IS THIS REALLY THE BEST DAY IN YOUR LIFE ?

昨晩、前にも此処に記した「America's got talent」の準々決勝を見た。

舞台はラスベガスに移り、各地で予選を勝ち抜いた出場者が、ライヴで自分の「TALENT」を全米の視聴者に披露する。勿論3人の審査員(ベイ・ウオッチ、オジー・オズボーン夫人、辛口英国人)もコメントしたり、バッテンを出したりするが、最終的には全米視聴者の投票によって、その翌日の放送で結果が出る仕組みに為っている。

さて番組を見て、或る事が妙に気になった…それは予選を「史上最高の笑顔」と「涙」で勝ち抜いてきた彼等のパフォーマンスが、須らくイマイチと云うか、予選に比べると全く迫力に欠けるのだ。

例の「チキン・キャッチャー」は無精髭を剃り、髪型を整え、新品の服を着て登場(準々決勝からスタイリストが付く)、緊張感アリアリのステージで、終わった時はこちらも大きく溜息を吐いた程だ。これは筆者だけの感想かも知れないが、はっきり云って「小奇麗」になってしまった彼の魅力は、半減したと云っても過言ではない。歌自体は、緊張で声が震えてはいたが、そこそこの出来だった…しかし、ルックスが良くなったと云う事で感動が薄れるならば、彼の「TALENT」の価値は一体どう評価したら良いのだろう?余りにも残念である…。

その後は色々な出場者を、なるべくルックスの変貌や緊張感を考えない様に、こちらなりに努力して見続けたのだが、困った事にドンドン「あれだけ予選で素晴しかったのに、何故今回駄目なのだ!」とイライラして来てしまった。もしかしたら「番組」が出場者にチョッカイを出せば出すほど、彼等のパフォーマンスの新鮮さ、自然さ、自由さ、不器用さ等を削り取ってしまっているのではないか?

出場者たちは基本的に素人なのだから、緊張して当たり前。100万ドルが目の前をちらつく事もあるだろう。過剰(且つ退屈)な演出や、スタイリスト(例えば子供への過剰な化粧)、そして出場者達のパフォーマンスの間に、時間稼ぎ的に見せられるプロのタレント達の「クチパク・ライヴ」が、本当にこの番組に必要かどうか、「番組」側も熟考すべきである!!

出場者の「素」(オリジナル)の「才能」を如何に視聴者に見せるか、そして「発掘(投票)させる」か…そこがこの番組のミソであり、発掘者(視聴者)が最も望む所なのだから。