たまには、ミーハーで。

昨日、某映画監督の娘の所に査定に行った件と、ジュード・ロウの芝居の事を記したのだが、今日は平凡な一日だった事も有り、この仕事を始めてから今までロンドン、NYで会った「印象深い」芸能人の事を・・・。

筆者が研修社員をしていたロンドン時代では、先ずはデビッド・ボウイ。彼はModern British Paintingsのコレクターで、ウエアハウスに作品を観に来た時に、1時間ほど一緒に居て話をしたりした。小柄で細く、しかも真っ白な綺麗な肌をしていて、声も仕草も非常に優しかった。ローワン・アトキンソン、ご存知「Mr.Bean」。彼はBritish Old Mastersのコレクターだが、オークション中「Mr.Bean」の役の時の様に「挙動不審」気味に、コソコソと万年筆でビッドする。彼にはカタログを頼まれて、届けた事がある。

プリンセス・ダイ(ダイアナ妃:勿論、彼女は芸能人では無いが)は、受付に来ていたので「Good Afternoon, Princess」と挨拶をしたら、しっかりと「Good Afternoon」と返してくれた。彼女は当社受付のオバサン達と友達だったりして、ロンドン・クリスティーズでは「会社の建物の働いている『階』が『低い』程、家柄が『高い』」と云われる由縁である。ミック・ジャガーは本当に背が高く、スラっとしていて非常に格好良く、ニヤッと笑った時の無邪気な笑顔が忘れられない。アンドリュー・ロイド・ウェーバー(「CATS」や「オペラ座の怪人」の作曲家)は異常に神経質で、流石一流音楽家といった感じだった。

NYでは、例えばマドンナとグウィネス・パルトロウ。彼女たちは噂によると親友らしく、2人で現代美術の下見会に来る。グウィネスが、日本から出品されたある絵画を買った事が有り、挨拶をしたりした。お嬢さんぽくて綺麗であったが、何故マドンナと親友なのか、筆者にとっては未だに謎だ。スティーブ・マーティンやオペラ・ウインフリー、彼らも現代美術のコレクター。野球帽を被って下見会に登場のリチャード・ギアには、日本の兜の説明をしたり。

社屋で見かけた事が有る、という事なら、デミ・ムーアとブルース・ウイルスのカップル(当時)。デミのバースデーに、家を出る時から彼女に目隠しをして車に乗せ、当社玄関からは車椅子に座らせて、VIP・ビューイングルームへ。部屋の真ん中には、ブルースが落札した某印象派の絵がイーゼルに掛けてあり、そこまで車椅子を押してデミを立たせた後、目隠しを取る。その絵を見たデミは、自分がずっと欲しかった絵であったので、涙ぐみブルースに抱きついたと云う。その彼らの帰り姿を見かけた。これは後で同僚に聞いた話だが、彼らにもそんな時期が有ったのだ。

何しろこちらの芸能人は、一般の人と同じ下見会に来るのも、平気な人が多い。日本人のセレブにも、もう少しアートに興味を持って頂きたいが、無理かな…?