GREEN AUCTION:A Bid to Save the Earth@Christie's.

昨晩は、クリスティーズに於いて「GREEN AUCTION:A Bid to Save the Earth」が開催された。

この「チャリティー・オークション」は、「アース・デイ」の40周年を記念してのイヴェントで、クリスティーズが世界各国の著名人、有名企業、慈善家、天然資源保護活動家と組んでの、地球環境保全の為のファンド・レイジングが目的である。またこのオークションでは、クリスティーズは一切利益を得ず、収益は全てノン・プロフィットの団体へ寄附される。

このオークションで面白いのは、何しろセールに掛かる計21点の「作品」である。オラファー・エリアソンのユニーク・ワーク「Lava Lamp」(2010)が3万2000ドルのエスティメイト、ダミアン・ハーストの「All You Need Is Jealousy」(2010)は9万ドル、その他グプタやケニー・シャーフ、ジェニー・ホルツァーの作品等も有るのだが、出品作品の目玉は、何と云っても「人生に一度」なロットだろう。

例えば「『ビル・クリントン』と一日ゴルフ」(!)。これは、マンハッタンから30分程、ウエストチェスターに在る「トランプ・ナショナル・ゴルフ・コース」で、クリントン元大統領と「サシ」でゴルフが出来ると云う逸品。予想落札価格の2万5千ドルが高いか易いか判らないが、メルアドや携帯番号の交換、ビジネスのコネ作り、そしてこれから彼を何処かで見かけても「Hey, Bill!」と声を掛けられる事等を考えれば、安いかも知れない(笑)。

況してや、クリントンの大ファンの我が妻ならば、「どんな事をしてでも」落札しようとしたかも知れない…あぁ、終わって良かった(笑)。しかしこのオークションの「E-カタログ」には(今回は紙のカタログは、「自然保護」の為発行していない)、「大統領の安全の為、バイヤーは『身元調査』をされます」と明記してあるのだが、当然と云えば当然か…それとゴルフ場までの「交通費」は出ないそうである(笑)。

また、「ジョルジオ・アルマーニ」と「ロサンジェルス郡立美術館」等がスポンサーと為ったロットでは、先ずドレス(タキシード)をアルマーニが用意、それを着て来年2月27日の「第83回アカデミー賞」の授賞式及びパーティーにご招待、そしてそのパーティーが開催される豪華ホテル「サンセット・タワー・ホテル」に2泊、プラスその期間美術館で開催されている展覧会に、学芸員付きで鑑賞ご招待、だそうである。こちらの予想価格は、何と5万ドル。その他「バリ旅行」(勿論只の旅行では無い)や、GAPの「赤ちゃんキャンペーンに出れる権」等など…。

オークションのホストはデヴィッド・ロックフェラー夫妻、司会はコメディアンのチェビー・チェイス、オークショニアはクリスティーズの終身名誉会長兼オークショニアのクリストファー・バージ。そして会場はと云うと、女優キャンディス・バーゲンや、元テニス・チャンピオンのジョン・マッケンローNBCのブライアン・ウイリアムス等のセレブ達と、溢れ返る人々で大盛り上がりであった。序でに、美しい女性(モデルやタレントの卵)が「余りにも」多かった為、男性陣はもう目がキョロキョロしてしまい、落ち着きが無く余りにも挙動不審であった(らしい:笑)。

そしてオークションは大成功、21点で総額138万7000ドル(約1億2900万円)を売り、各団体に寄附される事となった。

最高落札価格はダミアン・ハーストの9万2000ドルであったが、その他注目の落札価格は、若い白人カップルが落札した「クリントンと一日ゴルフ」が8万ドル(!)、「アカデミー賞招待」が6万ドル等。また来場する予定であった俳優ハリソン・フォードが急に来られなくなり、その代わりにポンと10万ドルを寄附したという話も聞こえてきた。

因みに昨日開催されたオークションは、この「グリーン・オークション」の「LIVE」パートの方で、「サイレント」(入札のみ)の方は計215ロット、目玉は「この夏『ヒュー・ジャックマン』と、ロケ先で一日一緒に過す事ができる権」や、「シガニー・ウイーバー夫妻との食事&舞台鑑賞」、「ヴェラ・ウォングと『マーサー・キッチン』で食事+1万ドルのギフト券」、「ジョン・マッケンローとの、テニス1時間個人レッスン」、その他アート、ファッション、芸能人、旅行関係の「面白ロット」が盛り沢山…この「サイレント」の方は5月6日までビッドを受け付けているので、興味の有る方はこちら迄。

http://www.charitybuzz.com/auctions/ABidtoSavetheEarth/catalog_items

世の中、お金の余っている人は意外に多いものだし、日本でももっとこう云うイヴェントをやれば、アートとの距離も近付くかも知れないと思うのは、筆者だけだろうか。