2011-01-01から1年間の記事一覧

「New Year's Eve」の随想。

本当に色々有った今年も、今日で終わり。1年間、辛抱強くダイアリーを読んで下さった皆様に、先ずは御礼申し上げる。 2011年。祖国では震災が起き、しかし原発は未だ稼働している。中東が解放され、ルシアン・フロイドが死に、カダフィ、ビン・ラディン、金…

「六条の御絵所」としてのウィレム・デ・クーニング。

今年も後2日。年の瀬の慌ただしさの中、頼んでいたジョセフ・コスースの版画の額装が出来て来たりして、何処と無くニューヨークのアート業界も、仕事納め的な雰囲気を醸し出している。そんなニューヨークは、此処の所寒さを増し、イースト・ヴィレッジの和食…

Qui était Pina ?…ピナとは何者であったか?:ヴィム・ヴェンダースの「PINA」を観た。

今年も後数日を残すのみ…ニューヨークでの、アートに関する「やり残し」をやって置かねばならない。と云う事で、久し振りの雨だった昨日は、この秋の「ニューヨーク・フィルム・フェスティヴァル」で上映されたのも係わらず、売り切れの為観る事の叶わなかっ…

チャイニーズでイタリアンな、クリスマス・デイ。

クリスマス当日のニューヨークは、日頃からは信じられない位に静かで、寒過ぎず素晴らしい天気だった。そんな昨日の昼前、我が地獄宮殿は、現在官僚である旦那様のお仕事の都合でワシントンに駐在中の、ゲル妻の中高の親友Hさん一家をお迎えした。見るからに…

クリスマスには、ダウンタウンで「精進」を。

ニューヨークも、愈々クリスマス・シーズンに突入。マンハッタンの街は物凄い人で溢れ、店は混雑の極み。しかし、それでも此方のクリスマスはやはり一味違っていて、ロックフェラーの巨大ツリーの思ったよりも控え目なデコレーションや、救世軍の鳴らす鐘の…

「プロ中のプロ」との別れ。

一昨日ニューヨークに着くと、機外の気温は摂氏零度。JFKからマンハッタン、そしてヘルズ・キッチンの自宅へ帰る道すがら、街中の美しいクリスマス・デコレーションに眼を奪われる…ニューヨークのクリスマス・シーズンのデコレーションは、街行く人やそのワ…

「桂」と「12月」の相性。

成田のラウンジに来ている。1ヶ月を超える長い長い出張も、今日でお仕舞い…今回の旅は、自分でもビックリする程の驚異的な「引き」と、「縁」の強さを実感した旅でも有った。さて一昨日は、昼過ぎから若宗匠と会い、シアター・トラムでの舞台公演「その妹」…

光陰矢の如し。

何と、シラク前仏大統領が有罪に為ったらしい。シラク氏は知る人ぞ知る親日家で、一説に拠ると愛人も日本人だったそうで、日本や中国古陶磁の収集家としても知られているが、そのシラクさんの「骨董エピソード」が有るので、紹介しよう。それは東京の或る老…

「『京の夜』納め」と、旅の途中の読書感想。

今年の日本滞在も、後数日。それでも筆者の「モノ探し地方廻り」は続き、一昨日は朝イチで広島に飛び、顧客と打ち合わせと&ランチを済ませると、急いで京都入り…今回の日本滞在中京都に行くのは、もう一体何回目だろう?京都に着くと、夕方から2人の顧客と…

冬の花火。

日本も寒くなって来た。そして年末年始は、ニューヨークで過ごす予定の筆者の日本滞在も、後5日程…仕事も遊びも、大詰めで有る。今回の滞在中最後の日曜日は、最近娘さんが産まれた作家H氏夫妻宅を、キャスターU女史、写真家S氏と共に、お祝い訪問。H氏が出…

「皆喜」月蝕。

昨日は、忙しくも嬉しい1日だった。先ず昼過ぎからは、友人のクラシック・ギタリスト、益田正洋君の結婚パーティーに出席。益田君とは、彼がジュリアード音楽院在学中からの付き合いで、「9.11」の丁度ひと月後に彼がジュリアード・シアターで演奏した「アラ…

「光」を飲み、「酒」を飲む@文壇バー。

東京に戻った。が、京都での最終日は、業者を数人訪ね、何品かの出品を頂く。しかしこの日眼にした、最も心に響いた作品は、実は仕事を離れ、個人的な興味でほの暗い茶室で拝見した、何幅かの「慈雲さん」の書で有った。慈雲尊者こと慈雲飲光(おんこう)は…

1200年振りの「大将軍」との再会。

一昨日、関西に来た。VIPとのランチを青山で終え、2人の後輩を従えて新幹線に飛び乗り、先ず向かったのは…大阪。某倉庫に赴き、屏風や軸物を拝見したが、残念ながら高価な作品は無くガックリ。夜は、今大阪に赴任している、小学1年生から41年間に及ぶ友人で…

「にも関わらず」な日常。

日本でのビジネス・ゲッティングも大詰め…今週は出張も多く、今回の滞在の1つの山場で有る。そんな多忙中にも関わらず、月曜の夜は三宿の美味しい寿司屋「金多楼」で、茶人A氏と金融関係のT氏との、男3人で会食。実はこの晩の食事会は、全てを此処に記すと剰…

女の面々。

日本帰国後初日の昨日は、先ずは、久々に実家に帰った。筆者の実家は、武蔵野の面影の残る、木々に未だ囲まれるK市に在り、云ってしまえば「別荘要らず」の場所なのだが、K駅のホームに降り立ったら、雲一つ無い青空に真っ白く冠雪した、雄大な富士山が見え…

海を超えた「偶然力」。

セールが終了した火曜日の晩は、「打ち上げ」スタッフ・ディナー。店は、筆者に取って今滞在中2度目の、雑居ビルの3階でエレベーターを降りると、いきなりテーブルに座った客が迎えると云う変わった店の造りの「L.Y.P.」で、総勢50人程が一同に会しての、如…

香港セール終了。

気が付けば、師走。もう後ひと月で、今年も終わり。年を取ると、何でこんなに時間の経過が速くなるのだろう…全く以て嫌に為る。さて、飽食の限りを尽くす勢いの香港滞在だが(涙)、「香港の景気は如何に?」との心配も有った今秋のオークションも、無事昨晩…

中国美術市場の「明日は、どっちだ?」。

橋下大阪市長が誕生した。 この人の事を「独裁者」等と、とやかく云う人が居るが、この人程「実践」する有言実行の人も、今の日本の政界には居ないのでは無いか。今の日本には、一本筋の通った、確固とした「背骨」が必要なのだから、彼の様に明確なヴィジョ…

「大ボケ」と、Rの講演@国際浮世絵学会。

一昨日、鎌倉へ行った後は、代官山に在る子供の頃からの行き付けのレストランOで、来日中のR&C、老舗版画版元のW氏夫妻、筆者の両親、そして我等地獄夫婦の4カップルでディナー。川瀬巴水等の美術の話題に花を咲かせながら、美味しいオードヴル数品と、カリ…

90年後の「記念撮影」。

最高の天気だった昨日の金曜日は、朝から日本滞在中の顧客兼友人、R&Cのカップルとゲルゲル妻を伴って、鎌倉へ。この鎌倉への小旅行の目的は、Rが望む、彼のお祖父さんに関わる「或る事」を実現させる事で、そのヒントは彼が見せてくれた一枚の写真に有る。…

「男らしさ」と「男の世界」。

ハッピー・サンクス・ギヴィング、ニューヨーク!京都での一昨日は、午前中、友人カップルのR&Cと合流し、伝狩野孝信の襖絵を観に龍安寺へ。この織田信長の弟に拠って注文されたと思われる6面の襖絵は、昨年の筆者担当セールで、120年振りに元々の持ち主で…

鐘と雑炊。

一昨日日本に着いたゲルゲル妻と、昨日関西にやって来た。今回の旅は、2日目からはニューヨークの顧客カップルと京都で一緒なのだが、初日の昨日は早めに東京を脱け出し、2人で智証大師開祖、天台寺門宗総本山の園城寺、通称三井寺を訪れた。毎年の紅葉でも…

「近江の神仏」に会った、日帰り旅。

長年の疑問が有る。新幹線のトイレの手洗いの蛇口付近に、「飲み水ではありません」と書いて有るのだが、ではこの水は、一体どんな水なのだろう?飲める程綺麗では無いが、手を洗える位には、綺麗なのか?また他の人は、「飲めない水では、手も洗いたくない…

嵐の中で「縁」を思う。

日本に来てから、寒暖の差と時差ボケで、体調がパッとしない。が、そんなモヤモヤを吹き飛ばす様な出来事が有った。その「モヤモヤを吹き飛ばす様な出来事」とは、少し前に「夢」に関して此処に記した事にも関わっている(拙ダイアリー:「OMEN:前兆」参照…

「メタボ」は増殖する。

月曜から、東京での仕事が始まった。顧客に会い続け、良いモノ、悪いモノを見続ける…今回も新出の歌仙絵や仏像、新版画コレクションや某有名寺院旧蔵の襖絵等、面白いモノも多い。そんなここ数日の夜は、夏→冬時間(−1時間)、ニューヨーク→西海岸(−3時間)…

「南蛮」の夢と妄想。

天皇陛下の御容態を、甚だ心配している。入院以来、未だ39度の熱が下がらず、退院の目処も立たないとの事。大事が無ければ良いがと心から思うが、今年は剰りにも大きな事が起きすぎた…陛下の1日も早いご回復を御祈りしたい。さて日本での初日は、時差ボケの…

ステファンの「完璧な音」。

一昨日の朝、サンフランシスコのホテルでNBCを観ていたら、物凄いサーフィンのシーンが突然映し出されて、吃驚した(→http://m.youtube.com/watch?desktop_uri=http%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3D8DIsjgZoLO0&v=8DIsjgZoLO0&gl=US)!話を聞くと、…

現代美術、強し!:クリスティーズとサザビーズの「イヴニング・セール」結果報告。

昨日、西海岸に来た。夏時間がこの前の日曜に終わり、今度は3時間の時差(戻る)…都合4時間の、この微妙な時差が意外と体に堪える。しかし昨日のニューヨークからのフライトは、何と定刻に出て、驚くべき事に1時間近く早く到着。余りに順調且つ早く着いてし…

「アート・エイリアン」の観た「リーガル・エイリアン」:Sting@Roseland Ballroom。

昨夜はゲルゲル妻と、2晩連続でコンサートへ…今度は、アーティストも観客もグッと年齢層を上げての「スティング」である。ミッドタウン・ウエストに在るRoseland Ballroomに着くと、開場から30分遅れて来たせいで、入場を待つ長蛇の列がブロックを2回半曲が…

「玉座」に座る権利を持つ男:Jay-Z and Kanye West @M.S.G.。

筆者の「ヒップ・ホップ歴」、と云うか「ラップ歴」はそれなりに長い。生まれて初めて「ラップ」為る音楽を聴いたのは、高校生の時に流行っていた「シュガーヒル・ギャング」と「カーティス・ブロウ」だったと思う。シュガーヒルの「Eighth Wonder」や「Rapp…