「写楽五人男」@東京下見会。

何と、アメリ東海岸地震が有った。

ヴァージニアが震源らしく、M5.8だとか…ニューヨークの同僚・友人達もかなりビックリしたらしく、特に彼らは今年、東日本大震災の映像を散々見ていたから、「地震初体験」は相当恐怖だったに違いない。

実はその前日にも、コロラド州でも地震が有ったらしく、東海岸地震が無い伝説は、今や昔話に為った様だ。

そして日本に来てからの或る日、皆で焼肉に行ったのだが、その時に地震の話に為り、自説を披露したのを思い出した。

それは「相撲は古来、四股を踏む事に拠って『地鎮』の役目を果たして居た。昨今の相撲界の不祥事で、興行が行われなくなった事が、原因では無いか」と云う事と、「震災後、私(筆者)が日本に来ている間は、殆ど地震が起きない。それは、私が『重し』に為っているからだ」(笑)と云う事だったが、やはり筆者がニューヨーク不在の時に、地震が起きた…なので、「重し」を大事にして下さい(笑)。

さて、来月14日開催の筆者担当の、日本美術オークションに出品作品の中からのハイライトを展示する東京下見会が、昨日から始まった。

今回の下見作品は、16-19世紀の能面22面と仏像2体、そして浮世絵版画7枚で有る。

能面は、22面中20面が個人コレクションからで、男面、女面、怨霊面、鬼神面等バラエティーに富む。その中でも個人的に好きなのは「弱法師」「痩男」「黒髭」「泥眼」で有ろうか。

仏様は、藤原末期の智拳印を結ぶ「木造大日如来坐像」と、鎌倉末期の「木造阿弥陀如来坐像」。特に大日如来は小振りだが、お顔が素晴らしく、お姿も美しい…欲しい!

そして浮世絵は、歌麿の大首「婦女人相十品 煙草の煙を吐く女」と、「お七 吉三郎」、そしてハイライト中のハイライト、写楽第一期の「大首絵」が5枚で有る。

この写楽、下見会開始当初は、お客様には一枚一枚見せて居たのだが、色々考えた末に5枚一緒に並べて見せる事に。

三世大谷鬼次(江戸兵衛)、初世市川男女蔵(奴一平)、三世坂東彦三郎(鷺坂左内)、三世澤村宗十郎(大岸蔵人)、そして三世佐野川市松祇園白人おなよ)の5人の役者達…5枚並べると本当に壮観で、雲母摺のバックに個性的な役者達が浮かび上がり、まるで「白浪五人男」為らぬ「写楽五人男」では無いか!

下見会には、学者、業者、コレクター、メディア等が押し掛け、今朝の日経にも記事が早速出ていた…有難い事である。

下見会後は、VIPクライアントと「タワシタ」で食事をし、中国情勢等の情報交換。

ディナーが終わると、弟の店で行われていた、観世銕之丞師の紫綬褒章受章のお祝い会に駆け付ける。

出席者は小鼓方の家元大倉源次郎師、宝生流シテ方辰巳満次郎師、喜多流シテ方の粟谷明生師にワキ方の森常好師、それとメルト妻の「他流」ならぬ「多流」試合(笑)。

能の将来や新しい試みに就いて話しは尽きず、お祝い会は閉店迄盛り上がったがり、やはり銕之丞師は色々な意味で本当に尊敬出来る方だと、再度痛感したのだった。

さぁ、下見会も後1日…頑張らねば!