「大名品」と「義務」認識。

しかし、東電の「赤字対応策」が酷い。

未だに企業年金役員報酬を払うわ、会長は留任するわ、甘い事極まりない。情報隠蔽も含め、アメリカなら公聴会や逮捕の芽も出て来る程の、酷すぎる対応ではないか。

そして酷いと云えば、相変わらず「時差ボケ」も酷い(笑)。

仕事初日の朝等は、3時半に起きてしまい、まるで早朝ラジオ体操に参加する老人の様に、ヨボヨボと神田明神に散歩参詣し、ニューヨーク時間の侭の「体内時計」に従って朝飯を大量に食べ、仕事に出かける頃には、もう既に疲れ切ってしまって居たのだから。

が、実はその疲労にはもう1つ理由が有って、それは13時間のフライトを終え、神保町の家に到着した夜の事。

震災後、初めて神保町の家に足を踏み入れた訳だが、不思議な事に全く無事だった部屋に安心し、荷物をアンパック、日用品の買い物等を済ませた後、さぁシャワーでも浴びよう、と思った時…何処をどう弄くっても、給湯のコントロール・パネルが動かない。

早速「エネスタ」に連絡すると、ガスは来て居るので他の何かが問題だとの事。翌昼、点検修理の人が調べると、激しい地震の揺れに拠って、床暖の水位計が壊れたらしい…2ヶ月後の「被災」であった。

さて、昨日は新幹線で出張。

顧客宅で「何十年に一度」、いや「百年に一度」の、天文学的に素晴らしい、恐るべき大名品を拝見し、茫然自失…値段も天文学的では有るが、良いモノは高い…アタリ前田のクラッカー、である(古いね:苦笑)。

作品の剰りの素晴らしさに、顧客との食事も喉を通らず…と云うのは真っ赤な嘘で、旨い魚を堪能。至福の時間を過ごした。

東京に戻った夜は、谷中の禅堂「全生庵」での、同士K氏主宰の勉強会へ。

今回のゲスト・スピーカーは、元外務事務次官の薮中三十二氏。出席者には久々のU女史や、各界の若手の顔が見える。講演前には、数人でお弁当を食べながら、薮中氏にご挨拶。

薮中氏のお話は、政と官、外交交渉を中心とした、ユーモアを織り混ぜた情熱的な内容で、お人柄の出た素晴らしい講演で有った。

帰り際には平井住職や、嘗て大変お世話に為った、Y先生の秘書Eさんにご挨拶…Eさん、お年を召されたが、お元気そうで安心しました。

昨日観て来た様な、長い年月の間日本に伝えられて来た「大名品」を残す為にも、日本の精神的「真の」復興を祈るのみだが、それは我々の世代の手に懸かっている。

そしてそれは、我々の「権利」等では無く、「義務」なのだ。