エリザベス宮殿の「線香花火」。

昨日は、友人のライター(最近はファッションのみならず、経済や馬術もカバーする)A子姫の御宅、通称「エリザベス宮殿」にて「線香花火の会」が催された。

チャイナタウンに程近いエリザベス・ストリートにある「エリザベス宮殿」は、知る人ぞ知る「マンハッタン2大宮殿」の一つで、もう一つはご存知「地獄宮殿」。両宮殿とも、最高のもてなしと、主の性格が良いので有名である(笑)。

メンバーは10名程、某局アメリカ支局長K氏夫妻、メディア・クリエイターのMK氏(彼は最近「世界の映像作家100人」の内に選ばれたとの事、オメデトウ!)、写真家、ライター、ウエッブ・デザイナー等で、持ち寄りの食事も皆美味しく、姫特製のピナコラーダで気分は超リラックス・モード、会話も「蒼井優」「しりあがり寿」から「MJ」、延いては「ロボ芸者」迄と、話題満載であった。

さて「線香花火」と聞いてから、頭の中では何故か、さだまさしがデビューした時のバンド「グレープ」の「精霊流し」がずっと流れていたのだが、其れはさて置き、いよいよ線香花火タイム!!宮殿のバルコニーには既に茣蓙が引かれキャンドルが燈されると、姫自らに因り日本から到来の、線香花火の登場。何となく懐かしく、花火自体を見ただけで既に切なくなりながら、火を付ける。少しずつ火花が出て、繊細な文様を闇に映し出す。

こんなに美しい「花火」は、アメリカ人や中国人にはとても無理で、日本人にしか作り出せない。皆思わず沈黙の一瞬があって、その内に段々火珠は大きくなり、そして珠は落ちる。昔子供の頃、「火珠が早く落ちる人は、早死になんだぜ!」等と悪口を云ったりしたが、先日亡くなった故大原麗子サントリー・オールドのCM、「少し愛して、長ーく愛して」を何故か、しかし時節柄思い出し、そのセリフを口ずさんで火珠が長く留まる様、願いを託したりした。

線香花火は、儚い。

NYの夏の終わり彩ったこの「儚さ」は、エリザベス宮殿に日本の心を運んで来てくれた。姫に感謝の一晩であった。