"Year of Rabbit"@Cipriani.

ハァー…金曜日に校了する筈のカタログが未だ終わらず、月曜に持ち越しになってしまった。唯一の救いは「南蛮屏風」の特別カタログが、非常に良い出来で校了した事で、印刷されて出来上がって来るのがこれだけ待ち遠しいのも珍しい…早く出来て来ないかな♪(笑)。

しかし嘆いても一向に事態は好転しないので、昨日の夜は、「兎年生まれ」の筆者は前からの予定通りに、妻と「China Institute」主催の「Year of Rabbit: Chinese New Year Gala」のお呼ばれへと、足を運んだのだった。

今年の「新年会」会場は、42丁目のパーク・アヴェニューに在る「チプリアーニ」で、筆者に取っては此処は2回目の訪問となる。この「Cipriani 42nd Street」は、元銀行だった「質実剛健」と云う表現がピッタリの建築物で、信じられない位に高い天井(恐らくビルの3-4階分は有るだろう!)には絵も描かれ、壁面も装飾的で、銀行時代の名残の「チェック」を書く為の備え付けの台や、「TELLER」(出納係)と書かれた窓口(の痕)が未だに残り、何とも古き良き時代の、そして重厚な雰囲気を醸し出している。

着いてみると、会場には所狭しとディナー・テーブルが並べられ、大きなスクリーンと演説台が設置されており、バー・カウンターにはもう沢山の人々が集っていた。グラスを片手に佇んで居ると、点心を乗せたトレイを持ったウエイトレスが次々とやって来る…危険だ(笑)…そして気の弱い我々は、これからディナーと知りながらも思わず手を伸ばし、パクパク食べてしまうのだったが、そうこうしていると現代美術研究家のR女史とご主人のJと会い、暫しの歓談。筆者は行っていないが、R女史が観た3月開催のジャパン・ソサエティの展覧会「Bye Bye Kitty !!!」の「プレ・プレビュー」と、その展覧会の出品作家と作品、図録に就いての色々な「噂」を仕入れた…が、観てみなければ何とも云えない。

そしてアナウンスがあり、テーブルを探して着席しようとした所へ、CとRのカップルが登場、新年の挨拶と再会を慶び合う。アナウンスによると、今回のディナー出席者は何と350名で、史上最大人数だそうだ…此処でも、昨今の「中国パワー」を容易に確認できると云う物だ。同テーブルには、R女史&Jカップルや旧知の元サザビーズ取締役のJ、某有名美術館中国絵画のオーソリティの娘さんやドイツ人現代アーティストのI等の楽しい顔ぶれで、ディナーはスタートした。

さて今日のアート・ダイアリーは、此処からは再び「フード・ダイアリー」の様相を呈してくるので、悪しからず(笑)。

何しろ流石「中国の新年会」、このディナー・コースの品数と量が半端では無い(笑)。簡単に書き出せば「ベジタリアン・レタス・ラップ」から始まり、「フィレ・ビーフと野菜のオイスター・ソース炒め」「ベジタリアン豆腐」「北京ダック」「ハニー・ウォールナッツ・シュリンプ」「チキン焼ソバ(ローメン)」、そしてデザート2種+胡麻団子とアーモンド・クッキー、そしてコーヒーである。そして各人の皿にウェイターが取り分けた後、そのかなりの量の「残り」が皿に盛られてテーブルに置かれ、我々の食欲を試す様に待ち受ける…中国、恐るべしである(笑)!

一応、このパーティーは社交の場でも有るので(笑)話もするが、食べる事に注意が行ってしまうのも性。しかしお味の方はと云うと「それなり」で、やはり350人分を一度に、しかも「チプリアーニ」で中華料理を出すのは難しいのではと思った。残念だったのは、大好物の「ハニー・ウォールナッツ・シュリンプ」(エビマヨに、蜂蜜コーティングのクルミが乗っている料理。この料理に関しては、拙ダイアリー:「光臨:金橋大酒楼@紐約市包里街」参照)が、エビが萎びてマヨネーズも水っぽく、イマサンだったことだ…残念無念。

そして、新年会はサザビーズのオークショニアに拠る「ファンド・レイジング・オークション」、「ライオンダンス」や曲芸の演し物、そして最後は中国系のパーティーに欠かせない「ディスコ・タイム」…初っ端からKool & the Gangの「Celebration」からSister Sledgeの「We're Family」へと繋ぐ、恐ろしい程にベタなDJに驚きながらも、デザートを食べながらRick JamesやMJの往年の名曲を聞いていたのだが、今回は余りの疲労と食べ過ぎの為に、フロアで踊るのは控えさせて頂いた(笑)。

カタログからの「解放」まで、後二日の辛抱である。