大成功の、クリスティーズ「中国美術セール」。

何しろ、凄いセールであった!

昨日開催された、この秋の香港の中国美術オークションの「トリ」を飾る「陶磁器と器物」のセールは、11億3477万7800香港ドル(約122億8964万円)を売り上げ、クリスティーズの中国美術セールの、新記録を打ち立てた。

3つの個人コレクションをフィーチャーしたセールは、会場も超満員で活気に満ち溢れていたが、それは売却された作品の略3/4が、エスティメイト上限を越え、27作品が100万米ドル以上で売れた事でも、充分に納得出来るだろう。また、390点出品された内、277点が売却、ロットベースでは7割の成約率なので、買い手がキチンと選んで買った事と云う事が、此処からも窺える。

全作品中でのトップ・ロットは、「フォントヒル・コレクション」中の「乾隆銘七宝鶴香炉・一対」で、如何なる七宝作品の中でも世界新記録、1億2946万香港ドル(約14億円)…これは物凄い金額である!2位は「ショーレンスタイン・コレクション」から、これも乾隆銘の「染付紅釉鳳凰文龍耳扁壷」で、1億2386万香港ドル(約13億4100万円)であった。

そして、4日間に渡った香港での「東洋美術セール」(中国古画、20世紀絵画、近代絵画、アジア現代美術、中国陶磁器と器物、東南アジア現代美術)全体を見ると、総計23億7100万香港ドル(約256億7793万円)を売り上げ、これは今春よりも43%アップ、昨年同期と比較すると、何と倍以上の素晴らしい成績である。

何も中国美術だけでは無いが、リーマン・ショック以来、アート・マーケットの回復が、全般的に非常に早い。高い作品はより高くなり、世界のアート・マップでは、中国、ロシア等の存在感が、圧倒的に増している。

日本が、再びその姿を「地図」に現わすのは、一体何時の日になるのだろうか…。