に行って来た。 今回の帰省は毎年年末恒例の物だったが、今月11日に亡くなった彼女の祖父、萩焼陶芸家三輪壽雪の市民葬に出席する為でも有った。102歳10ヶ月と云う天寿を全うした壽雪お祖父さんは、亡くなった時には生死…

「ジングル・ドージョージ・ベル」、或いは「和の聖誕祭」。

ここ数日、世の中はクリスマス一色だった…。しかし我々の様に、ニューヨーク在住の日本人がこの時期の日本に居ると、クリスマスに「和」を求めてしまいたく為るのは、一体何故だろう?(笑)と云う事で、今年のクリスマス・イヴは、49年間の筆者の人生で恐ら…

白隠、歌舞伎、向島の夜。

新東京都知事も進める「東京オリンピック」。しかし筆者は、「福島」の事を解決しない内にオリンピックを開催する事は「絶対的に」反対で有る。それは国家としての国際的責任感の欠如も甚だしく、福島を今の状況の侭オリンピック誘致を進める事に賛成する輩…

「無始無終」。

成田屋が検査入院したらしい。甚だ心配なニュースだが、無事を祈るしかない。勘三郎を失い、玉三郎は体力が落ち(もう「娘道成寺」を、ひと月公演の間踊れない)、ここで団十郎が倒れたら歌舞伎は一体どうなって仕舞うのだろうか。新歌舞伎座のオープンに団…

過去への回帰。

コネチカットで、悪夢がまた起きてしまった…。今度の銃乱射事件の被害者は、20人の子供と6人の大人…オバマの涙の会見も見たが、アメリカに今必要なのは、云う迄も無く「悔恨の涙」等では無く、「法律」で有る。此処でも毎回云って居るが、アメリカの闇は恐ろ…

死者は「教師」で有る。

3月のオークション出品作品を探す為の、3日間に及ぶ関西出張をこなして来た。今回の出張は分刻みのスケジュールの中、「三都物語」を当に地で行った訳だが、陶磁器、掛軸や屏風等の絵画、明治工芸や書、茶道具迄、何しろ観た物は多彩…「大物」も何点か決まっ…

やっぱり起きた「天変地異」。

選挙迄、後1週間。昨日、民主、自民、維新「以外」の党に既に事前投票を済ませたが、結果は一体どうなるのだろうか…特に筆者は、この3年間何の変化もしない処か極右化して居る自民と、石原・橋下の「烏合連合」維新の会の両党首の改憲・国防政策には到底承服…

咽び泣く「ハーモニカ」:杉本博司展@クリスティーズ・ジャパン。

今日も「アート」では無く、いきなり「食」の話で恐縮だが(笑)、数日前、今年行った如何なるイタリア料理店の中でも、最も旨いイタリアンを食べた。そのレストランとは目黒に在る「M」…余りに小さい食堂の様な店なので、此処で教えて予約が取れなくなって…

闘う「傾き者」の死。

師走に入り、日本も寒さが増して来た…そして、中村屋さんが逝った。先月日本に来てからも、「どうも難しそうだ」と聞いては居たが、57歳とは余りに早い。ここ数年歌舞伎は、客が呼べる海老蔵、玉三郎、そして勘三郎の人気三枚看板でやって来たが、筆者も楽し…

「昼夜アート漬け」の者に必要なのは、時間で有る。

ワタリウムの和多利志津子館長が亡くなった。高校生の時、当時日曜しか開いて居なかった「On Sundays」とワタリウムに初めて行き、ホックニーのポスターを買った。そしてこの仕事を始めて、改めてワタリウムを仕事で訪ね、浩一氏を交えて何度かお会いした時…

「孫一、会社やめるってよ」。

選挙迄後3週間を切り、滋賀県の嘉田知事が「日本未来の党」を結成・発表した。この時期での発表は、流石「選挙のプロフェッショナル」小沢氏の仕掛けでは無いかと思うが、亀井氏等の反原発勢力が結集すれば、かなり闘えると思う。安部氏などは「『反原発』1…

「赫赫宗周」、或いは「台北でした最敬礼」。

一昨日から台北に行っていたのだが、先ずは先週末の話から。先週末の土曜日は、観世流能楽師青木涼子さんの「制作に向けた対話 その1 Noh x Contemporary Dance トーク&パフォーマンス」を観に、青山の東京ドイツ文化センターへ。この企画は、能を媒介とし…

ドグー・ジョーモン・コスモス。

今日は先ず、香港のニュースから。昨晩、香港クリスティーズで開催された「アジア20世紀&現代美術イヴニング・セール」は、ロットで87%、ヴァリューで95%を売り、4億2040万香港ドル(約44億6500万円)を売り上げた。トップ10リストを見ると、トップ・ロット…

カタルーニャ讃歌。

衆院選も都知事選も、そして筆者の仕事も酣…。来歴もクオリティも素晴らしい屏風や鎧を査定したり、出雲名物の「釜揚げ蕎麦」を食べながら乾山の名品の査定をした、出張先の蕎麦屋の綺麗な女将さんがこのダイアリーの読者だと分かり、一緒に記念撮影をしたり…

「雪の小面」と「富士山」。

今日は先ずは告知から。来たる12月22日から来年2月24日迄、東京渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」に於いて、「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」」(ホームページ→http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin.html)が開催されるが、…

天才は、忘れた頃にやって来る。

最悪の展開と為ってしまった…。それは「維新の会」と「太陽の党」が合併した事で、しかも会長は石原氏だと云う。これで私的には、この新「日本維新の会」への投票は無くなったが、その理由は云う迄も無いだろう…全く以て最悪だ。この侭では、何処にも投票が…

オスカールの「旅」と、クリスティーズ「史上最高の現代美術セール」。

いや驚いたの何のって、今日衆院を解散すると、一昨日の党首討論中に首相が爆弾宣言した!突発的にも自滅的にも、はたまた自虐的にも受け止められるこの発言だが、しかし東京都知事選と共に日本・東京の将来を決める、そして国民・都民双方の見識と責任感を…

31年間の記録。

小沢一郎氏が、再び無罪に為った。火を見るより明らかな結果だが、日本の検察とは何故こうもレヴェルが低いのだろう…その上「謝罪」すら満足に出来ないのだから、手に負えない。こんな事では、検察官に「秋霜烈日」のバッヂを着ける権利は無い。東電OL事件も…

「いかさま」と「死に場所」。

日本に着いた。今回は、最近ANAが始めたニューヨーク〜東京1日2便運航の、新しい夕方便NH1009便(16:55JFK発→翌日21:05成田着)を使ってみたのだが、此れが中々宜しい。運航を始めたばかりだからかも知れないが、この便のビジネス・クラスは結構空いていて、…

オバマの勝利と、日本の敗北の理由。

サンディが去って、米大統領選挙も終わった。そして、アメリカがバラク・オバマにこれからの「4年」を託したこの日、ワシントン州とコロラド州では大麻が合法化され(税収が増える)、昨日のニューヨークは初雪の猛吹雪…序でに株価は急落した。そんな吹雪の…

「輪廻転生」の交響詩:「クラウド・アトラス」。

先ずは、ウチのクサマヨイ(旧「ゲル妻」)が、以前「教授」と共演した「ストーン」でのライヴに関して(拙ダイアリー:「『テンスな、余りにテンスな…』: 坂本龍一&ゲル妻@The Stone」参照)、教授が語っている新聞記事を「つい最近」見つけたので、取り敢…

「リハーサル」の醍醐味。

昨日11月3日は、年初に逝った亡き父の誕生日。それと同時に「国際浮世絵学会 五十年のあゆみ」と云う本が、学会から送られて来た。1962年に「日本浮世絵協会」として誕生した本学会、亡き父「先生」が設立に心血を注いだその学会の歴史が、筆者の人生と略重…

「ハリケーン」直後の「テンペスト」と、暗闇レストラン。

ミズ・サンディは去ったが、その爪痕は未だ残る。そしてハリケーン一過後、ニューヨークの気温は一気に下がり(最低4度!)、マンハッタンの街には「冬の匂い」がし始めた…と云う事は、未だ電力が復旧して居ないかなり広い地域でのこの寒さは、特に老人に取…

ハリケーン到来時に於ける、ニューヨーカーの「最大の危惧」に就いての考察:その2。

「サンディ」が去って行った。思い返せば今回の事は、中身は大した事無い癖に(ハリケーンとしての「カテゴリー・レヴェル」は低い)、ブランド品で外見を飾り立てた(満潮や寒気等、他要素の複合化)、しかも日本人からすると「あのレヴェルでか?」との感…

ハリケーン到来時に於ける、ニューヨーカーの「最大の危惧」に就いての考察。

超強力ハリケーン「サンディ」がやって来た。しかし、毎回ハリケーンが来ると思うのだが、何故ハリケーンの名前は何時も「女性」の名前なのだろう?男的には、その理由は何と無く分かるのだが(笑)、別に「マイケル」でも「ジェームズ」でも、はたまた「ウ…

ニューヨークのギャラリー・シーンを引っ張るニュー・リーダー:新生「Sean Kelly」オープン。

今週末も、「Tatzu」三昧(笑)。先ず金曜の夜は、タイム・ワーナー・ビルに付属する、コロンバス・サークルを見渡すアパートメント・ビルの51階に在る「One Central Park Club」で行われた、大富豪で「Public Art Fund」のボード・メンバーのシルバースタイ…

書道家と現代美術家、序でに「あんちくしょう」。

“They always say time changes things, but you actually have to change them yourself” - Andy Warhol 今日は先ず、以前此処でもお伝えした(拙ダイアリー:「『憂国』と『幻想』な日々」参照)、来る11月12日にクリスティーズ・ニューヨークで開催される…

アンティーク・フェアで観た、白髪一雄と杉本博司、そして青木克世。

先ずは告知から。明日10月24日(水)午後6時半より、ニューヨーク日本クラブにおいて、現在コロンバス・サークルで絶賛公開中のパブリック・アート「Discovering Columbus」のアーティスト、西野達さんの講演会が催されます。筆者もモデレーター兼ゲスト・ス…

「ハレのご縁」、或いは「サプライズ大作戦」。

ネットで日本の新聞を読んで驚いた。東京都が、前回の五輪招致の書類18億円分を「紛失した」と云うのだ。呆れて物も云えないが、長である石原氏はこの責任をキチンと取るので有ろうか。電通等の云いなりに為り、都民の税金を湯水の如く使った末に招致に失敗…