「初釜」と「激論:メキシカン宴会」。

昨日はオークション・カタログの制作、作品調査等、マジ忙しかったのだが、そんな多忙の中、午後はアッパー・イースト・サイドで東洋古美術を扱うギャラリーを営む、柳孝一氏主催の毎年恒例「初釜」に、妻と御呼ばれであった。

エレベーターを降りると目前には、山元春挙の松の図の墨画金地屏風が有り、お正月の雰囲気満点。観ていたら、左隻の落款印章の「左側」にまた松が描いてあったので「オヤ?」と思い後で柳氏に尋ねると、展示してあるのは「三双の内の一双」で有るとの事・・・合点した。

昨日の「初釜」2セッションの内、筆者夫婦が伺った回のメンバーは、嶋野老師(拙ダイアリー:「老師と仏様とご縁」参照)とそのお付のフランス人尼僧さま、ジャパン・ソサエティー理事長の桜井氏、コレクターのN夫妻やB氏等々、総勢11名。和やかな雰囲気で「席入」をした。

柳氏のご挨拶の後、点心(重ね重弁当)が出る。ウーム、美味い!!NYで此れだけの味の「仕出し」を出せるのは、スゴイ。食事を堪能すると一度「中立」が有り、再び席へ。今年は武者小路千家NY支部「随縁会」の方々がお手伝いをされており、ライターとしても著名な朽木ゆり子さんが、お点前をされた。

今回の主茶碗は、高麗堅手茶碗 銘「小倉山」(16世紀か?)。拝見すると見込みや外側にも赤い斑点が出ており、これを紅葉と見立てての「小倉山」なのだろう(「小倉山峰もみぢ葉心あらば 今ひとたびのみゆき待たなむ」貞信公)・・・ガチムチで立派な茶碗であった。その他、替茶碗の手捏ね赤筒茶碗、茶杓(銘「千鳥」)、軸(これが読めない・・・)等、今年は武者小路千家代々家元に因んだ作品が揃えられた。

茶碗は他に、桃山の黒織部細川護煕や辻村史朗等の現代作家作が登場。茶会後直ぐに旅に出る予定の為、「お詰め」に座っていたコレクターB氏の前に次々と「拝見茶碗」が並び、B氏は「『高級茶碗屋』になった様だ!」と喜んでいた(笑)。今回の「初釜」、お道具の中で筆者が一番気に入ったのは、恐らく江戸中期はあろうかと云う「七宝」の水指で、サイズも容も良くモダンであった。
忙中閑有り、素晴しい一時であった。

「初釜」終了後は、オフィスに戻り再び仕事。普段は「お茶」の後など働く気がしないので有るが、この時期は仕方ないので、頑張る・・・そして夜は友人達と、いざ「メキシカン宴会」へ。

この若い友人達との宴会が行われたのは、アッパー・ウエスト・サイドに在るメキシカン「R」。メンバーは最年少のM音楽院在学中のギタリストS君、コンポーザーのAさん、ピアニストHさん、アーキテクトS氏そして筆者夫婦。イヤー盛り上がりました!

S君はやっと「大人の仲間入り」をしたばかりで、「筆者の息子」と云って全く問題ない年だが、大人びていて外見からは想像できない「肉食系」。Hさんはマイ・ペースで、Aさんは何と「お笑い」が大好きと判明、そしてS氏は相変わらず(笑)。

話題も「人力舎」から「エロ詩吟」、「『ジャズ』を教えると云う事は可能か」等々・・・さてこの辺までは良かったのだが、その後酒量も増え、「何故男はキャバクラへ行くのか」「古典芸能の役者が花街で遊ぶのは『勉強』で、何故我々は遊んではいけないのか」、そしてその上「30代半ばの女性が20歳の男の子に『カワイイー』と云うのは良くて、何故30代ー40代半ばの男が20歳の女の子に『カワイイ!』と云うと、『エロい』とか『オヂサン』と攻められるのか」等、再び、「激論ー男対女、朝まで参ります!」という雰囲気になって来たのだが、席決めの時に「男女対面フィーリング・カップル」みたいにしなくて、本当に良かった・・・と自分を褒めたりもした(笑)。

宴会は夜中の1時過ぎまで続き、解散。今日はオフィスで仕事中である(涙)。