日曜日は、「現代美術」と「旨いモノ」。

昨日は冷たい風の中(気温10度!)、レム・コールハースのパートナー、建築家S氏と妻との3人で現代美術の「下見会ツアー」へ。

と云っても「腹が減っては戦は出来ぬ」と(笑)、先ずはチェルシーのピッツァ・ハウス「Co.」へ。二日連続でピッツァとは如何な物かとも思ったが、一昨日の「Motorino」と食べ比べるのも一興であろう。

しかし此処「Co.」は、本当に旨い。ビーツのサラダも絶品だし、パイもホウレン草とチーズをパリッと焼き上げた軽い口触りの「POPEYE」とサッパリとした「MEATBALL」、そしてデザートの「Banoffee(バナナ&コーヒー)Pie」(だったかな?)もサイコー…やはり「軍配」は「Co.」に上がった。

満腹になった我々は、タクシーで先ずはサザビーズへ。'61年作のオレンジのロスコー(エスティメイト:1800-2500万ドル)がトップロットだが、この作品は流石に素晴しく美しい…「明るい」ロスコーも良いモノだ。しかし、セールの目玉として最もフューチャーされている、ウォーホルの紫色の巨大「セルフ・ポートレイト」(274.3 x 274.3cm.)は驚くほどデカイが、1000-1500万ドルのエスティメイトはどうなのだろう…「人気商品」だから売れるか。

その他、カプーアやデ・クーニング、ポロック等良い作品も有るのだが、個人的に一番気に入ったのは、何と云ってもマウリツィオ・カテランの「Untitled」(エスティメイト:300万ー400万ドル)であった!この作品はエディション作品(Ed.3+Artist Proof)であるが、穴の開いた「美術館の床」から「フィギュア」と為った本人が顔を出して、壁に掛かる絵画を見上げている、と云うインスタレーション作品である。

作品も然る事ながら、展示の仕方がこれまた非常に上手く、小さく暗目の展示室の壁四方に、将来オークションに掛かる「ホンモノの」オールド・マスター絵画を掛け、その床からフィギュアが顔を出している、と云う展示となっているのである。

部屋自体が非常に旨く出来ている為、この「部屋全体がインスタレーション?」と思ってしまい、恥ずかしながら眼の無い筆者は、掛かっているオールドマスター作品も「リプロダクションでは?」と一瞬思ってしまった程で有った…。敵ながら天晴れ、中々の展示である。

サザビーズを後にし、その足でクリスティーズへ。S氏にクライトン・コレクションを説明しながら進む。クリスティーズのセール・ラインナップに関しては、2日前に述べたので(拙ダイアリー「現代美術下見会、始まる」参照)此処では詳しく記さないが、昨日は来場者も多くセールへの期待も膨らむ…が、ヨーロッパの金融不安も有り、決して油断はできない。

そして夜は、久々にお会いしたVIPクライアントと、筆者も大好きな、そして唯一旨い!と思う「創作寿司」の「GARI」にて会食。アート四方山話に花が咲き、もう一軒と云う事になり「C」のバーへ移動後、解散。大変ご馳走になってしまいました…有難う御座いました!

「現代美術」と「旨いモノ」…「気温」以外は最高の日曜日であった。