上品な一日。

デッドラインが終わった事と、明日からニューヨークは三連休な事も有り、金曜の午後の仕事は「全く」ヤル気無しで半休を貰おうかと(笑)。

そこで、現在NYは「ファッション・ウイーク」でも有るので、A姫から紹介されたデザイナー「TESS GIBERSON」の「FALL 2010 COLLECTION/Superimpose」を観に、妻とチェルシーに行った。

場所は27丁目のギャラリーで、壁にはヴィデオが映し出され、ギタリスト2人の生演奏を聞きながら、今年の秋の新作を観る事が出来る。彼女の作品は、一見良く有るニューヨーク風の「黒」がメインだが、ジャケットのカットやドレープ等も、非常に上品で美しい。ファッションに疎い筆者であるが、見るからに着心地の良さそうなニットも、腕の所がシースルーに為っていたり随所にヒネリが有るが、飽く迄も「上品なデザイン」で感心頻りであった。

TESS本人とも話したが、作品を髣髴とさせる女性で、ナチュラルで繊細、意志の強そうな、そして当然「上品」であった。良く「作品は人を表す」と云うが、彼女自身、作品、プレゼンテーション、全てが「ナチュラル且つ上品」で、この人の服なら妻に買って上げても良いと思った・・・勿論、値段次第だが(笑)。

お腹も空いたのでTESSのショウを後にし、24丁目のPIZZA HOUSE「COMPANY」へ。

この店はお洒落で美味しいと評判で、今まで何回かトライしても、何時も満員で入店が叶わなかった店で有るが、今回は無事着席出来た。サラダとマッシュルーム&ミート・ボール・ピッツァを頼み食べてみたら、噂通りに超美味!生地は新鮮で「サクパリッ」&「しっとり」・・・具もアツアツで本当に旨い。ガツガツ食べていたら、ふと見覚えの有るお顔が・・・来週の日本での「お茶事」でご一緒の予定の、ギャラリストのK女史では無いか・・・こんな所で、とお互いに吃驚!!

その後は、午後の仕事をバックレようかと思ったが、気を取り直して厭々ながらオフィスに戻り、チョコっと仕事。夕方には「今年は『TAX RETURN』が多いと良いなぁ」と願いを込めて会計士に会い、「確定申告」をお願いする(こちらでは全員「確定申告」をする)。

そして夜は、メイン・イヴェント「U女史のお別れディナー」。

このU女史は、来月から某国営放送の「朝の顔」に為り、3年過したニューヨークに別れを告げるので、その「お別れディナー」で有った。場所は毎度御馴染み、シェフ・シリルのブラッセリー「B」。メンバーはU女史、その友人のI氏、建築家S氏、ヘア・デザイナーTOM夫妻と奥さんの妹、そして筆者夫婦の8人。激戦が予想される(笑)。

旨い料理にワインも「赤白赤白」と空き、話も盛り上がるが、やはり話題は「日本の批評精神の無さ」や「コラボレーションの功罪」(このテーマは、今度此処で書こうと思っている)、「こんなに飲んで『朝の顔』は大丈夫なのか」、「日本の大衆の文化度を、『テレビ』で上げるにはどうしたら良いか」等、ジャーナリストU女史への期待に終始したが、筆者もS氏も、U女史の「日本復帰記者会見」での「NYのイケメンは『ゲイ』ばかり」発言を根を持ち、「どうせ俺等は、イケメンでもゲイでも無いもんね・・・」とイジケながらの参戦(笑)、終わり頃には爆笑寄席の様相を呈していた。

その後ワイン・バーに場所を移し、再び何本かのボトルを空けた後、締めは「T」でラーメンとカレー。この「朝の顔」女史は、ホントに良く話し、飲み、食べる。最後は毎回恒例の「男と女」の話となり、がしかし今回はそれ程揉める事も無く、U女史の未来を祈念して散会。

時計を見ると朝4時半。U女史曰く「ウーム、これからは毎朝この時間に、スタジオ入りかー」。本当に大変な仕事だと思うが、彼女ならやれるだろう。彼女には何しろ「ガッツ」が有るし、そして、もし万が一「浮いてしまったら」戻ってくれば良い・・・が、国営放送の「古い体質」に決して負けないで、その「存在感」を示して欲しい。「他の人と違う」のは素晴らしい事だからだ。

U女史の活躍を、NYの友は皆心より期待している。