「Phillips Edition」:オークション参戦。

昨晩は、友人のC&Rのお宅でのパーティーに参加。

出席者は20名前後で、アート関係者等知り合いも多い。I.M.PEIの建築事務所に居る、中国人建築家のL氏、元サザビーズ印象派近代絵画の部長であった英国人T氏等、顔触れも流石、C&Rである。手作りのご馳走と、アートの四方山話でまた食べ過ぎ。気をつけねば・・・。

さて今日(NY:15日)は、昼からフィリップスの「EDITION」オークションの日。日曜開催なので、会社員の筆者には嬉しい限り。数日前、友人の建築家S氏と下見をした時に、眼を付けていた或る作品(勿論「非常に安いモノ」であるが)をビッドしようとの計画である。

今回は実際のオークション初参加のS氏、エリザベス宮殿主A姫、そして我が家の「財務省」妻を伴っての参戦。オークション前に「腹が減っては、戦は出来ぬ」と、チェルシー・マーケットの「202」で待ち合わせてブランチ。フレンチ・トーストやビーフ・サンド、カレーにツナ・バーガーを各々食し、いざ戦場へ。

フィリップスの会場には、もうかなりの人が来ていて、既に始まっていたオークションも盛り上がっている。が、筆者が買いたい作品はマダマダ先なので、暫くロビーでお茶をする事にした。

S氏共々、下見会の時から気になっていた作品の落札結果をチェックすると、そんなに高く競り上がった作品は余り無い様で、ホッと胸を撫で下ろす。オークションには「流れ」が有るので、「高くなるセール」というのも存在するのだ。今週有った現代美術のオークションが須らく良かったので、ちょっと心配していたのだが、この「EDITION」は文字通りエディションがあるので廉価であるし、投資家等も入って来ない。

さて問題のロットが近づき、オークション会場に4人横並びで座る。筆者はプロであるし、段々とお目当てのロットが近付いても大した事は無いが、A姫とS氏は心持ち緊張の面持ち。数ロット前にS氏にパドル(競る時に挙げる番号札)を渡し、彼に挙げてもらう事にしたのだが、これは何時の日か、彼が自分でビッドする時の為の練習である!!S氏の顔が次第に紅潮し始めた…。

さてお目当てのロットがやって来た。

最初は様子を見るが、筆者の「イケッ!」という囁きと共に、S氏がパドルを挙げる。がしかし、こう云う時は決して焦ってはいけない。何故なら急いで挙げ過ぎると、オークショニアと競合者に「あぁ、あいつはどうしても欲しいのだな…」と思われるからである。あまり「欲しい!」感を出すと、競りのテンポが速くなり、思わず限度額を超えてしまう様な事態が、起きてしまうかも知れないのだ。「オークション」も「恋(女性)」も、「欲しい」時は、敢えて「余り欲しくない感」を出すべきで有る(そこの君、良く覚えて置きなさい!:笑)。

何度か「イケッ!」のサインを出した結果、「チーム孫一連合軍」が非常にお安く(恐らくリザーブ価格で)見事落札…上手く買えました!!我々は勿論、S氏もA姫も「チーム孫一」として最初の「参戦」で見事に買えたので、大満足であった。

カードで支払いを済ませ、梱包前に皆で「シミジミ」作品を拝見。その際A姫が「『お披露目会』やらなきゃ!」と言い出したので、「額装をしたら忘年会序でにやりましょう」と云う事に。いやはや、何とも大満足の一日であった。

明日からまた日本出張。このダイアリーも、またまた「ジャパン・アート・ダイアリー」となります。乞う御期待!!