2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「利休忌」と、5億4千万ドルの夢。

ニューヨークは春爛漫…セントラル・パークの花は咲き乱れ、戦ぐ風も夜を除けば穏やかで、ヘルズ・キッチンのロフトから窓全面に見える大きな空や雲、飛び交う海鳥達さえ、その動きが何故かゆったりとして来ている様に見える。そんな中、昨日はアッパー・イー…

「ハナ」と「パナ」。

しかし「東電」には、開いた口が塞がらない…一体全体、彼らは何様の積もりなのだろうか?値上げ反対をすれば、電力供給を止める?他社に切り替えて、その他社が供給不十分な場合に東電に戻って来た場合、更に高い使用料を要求するだと?そんな強気な事を云い…

吾輩は「香炉」で有る。

吾輩は「香炉」で有る。名前は未だ無い…事も無く、取り敢へず「銹絵獅子香炉」と呼ばれて居るやうだ。 吾輩が生まれたのは正徳五年、西洋の暦で云へば、壱千七佰拾伍年の事。吾輩をこの世に送り出したのは、かの名高き都の陶工尾形乾山…京の遊び人絵師、光琳…

「勇気回復」は、週末のダウンタウンで。

やっと、週末がやって来た。前回記した様に、今回の「日本・韓国美術オークション」は最悪の成績で、ここ数日誠に酷い気分で有った…が、しかし「最悪の状況」と云う奴は、何時も何か大事な事を気付かせてくれるので、実は得る物も多い。「平穏状態」って奴は…

愛と哀しみの「日本・韓国美術セール」。

先ずは告知から。3月15日発売の講談社の雑誌「セオリー」内で、筆者連載中の「オークションの目玉」。今回取り上げた作品は、100年以上に渡り数奇な運命を辿った、尾形乾山作「銹絵獅子香炉」…是非ご一読下さい!さて、その乾山作品も出品された「日本・韓国…

「黒紋付き」の夜。

あっという間に、「春分の日」も過ぎてしまった。此処ニューヨークは、連日20度を超える暖かさで、オフィス迄毎朝30分程歩いて通っている筆者の額には時折汗が浮かび、道々の木々もその花を咲かせつつ有る。そしてワシントンD.C.では、この暖かさでポトマッ…

ラスト・スパート。

下見会も愈々中盤戦…各国・アメリカ各地からの、重要な顧客達が揃い始めた。そんな一昨日は午後イチから、日本クラブの講座受講者の為の「下見会ギャラリー・ツアー」を開催。今回は12名の方に参加して頂き、熱心に作品を観、話を聞いて頂いたが、今回は質問…

「レセプション」は続くよ、何処までも…。

「Asian Art Week」が始まり、此処の所連夜のレセプションに出席中。「レセプションに毎晩出ている」と云うと、羨ましがる人も居るのだが、一日中立ちっ放しの下見会の後等、あちこちのギャラリーや会場に移動して出席し、多くの顧客達と会って話をする事自…

「Asian Art Week」、始まる。

昨日のニューヨークの気温は、何と21度。その余りの暖かさと、FRBのポジティヴな声明のお陰も有って、株価もドルも冬眠から覚めたかの様に、大幅の上昇…誠に有難い話である。そして一昨日、春の「Asian Art Week」がスタートし、日本美術の分野でその先陣を…

これが、これが、これが、恋。

昨日、気温が何と19度迄上がったニューヨークでは、日曜から「サマー・タイム」が始まった。普段ならいざ知らず、時差ボケの身に取っては時計を1時間進める事に何の異論も無いばかりか、却って有難い。しかしこのサマータイムは、春の訪れを告げると共に、1…

「物語絵」と「肖像画」@メトロポリタン美術館。

今日は「3・11」。あれから1年…その間本当に色々な事を考えたが、結局「死者」を弔う事も大事だが、より大事な事は「生者」の事を考える事だ、との結論に達した。「死んでしまった者」より「生きている者」の方が大事と云うと、誤解を生むかも知れないが、し…

「相続者」の義務。

生暖かいニューヨークに戻ってきた。さて、昨日のニューヨーク行きANA010便はそれほど混んで居なかったが、日本の航空会社には珍しく、ファースト・クラスにはアメリカ人俳優、しかもオスカー女優が乗っていたので有る。その女優の名は、メリル・ストリープ……

文句は云わない。

この期に及んで、一昨日からは、一泊で地方出張。朝5時半に起きて羽田に向かい、鉛の様な体を引き摺りながら、機内の照明はレインボー・カラー、トイレはブラック・ライトな新機種、ボーイング787に飛び乗る。その日はお2人の顧客の作品を拝見し、夜は午後に…

共有する「知の体験」。

天皇陛下が、無事退院されたとの事…これから充分にご静養頂き、お元気に為られる事を、心よりお祈りする。さて今、内田樹と中沢新一の共著(対話集)「日本の文脈」を読んでいる。読書中にも関わらず、この著作を取り上げた理由は、その53ページから55ページ…

「書き下ろし」の美学。

「偲ぶ会」も終わり、一息吐いた昨日の夜は、菊池寛実記念智美術館へ。この日の智美術館は、夜間開館の「ナイト・ミュージアム」と銘打って居たが、この晩の目玉は、筆者が夫婦で参加した第2回「聴く」会で有る。今回の「聴く」ゲストは、能楽笛方藤田流十一…

「柔和」の面(おもて)。

昨日、亡き父の「偲ぶ会」がホテル・ニューオータニで開催され、恙無く終了した。そしてその偲ぶ会には、小雨の降る生憎の天気にも関わらず、本当に多くの方にご参列頂いた。美術界からは、弔辞を読んで頂いた小林忠理事長を初めとする、国際浮世絵学会や大…

アートを止められない理由。

早い物で、弥生と相為った。 閏日だった一昨日は、朝からの雪…しかし、最近筆者が「お茶」に関わる日は、何故か天候が荒れる。そして今「筆者が」と書いたが、正確には「筆者と『かいちやう』が」で有って、例えば杉本博司氏の茶室「今冥途」の席披きの日の…