意外な結果?:第53回グラミー賞。

HAPPY VALENTINE'S DAY!!

と云う事とは全く関係ないが、先週末土曜日の夜は、メトロポリタン美術館学芸員のS女史と修復家のJ女史、その旦那さんで元フリア美術館の修復師だったH氏と息子さん、そして地獄夫婦の計6人で、イースト・ヴィレッジの「R」でディナー。楽しい和気藹々とした時間を、皆で過した。

そして昨日は、カタログの疲れが流石にドッと出て、一日中ダウン…久々に朝から晩迄寝続け、漸く起きた夜はソファでグッタリとしながら、「第53回グラミー賞」授賞式をTVで観た。

さて、授賞式開演前の「レッド・カーペット」で、最も筆者の眼を惹いたのは「リアーナ」。彼女が纏ったゴルティエのドレスは、何とも奇抜だが非常に美しくも洗練されたドレスで、その連続する「白いフワフワの輪」が、見えそうで見えない彼女の引き締まった肢体を、色っぽく包んでいた…「レッド・カーペット」では、悲しい事にダサいドレスが殆どなので、久し振りに「素晴しいドレスだ!」と食い入るように観てしまったのだった。それに対して、目立ちたがり屋のレイディ・ガガ等は、「繭(Cocoon)」(卵か?)に入って輿に担がれて入場して来たが、単なるこけおどしにしか見えない…そしてそれは、かなりイタかった(と思うのは、筆者だけだろうか?)。

8時から授賞式が始まり、L.L.Cool J.に紹介された最初のステージは、クリスティーナ・アギレラジェニファー・ハドソンら、実力派女性シンガー5人に拠る「アレサ・フランクリン・トリビュート」で、「Until You Come Back to Me」や「Ain't no way」、「Think」等のアレサの代表曲を5人が大熱唱、国歌を歌い間違えたアギレラも今回ばかりは名誉挽回(笑)、迫力満点の素晴しいステージと為った。只、このステージを観終わった後、「こんな凄いステージが番組冒頭に来てしまうと、後が大変なのでは無いか…」と思ったのだが、この予想はいみじくも当ってしまった様である…。

その後のレイディ・ガガの新曲のステージは、全く以てマドンナの二番煎じにしか見えず、大学の学園祭のノリでダサくガッカリ、全くの老人と化したボブ・ディランも登場したが、これもイマイチ。その反面、流石だったのがエミネムミック・ジャガーのステージで、エミネムはリアーナとドクター・ドレを従えつつ、「ヤクのやり過ぎじゃ無いの?」と疑う程、青白い顔中の血管を「これでもか!」と浮き上がられせての熱叫、物凄い迫力であった。一方のミックは、相変わらずのパワフルなパフォーマンスで、ブルースの名曲「Everybody Needs Somebldy to Love」で観客を虜にした。この67歳、マジに凄いオヤジである!

そしてもうワン・ステージ、ちょっと個人的に感動したのが、「Person of the Year」を受賞したバーバラ・ストライザンドのステージで、それは何故かと云えば、プレゼンターが名作映画「スター誕生」で共演したクリス・クリストファソン(年を取った!)、そうなると曲は当然の如く「Evergreen」で有ったからだ!この「Evergreen」と云う曲は本当ーに美しい曲で、筆者が確か未だ中学生だったと思うが、この曲のメロディと歌詞、そしてバーバラの歌声の余りの美しさに、感動の余り涙した経験が有る程…聴いた事の無い方は、是非一度聴いてみて下さい!

そんな中、注目の受賞者達はと云うと、会場が盛り上がったのは「Best Rap」のエミネム位で、「Song of the Year」と「Record of the Year」はレイディ・アンテベラムの「Need You Now」、「Album of the Year」は、ガガやエミネム、アンテベラム、ケイティ・ペリーを抑えて、アーケイド・ファイヤーの「The Suburbs」が受賞。

筆者の大好きなCee Lo Greenは、物凄くファンキーな笑っちゃう衣装で登場、何と女優のグゥイネス・パルトロウ(!)と大ヒット曲「F●●K YOU」をステージ上で頑張って歌ったが、惜しくも受賞せず。ラリー・カールトンとの競演アルバムでのB'zの松本や、ピアニスト内田光子等の日本人も受賞したが、全体的には何処と無く期待ハズレ的な、ちょっと盛り上がりに欠けた、「意外な」結果の今年のグラミーであった。