「新年快来 虎年大吉」@前波画廊と、妻の「テレビ出演」。

今日もN.Y.は「雪」である。本当に今年は良く降る・・・。

三連休初日の土曜日は、前の晩の体と胃の疲れも取れないまま(笑)、妻とチェルシーに在る中国現代美術ギャラリー「Chambers Fine Art」での、「チャイニーズ・ニューイヤー・レセプション」に行って来た。

このレセプションは、叔父さんがこのギャラリーのオーナーで、彼女自身もこのギャラリーに勤めている、友人のクリスティーナの招待であった。雪の残る足場の悪い中、ギャラリーに着くと、既に中は相当な人だかり。

何人かの友人と挨拶していると、このギャラリーのコンサルタントをしている、元サザビーズ印象派近代絵画部門の英国人ディレクター、Dr.Tと再会。何時もは「黒」一色である彼の出で立ちも、この日だけは「赤」のセーター姿で、その理由は、今日のレセプションの出席者は「皆何か『赤い物』」を身に付けなければならない」と云うルールが有ったからだ。

この「赤」のドレス・コードは、中国人の新年会には良くある事なのだが、一部の「黒しか着ない」ニューヨークのアート関係者には、ちょっと困る時も有るらしい・・・(笑)。Dr.Tと四方山話をしていると、やっとクリスティーナが登場。何ともカワイイ赤のワンピースに身を包んだ彼女に、画廊を案内して貰った。

この「Chambers Fine Art」は、19丁目に在るのだが立地も良く、裏庭に出ると直ぐ右側にはフランク・ゲーリーの建てた「IAC本社ビル」が聳え立ち、ここが「チェルシー」であると云う事を、否が応でも思い出させる・・・「現代美術画廊」としては、有る意味最高の立地と云える。また夜になるとこの庭は、そのIACビルからの光で幻想的な光景になるそうで、是非一度拝見したいものである・・・云って見れば、非常に21世紀的「借景」なのだろう。

さて実は我々には、このレセプションに来たもう一つの大きな理由が有ったのだが・・・それは「食べ物」である(笑)。前日(と云うか当日)朝の四時半迄、ラーメンだのカレーだのを食していたにも関わらず馳せ参じたのは、このレセプションのケータリングが、マンハッタンでも指折り美味な飲茶店、「麒麟金閣(Golden Unicorn)」だったからである!

イヤー、旨かったの何のって!海老蒸し餃子、焼売を初め各種点心が、美人ウエイトレスに拠って次々と運ばれて来るのだが、もう展示作品の中国現代美術等、ハッキリ云ってどうでも宜しい(笑)。筆者に取って中国を尊敬する最大の理由は、現代美術では無く「食」だからだ(笑)。

そして三連休の最終日、月曜の「PRESIDENT'S DAY」の朝には、孫一家の「イベント」が有ったのだが、それは妻の「テレビ生出演」であった。

前にも此処に記したが、筆者の妻はNYに来て以来、もう何年も「アフリカン・ダンス」を習っている。詳しく云えば、彼女は「アフリカン」だけでは無く、「ヘイシャン(ハイチ)」のダンスも習っているのだが、何しろ筆者に取っては「シテ方能役者」だった人間が、何故「アフリカン」や「ヘイシャン」と云った、リズムに踊り狂う「能とは正反対な舞踊」に興味を持つのか、少々理解に苦しんでいたのだが、本人曰く「極限までの肉体的・精神的『力』を、内側に込めるか、外に出すかだけの違い」なのだそうだ。

それはともかく、要は「WPIX(チャンネル11)」の朝のニュース番組で、妻の通っている「アルヴィン・エイリー・ダンス・スタジオ」の紹介と「ハイチ救済」の意味も兼ねて、6人のヘイシャン・ダンサーが生出演する事となり、その1人として妻が選抜されたらしいのだ。

さて我が妻は、日頃は「朝寝坊の常習犯」なので有るが、この日だけは目覚ましで朝5時起床、準備をして7時前には家を出た・・・何だ「やればできる」では無いか(笑)。筆者は連休最終日にも関わらず、頑張って7時に起き、TVの前でシリアルを頬張りながら、何時か何時かと齧り付き。8時半頃になって、やっとアナウンサーの紹介が有り、ダンサー登場。一番右に、彼女が居ました・・・他のダンサーが皆大柄だったので、子供の様にしか見えなかったが(笑)。しかし、親バカ(『旦那』バカか)みたいで恐縮だが、妻のダンスは出演者中ピカイチであった!!

N.Y.のテレビ局での「生放送出演」は、妻に取っても良い経験・思い出になったと思う。舞台慣れしている、帰って来た本人はケロッとしていたが、こちらとしては『子供の「演奏会」や「発表会」を観る親とは、こんな気分なのでは無かろうか』と、たった「2分間」の、しかしハラハラドキドキの放映であった。

スリル満点の「三連休」・・・「胃」も体も、疲れが取れない(笑)。