香港國際藝術展「ART HK 11」。

2日間に渡って開催された、アジア現代美術のセールは、結局7億6151万4250香港ドル(約77億1500万円)を売り上げ、成功裡に終了した。

そんな中、昨日はニューヨークの顧客とのテレフォン・ビッドの合間に、同じコンヴェンション・センター内で開催され、此方も多くの人で賑わったと云うアート・フェア、「香港國際藝術展」を見学。

上に「賑わったと『云う』」と伝聞で記したのには理由が有って、筆者が訪れたのは、最終日の開場直後だったのだが、来場者は本当に疎らで、かなり静かだったからだ。

筆者が香港のアート・フェアを観たのは実は今回が初めてで、その巨大だが整然と造られたブースと展示は意外に見易く、迷う事も無い。オープニングの日、此処にとんでもない数の「美の欲望の民達」が集結したと思うと、何と壮観だっただろうかと思う。

今回の参加ギャラリーは250を超え、ホワイト・キューブやアクアヴェラ、PACE等のヨーロッパやアメリカの大メジャー・ギャラリーも多く、日本からもシュウゴ・アーツやミヅマ、ナンヅカ・アンダーグラウンド山本現代等のギャラリーが、多数参加しており、近現代各分野の作品は見応え充分…何しろ観て歩く時間が充分で無かったのが、非常に残念で有った。

作品で目を惹いたのは、やはりジョージ・コンド。ニュー・ミュージアムでのソロ・ショウを受けてなのか出品が多く、ブース至る所に大小の例の「狂気」が展示されていたのが印象的だったが、中国人の眼にコンドの作品は、どう映ったのだろうか?

また、森美術館でのソロ・ショウで観た(拙ダイアリー:「君は幽体の知覚を持っているか」参照)、小谷元彦の大作「SP4-The Specter」がドカンと展示されて居た事にビックリ…しかし、何度見ても素晴らしい作品だ。

さて、広い会場を駆け足で観て歩くアート・フェアでは、会場を歩いている時に偶然バッタリと「人」に会うのも大きな楽しみの1つなのだが、今回の最大の「バッタリ・サプライズ」は、茶道宗徧流家元の山田宗徧氏で有った。

山田氏とは嘗て少々ご縁が有り、G学園の小中高の先輩後輩で有る事や、鎌倉円覚寺に住んで居らしたY先生を通しての知己も有ったのだが、その後御無沙汰して居た為、本当に久し振りの再会で有った…家元もお元気そうで、奥様も相変わらずお綺麗でした。

少々落ち着きを見せてきた様な香港現代美術マーケット…個人的には、此れはこれで良い兆候だと思う。

後は古美術を残すばかり…どうなるのかは、明日明後日のお楽しみである!