骨董、コーヒー、そして「根来」。

今京都に向かう「のぞみ」車中で、このダイアリーをアップしている。

たった今「新富士」駅を通過したのだが、残念ながら曇っていて、いつも見える大きな富士山が見えなかった。筆者は、新幹線で関西に向かう時は、必ず「進行方向右側窓際」の席を取る。

それは全て日本の心「富士山」を観るためで、毎回乗車後東京駅から40分位経つと、何と無くソワソワしながら窓外を眺めるのである。それは、富士山の見え方でその日の関西でのビジネスを占うからで、今日は富士山は見えなかったが、その代わりに珍しく大きな「虹」が見えたので、良しとしよう。

さて昨日は久々に幾つか骨董店を廻り、仕事がてら自分も「骨董」を楽しんだのだが、お邪魔したあるお店で、誠に作行の良い「神護寺経経帙蝶金具」を観た。

これは平安時代の巻物のお経を留める、蝶の形をした金具なのだが、後代の物が多い中、頭や羽根の部分の彫りも厳しく、時代があり状態も美しい。江戸期の漆の小箱に入っており、大事にされている様だ。偶々同席していた、その後筆者が訪れた「根来展」の主宰者T氏も、「こりゃイイ!」等と云う…ウーム、欲しい!と一瞬思ったが、我が家の「ロクジョウノ・ミヤスドコロ」の怖ーい顔が頭を過り断念した。骨董買いとは、因果なモノである。

オープニング迄時間が有ったので、乃木坂にある行き付けのカフェ「L」へ。

この店にはもう25年位通っているのだが、筆者はマスターY氏の点てる「世界一旨いコーヒー」と「毒舌」が大好きなのである。なので、コーヒー一杯の値段としたら、この店はもしかしたら世界一高いかも知れない、等と云う事はどうでも良くなってしまう。旨い物は高くて当然、世界一旨いコーヒーは、世界一高くなくてはならない。

雨が降り頻る静かな店内で、マスターと日本の良さと緩さについて語りあった。実はこの「L」には、嘗て優ちゃんも来ていたのだが、前述した様に値上げをした為に、来なくなってしまった。これは彼女自身がエッセイに、この事を書いている。本当に残念である…(泣)。

「L」を出て「根来展」オープニングの為、大倉集古館に向かった。到着すると既に多くの人が来ており、挨拶だけでも一苦労であった。素晴らしい作品揃いであったが、こんな日は展示をジックリ観るのが非常に困難なので、適当に流し後日改めて観に来るのが正解。

もうすぐ京都に着く。