独立記念日の花火は、「ホロ酔い」気分で…@「アクアホリック号」。

しかし、松本某と云う「元」復興担当大臣には呆れて物が云えないが、こんな人間しか今の日本の政界には居ないのだろう。

この人を擁護する人も居るが、そんな人は「人とのビジネス」を知らない素人で、世界何処に出ても笑われると思う。政治と云えどもビジネスの場面で、しかも「終りだからな」と恫喝したと云う(結局自分が終わったが)、多数のメディアが居る目前であの様な言葉遣いをする事自体が、人として「三流」の証である。

しかし、この期に及んで最も反省すべきは、そんな人柄を見抜けずにあの様な人間を「何回も」当選させている、「地元民」で有る事を忘れてはならない。全てを政治家の所為にするのは飽き飽きで有るし、もう良い加減止めて、選挙で選んでいる国民自身が責任を取らねば為らないのでは無いか。これは次回の選挙を国民が本来の意味で、「命」を賭けて選ばねばならないと云う事で(今迄も本当はそう有るべきなのだが)、要は「原発推進派」に投票する国民は、将来事故が起こった際、自分も選んだ政治家と共に責任を取る覚悟で投票せねばならない、と云う事だ。

世界に復興援助をお願いしながら、世界から内政の失政と、辞め続ける政治家の質の低さで笑われ続けている今の日本だが、今後本当に笑われるのはそのレヴェルの低い政治家を選び続けている「国民」であると云う事を、日本人はそろそろ気付かねばならない。

そんなこんなで日本にイライラしながら、アメリカは235回目の独立記念日を迎えた。

そしてその独立記念日と共に、「自由の女神」建立125周年を祝うメイシーズ・プレゼンツの「花火」を、昨年に続き(拙ダイアリー:「『独立記念日』の花火@AQUAHOLIC号」参照)今年も友人の現代美術家インゴ・ギュンターのボート、「アクアホリック号」から観る事になった。

インゴと共に今回の日本滞在中から話していたのだが、彼の愛船「アクアホリック号」は最近エンジンや内装もリノヴェイトされ、それにはインゴも自信満々らしく、数日前に彼から来たインヴィテイション・メイルには、

「この度、我がアクアホリック号がリコンディションされ、アナタは来る7月4日、個人的にその新しくなったアクアホリック号を精査する機会を与えられましたので、是非御乗船下さい。またこの大切な機会に、『ささやかながら』花火と飲み物も用意致しました事を、付け加えておきます。」

と有った程だ(笑)。

花火は9時半頃からの予定だが、8時の乗船に向け1歳年を取ったばかりのゲル妻と、ワインを片手に「Pier 40」に向かう。家の前は、花火見物の為にハドソン河へと急ぐ人で溢れ、河沿いの道は閉鎖されているので時間が掛かると思ったが、流石に車で来る人は少ないらしく、時間通りに「ピア40」に到着。「アクアホリック号」に行って見ると、既にインゴの友人達が揃い、美術史家のRさんとJのご夫婦の姿も…そして総勢20人程を乗せたアクアホリック号は、「花火クルーズ」へ出航した!

昨晩は暑過ぎず、大変気持ちの良い晩で、ニュージャージーの夕焼けも本当に綺麗だった。風を切って走るアクアホリック号は、成る程船内も小奇麗に為り、肝心のエンジンも快調…実はこの日の昼間、「Pirate Radio」と云う好きな映画を観ていて、その映画では最後にラジオ局を兼ねた船が沈没してしまうのだが(拙ダイアリー:「反重力で行こう!:『Pirate Radio』 を観た」参照)、観終わった後にふと感じたその「不吉感」も、かなり薄らいだ程で有った(笑)。

良い場所を確保する為に暫くクルーズし、しかし同じ目的で込み合う中、アクアホリック号は良い場所をゲット…と思ったら湾岸警備隊の船がサイレンと共にすっ飛んできて、「もっと後方に戻れ」と云う。その「『ライン』を知らなかったのだ」とインゴが大声で言い訳をしたが、さすが強権的アメリカの警備船は有無をも云わさず、「下がれと云ったんだ!」と怒鳴り始め、これ奴等を以上怒らせると逮捕されると皆恐れを生し、仕方無く後退…ヤレヤレである。

場所を確保するとアンカーを撃ち、先ずはワインやビールで乾杯(筆者は勿論「水」であるが)、持ち寄りのチップスや玉蜀黍、海老のマリネ等を摘む。そうして陽はとっぷりと暮れ、空には見えるのは星と飛行船、そして偶に横切る旅客機のみ。そう云えば昔たった一度だけ、出張帰りに偶然にもこの「独立記念日の花火」を機上から観た事が有るのだが、その時に「斜め上から観た」花火の美しさも筆舌に尽くし難く、忘れられない。

9時20分頃になって、最初の花火が上がった。それから30分間程だっただろうか、花火は例年よりも長い時間打ち上げられ続け、儚く消えて行く。特に今年の花火は、日本人の我々取ってはどうしても「震災」の事が有るので、何時も以上に「無常観」を感じさせたのだが、アメリカ人は花火に対して「無常観」とかを感じる事は有るのだろうか…?

美しく華やかな物は必ず衰え、何時か必ず消え行く運命(さだめ)に有る…「盛者必衰の理」、日本人とは何と寂しくも美しい人種なのだろう!

花火が終ると、今度は一瞬にしてハドソン河は「レース」の様相を呈し、ボートは皆混雑を避ける為に家路を急ぐ…帰りしなニュージャージーの方を眺めると、大きな三日月が建物に触れそうになりながら、ポッカリと浮かんでいたのが、非常に印象的で有った。そして船着場の付近に戻って錨を撃つと、愈々「宴会」が開始…ドイツやギリシャアメリカ、中国、そして日本の各国人のゲスト達が楽しく語らう中、ボートはかなり揺れ続けていた。

時計の針は11時を廻り、第一次帰宅組が下船する事に為り、地獄夫妻もその中に居たのだが、ゲル妻がご機嫌にホロ酔い気分だったのに対し、ここ数日の仕事&パーティー疲れとこの夜の結構な「揺れ」のお陰で、水しか飲まなかった筆者も別の意味での「ホロ(船)酔い気分」…家に帰って、先ずは胃腸薬のお世話に為ったので有った(笑)。