謹賀新年2024

新年明けまして御目出度う御座います。 元日から大地震・航空機事故と悪いことばかり…犠牲者の方々のご冥福と、北陸の1日でも早い復興をお祈りする。 そんな中下らない話で申し訳ないが、小生明日1月3日18時よりテレビ朝日系で放映予定の「博士ちゃん」とい…

「能」ある生活/最新版。

・「千手」@横浜能楽堂 シテ:櫻間右陣(金春流) 一ノ谷の合戦で敗れた平重衡は、捕らえられ鎌倉に送られる。そこで千手という女が遣わされ、出家の願いは聞き届けられなかったと重衡に告げ、重衡は琵琶を、千手は箏を弾き、短い夜を共に過ごすが、翌朝重…

コレクションの美しい終焉。

悦子プライスさんが亡くなられた。 悦子さんは、若冲など江戸絵画のコレクションで著名なジョー・プライス氏の奥様で、長い年月を掛けてお二人で素晴らしいコレクションを作り上げられた方だ。 悦子さんとジョーさんには、僕の30年に渡るオークションハウス…

僕に取っての「老い」とは何か。

本当に久しぶりの更新だが、皆様お元気だろうか。 僕は酷暑の中久し振りに母を連れ、観世能楽堂でお能を見てきた。今日は小鼓方飯田清一さんの会だったので、三番叟に続き一調や舞囃子が続く。 若手の喜多流の大島輝久、矢来観世の観世喜正両師は声が素晴ら…

恭賀新年2023。

皆様、新年明けまして御目出度う御座います。 本年も、隅から隅までズズズいーっと、宜しく御願い奉ります次第にございまする。 2023.1.1 桂屋孫一 ーお知らせー *毎日新聞2月4日朝刊の書評欄「今週の本棚」で、社会学者の橋爪大三郎先生に拙著「死ぬまでに…

緊急告知:必見!12/10放送の「最高のオバハン 中島ハルコ」。

現在フジテレビ系列で毎週土曜日の夜放映中のドラマ、「最高のオバハン 中島ハルコ」が12/10に最終回を迎えるが、その最終回でオークショニアを努める主演の大地真央さんの演技指導と、オークション・シーンの監修をさせて頂いた。 https://tk.tokai-tv.com/…

特報:拙著新刊案内。

特報! 11月17日に拙著「死ぬまでに知っておきたい日本美術」が、集英社新書より刊行されました。 日本美術への「窓」になればと思い、記した読み易い本です。図版も多数掲載されておりますので、ご興味のある方は、是非ご一読下さい。 【推薦】こんなに自由…

茶会とドラマと、そして悲しみのあんこ。

先週末は大変な日程だった。 土曜日は朝からいそいそと起き、杉本博司御大の江之浦測候所「開館5周年記念茶会」へ。この茶会は「利休生誕500年記念」としても催され、亭主は杉本氏と武者小路千家家元後嗣の千宗屋氏、その若宗匠がお茶を点てると云う物だ。 …

「ニューヨーク・アート・ダイアリー」特別篇:「幽霊」、ニューヨークに現る。

日本は超強力台風が来ているとの事、心配だ…と他人事の様に云えるのは、僕がニューヨークに来て居るからだ。 コロナ禍になってから初めての今回の海外渡航は、飛行機に乗る迄は嫌で嫌で仕方無く、何しろこの3年間、僕は国内便しか乗った事が無かった訳だから…

命モイラズ、名モイラズ。

「国葬」…もういい加減にして欲しい。安倍氏の逝去は痛ましいが、それとこれとは全く違う話だ。僕は安倍氏の国葬に関しては、一国民として断固反対する。 理由は簡単明快で、今回の「国葬」閣議決定が「民主主義の根幹を揺るがす」事態だからだ。 先ず持って…

「The Sugar Shack」の奇跡。

先週一杯で、クリスティーズ・ニューヨークの20/21世紀美術セール・ウィークは終了し、印象派・現代美術・シュールレアリスム各分野の3つの素晴らしい個人コレクションを含むそのセールズは、計14億4119万6524ドル(約1873億5500万円)を売り上げ、大成功理…

僕の「杜若」。

更新にかなり時間が掛かって仕舞った。 そこで先ずは御礼から…去る3月9日、日経ホール・カンファレンスルームで開催された、杉本博司氏とのトークにご来場、またズーム参加された皆様、有難う御座いました!お陰様で200名を超える視聴を頂きましたが、さすが…

何も起きていないふりをするな。

また起きてしまった。これを許したらまたやるだろう…他の国も。 カーネギーやミラノ市の対応は正しい。僕も今迄ゲルギエフのファンだったが、侵攻反対のステートメントを出さない限り、もう聴かない。芸術と政治は関係ないって?いいや、この独善的で不条理…

緊急告知:「目の眼」ハイブリッド スペシャル セミナーのお知らせ

来る3月9日(水)19時より、日本経済新聞新聞社カンファレンスルームにて、現代美術家杉本博司氏と対談を行います。 今回のテーマは「美意識と銭意識」。古美術コレクターとしても知られる杉本氏と、美と銭(ゼニ)について語ります…シニカルでエデュケーシ…

さらば「キング」…また会う日まで。

オミクロン株の猛威に人々は怯えつつも軽んじ、感染は広がり続け、未だ終息しない…そんな中、こんな事で久し振りにダイアリーを更新するのは悲し過ぎるのだが、書かずにはおられない。 それは先週の火曜日に届いた「キング」と呼ばれた男の逝去の知らせで、2…

謹賀新年

新年明けまして、おめでとう御座います。 中々更新できませんが、本年も宜しくお願い申し上げ候。 桂屋孫一拝 ーお知らせー *「Nikkei Financial」内「知の旅、美の道〜Journey to Liberal Arts」での連載コラム第11回、「アート・ミッション・ポッシブル20…

深夜の「違和感」。

本当に久し振りのダイアリー更新だ…言い訳がましいが、スペシャリスト時代には無かった仕事で忙殺されている状況で、我ながら忸怩たる想いがある。 作品に向き合い、鑑定し、調査し、査定して、その作品が行くべき所に納める…そんな日々が懐かしく、作品や持…

「祭典」と「夏祭り」の終焉と、怨嗟。

東京オリンピックが終わった。 日本は史上最高の58個のメダルを取り、色々な競技の中で、例えば日本が大逆転した卓球混合ダブルスの準々決勝等、大興奮した試合や感動したゲームも有り、それだけを見れば成功とは思うし、選手の努力と活躍には敬意を払いたい…

「類は友を呼ぶ」、或いは「リテラシー・ガラパゴス」。

本当に久し振りのダイアリー更新がこんな話題で申し訳ないが、もう我慢が出来ないのでお許し頂きたい…今日のテーマは「国辱オリンピック・パラリンピック2020」に就いて、で有る。 此処に来ての東京オリパラでのクリエーター達のスキャンダルは、このオリパ…

「男の背中」に関する、幾つかの私的考察。

何もした感覚が無い侭、今年ももう直ぐ1/3が終わって仕舞う…光陰矢の如し。 そして時と共に自分も歳を重ねて来ると、当然鬼籍に入った人も多く為り、最近はジェンダー差別の問題もクローズアップされる事も多いので、「男の」とか「女の」等という形容詞は使…

「熊野」の季節。

あれから10年…時の流れは早くて、遅い。犠牲者の方のご冥福を改めてお祈りしたい。 そしてこの10年の間、僕を含めて人々の生活は一変したが、自然の力だけは変わらず、今年も3月も半ばに為ると、早咲きの桜の蕾も綻び始める。 そんな中、観世能楽堂に足を運…

京都芸術大学・基礎美術「一期生」の栄光。

緊急事態宣言が延長された。当然の事と思う。 が、それにしても、この期に及んでもオリンピックを「何が何でもやる」といい、人が汗水垂らして収めた税金を医療機関にもPCR検査拡充にも使わず、官房機密費やオリンピックの為に湯水の如く使う政治家、政府に…

謹賀新年。

新年明けまして、御目出度う御座います。 昨年は本の出版等を始め、本業でも多くの方にお世話になりました。今年も出版・連載の予定がありますので、乞うご期待。 そして去年は本当に色々な事が有った年だが、今年は良い年に為ります様に。 が、それもこれも…

引き際の魔術師。

気がつけば11月ももう半ば…今年は、僕の人生のここ30年間で「初めて『海外』へ行かなかった年」と為った。 酷い時はニューヨーク〜日本間を毎月往復していた僕に取って、外国出張は身体的にはキツくても、精神的には気分転換や気を紛らわすのに最適だったし…

緊急告知。

皆様、大変ご無沙汰致して居ります。 此処に書きたい事は山の様に有るのだが、ダイアリーも中々更新出来ず、遺憾極まり無い…今の自分の職種では、書く事も、観る事も、調べる事も、儘為らず、集中し辛い。 等と云い訳と愚痴を口にしながら、今日は来週に開催…

半沢直樹:「東京中央銀行」での最大派閥に就いて。

安倍総理が突如辞任を発表し、どうも菅官房長官が後継となりそうだ。 終わった事は仕方ないが、しかし新首相、そして特にメディアには安倍政権時代の負の部分の反省を「痛切に」反省して貰い、この千載一遇の「改革のチャンス」を無駄にしないで欲しい。一国…

「自分の言葉」の重み。

昨日は長崎に原爆が落ちて、75年目の日だった。 その朝、毎週日曜恒例の「日曜美術館」を観たら、時期的な事も有り、「無言館」(→https://mugonkan.jp/)の特集をやって居た。 「無言館」は長野県上田市に在る「戦没画学生慰霊美術館」で、僕も一度は訪れた…

長男の「日本戦後美術体験」。

物事は一度途切れると、それを復活させるのは誠に難しい…人間関係も、仕事も、そしてこのダイアリーも、だ。気がつけばコロナ禍下で在宅勤務となり、夜の外出もかなり減ったと云うのに、何と丸2ヶ月振りの更新で有る。 さて、この間の政府や都のコロナやその…

日本版「ルイ14世」への意見書全文。

今日はアート・ダイアリーはお休みして、ポリティック・ダイアリーとなるので悪しからず。 今瀬戸際となっている東京高検の黒川検事長の定年延長問題は、本当に無視してはいけないし、強行採決、法改正など決して許してはいけない。以下は、15日に名だたる検…

百聞は「実見」に如かず、或いは初の「ZOOM飲み会」。

外出自粛もいい加減ウンザリしてきたが、パチンコ屋や海、ドライヴなどに行く人たちの気がしれない…全く何を考えているのだろうか⁉︎怒りを通り越して呆れるしかないが、そんな中、我が家にも「アベノマスク」が届いた。 作った人に罪はないかも知れないが、…