Welcome to the Capital of Funk of the World !:Bootsy Collins@B.B.King。

ゲル妻に拠ると、昨日開催された今年の「Gay Pride Parade」は、ニューヨーク州での「同性婚」が全米6番目に合法化された事に因って、一際盛り上がった様との事…が、そんなルンルン気分のゲイで溢れるマンハッタンの夜、此方はと云うと、妻と超マッチョな雰囲気のライヴへと足を運んだ。場所は先週のチャカに引き続き(拙ダイアリー:「『セクシー・オバン』の逆襲」参照)、「B.B.King Club and Grill」、アーティストは「ブーツィー・コリンズ」である!

実は先々週、長期のアジア出張から帰ってきたのだが、この出張に行く事になってから何が頭に来ていたかと云うと、出張中に「Patti Austin」「P-Funk All Stars」そして「Graham Central Station」の3公演が、この「B.B.King」で一週間の内に立て続けに有った事で、結局どれ一つ行けず、P-Funkに行ったゲル妻から自慢タラタラに「ジョージ・クリントンは、やっぱりスゴイ!」等と聞かされて、「ふざけんな、けちとら(「こちとら」の江戸弁)ファン歴長えんだ!」と怒りつつも超羨ましかったので、ブーツィーだけは「どんな事をしてでも」行こうと心に決めていたのである。

ブーツィーの事を知らない人は、毎度の事ながら適当に調べて貰いたいのだが、簡単に云えば「『ファンク家元』の大番頭」みたいなオジサンで、では「家元は誰なのだ?」と聞かれれば、それは当然「ジョージ・クリントン」と云う事に為る。ブーツィーは当年取って60歳(筆者と同じ「兎年」)、しかしこのライヴも何故か「Blue Note Jazz Festival」に組み込まれていて、ハッキリ云って意味が判らんが、まぁニューヨークのJAZZ・FUNK系音楽関係者全体で盛り上がろう、と云う事なのだろう。

夜8時からの開演は絶対的に遅れるとしても、取り敢えず時間には行こうと云うことに為り、8時過ぎに「B.B.King」到着。場内にはスタンディング・ダンス・フロアが出来ていて、しかしもう結構満員で盛り上がっている。飲み物を買いフロアに入って場所を確保すると、スクリーンにはホーンやべース、ギターやキーボード等の各種楽器を背後に従えた、「千手観音」の様なブーツィーのイラストが大アップで映し出されている…こ、これはまるで「ファンク観音」では無いか(笑)!

そしてその横では、前座の「DJ+ベース・プレイヤー」の2人組白人ユニットが演奏を始めており、しかし此れがまたスゴく巧い連中で、「どうせ、最低後一時間はブーツィーは出て来ないんだから…」「でも出て来たら、3時間は演奏するしなぁ…」等と思いつつも、止せば良いのに最初から盛り上がって踊ってしまった…年齢的に体力配分をせねばならないにも拘らず、である(笑)。

DJ+BASSユニットの超ファンキーな演奏にノッていた観客も、9時を廻るとイライラし始め、周りの巨体の黒人達も「We want Bootsy, we want Bootsy!」と叫び始める。その場で友達になったジョーとファーガスも、「ったく…ブーツィーの奴、未だキメていやがるな?」等と云いながら、チョッパー・ベースの演奏に一同アゴを出してリズムを取り続けた…お陰で今日は首筋が痛い(笑)。

暫くすると会場のライトが落ち、「オォッ!」と云う歓声が上がり、黒人の60年代ファッションに身を包んだイケイケ姉ちゃんが登場、やっと始まるかと思いきや、後ろから楽器を抱えて出て来たのはどう観ても10代の子供達で、聞くと「Bootsy Collins Foundation」が応援しているバンドだと云う…ブーツィーに敬意を払って、お子ちゃまバンドの「ストレート・ロック」を暫く聞いてやる事にした。そして演奏が終り、今度こそ!と思ったらまたライトが点いて、暫くBGMが続く…「We want Bootsy!」「We wanna Funk!」の声も、当然大きくなって行った。

そして9時も20分を過ぎようと云う頃、漸くオッサン・バンド・メンバーが登場し、ステージが始まった!

演奏が始まると、もうバンドも「日章旗」のバンダナをしたブーツィーも最初っから飛ばしっ放し…時折周りを見渡すと、ゲイ・パレード等には全く興味が無さそうな、体格の良いマッチョでスキンヘッドな黒人達や、「若い頃は俺も結構トンでたんだぜ」な中年白人達が、「植物の葉を加工して出来た、筆者が見た事も聞いた事も無い不思議な物」(笑)からのケムリを撒き散らしながら、或る者はサンバ・ホイッスルを鳴らし、或る者はヘッド・バンキングをしながら歌って踊り捲くっている…こんな環境で、オレの「ファンク魂」が久々に頭を擡げない訳が無い!そして気が付けば「ブラザー」達と共に、4時間以上も「Wa want the Funk, Give up the Funk !」とか叫び歌いながら、踊り捲くって居たのであった。

ブーツィーは往年のヒット曲から「ジミヘン」迄大熱演、そしてステージから出たり入ったりして、一体何回衣装替え(休憩?)をしただろう(笑)…そして仕舞には、ダンスフロアに降りて来て皆と踊って大サービス。夜中12時を廻って演奏が終了した後も、サインの為に長々とステージに残っていた。

日曜の夜に「世界のファンクの都」に行ってしまうと、眠っていた自分の「ファンク魂」を目覚めさせたのと引き換えに、月曜の仕事が辛いのは必然…踵と首、腰の痛みに耐えながら、そして「♪ハダダ、ディダハダ、ハダダダ〜…フラーッシュ・ラーイ、スポーッ・ラーイ♪」と、「あの名曲」が頭の中で鳴り続けた状態で、朝から顧客宅で査定業務をせねばならなかった…そしてそれが、「至難の業」で有った事は云う迄も無いだろう(笑)。

しかし、これで「ファンキー週間」が終わったと思ったら大間違い…明後日は「Earth, Wind and Fire」@Beacon Theaterである。

一度目覚めたオレの「ファンク魂」は、未だ眠れない(笑)。