「アート・エイリアン」の観た「リーガル・エイリアン」:Sting@Roseland Ballroom。

昨夜はゲルゲル妻と、2晩連続でコンサートへ…今度は、アーティストも観客もグッと年齢層を上げての「スティング」である。

ミッドタウン・ウエストに在るRoseland Ballroomに着くと、開場から30分遅れて来たせいで、入場を待つ長蛇の列がブロックを2回半曲がった位伸びていて、溜息を吐きながら列の最後尾に並んだ。

やっと入った会場は、ライヴハウスとしてはそれなりの大きさで、しかしステージに立つアーティストは確りと見えるサイズで有る。で、肝心の客層はと云うと、前の晩のJay-Zのコンサートと比較すると年齢層も勿論高いが、コンサートが始まってからも何しろ大人しく、序に云えば、前の晩は我々の両隣を始め至る所から、非常に「イリーガルな香り」(笑)の煙が立ち上がって居たのだが、昨晩はたった一筋の煙も確認出来なかった…健康的では有るが、或る意味詰まらん(笑)。

そして30分遅れてスティングが登場し、コンサートが始まった。が、残念ながら我々地獄夫婦は1回も大興奮する事無く、「大人な」コンサートは終了してしまったのだった。

さて、その理由は色々と有るのだが、先ずスティングが少々イタい。

非常に鍛えられた肉体に、しかし老いと皺の目立つ顔と禿頭…彼の若作り的「頑張ってる」感と、妙な真面目さがイタいので有る。

そしてカントリー風の曲を演る為の、ヴァイオリン2人を含めたバンドも超地味で、プレイした「曲」もウーム、と云う感じ。その曲だが、「Every Breath You Take」等の有名曲を演ったりもしたのだが、ラインナップが正直イマイチで、良かったのは「Inside」や、アンコールの「大ラス」でギター弾き語りをした、「Message in a Bottle」位では無かったか…。

しかしこの「リーガル・エイリアン・イン・ニューヨーク」(拙ダイアリー:「♪ I'M AN ALIEN, I'M A "LEGAL ART ALIEN" IN NEW YORK...♪」参照)の声は未だ素晴らしく、聴き応えは充分で有った…ので、外見やバンドのせいでより悲しく思えたのかも知れないし、一番聴きたかった「Englishman in New York」も「Set them Free」もやらなかった事が、理由だったのかも知れない。

2晩に渉る好対照のアーティストの、好対照なライヴ…ミュージシャンとしての「勢い」の違いを確りと見てしまった、「アート・エイリアン」でした。

そして今朝9:30より、現代美術家村上隆氏とクリスティーズの共催の東日本大震災救援チャリティー「New・Day」が、クリスティーズに於いて開催された。

取材陣と多くのコレクター達が犇く中、オークションに先立って、先ず村上氏のスピーチ。そして俳優渡辺謙氏が登場して、宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を英語と日本語で朗読したのだが、日本から遠く離れたニューヨークで聴く「雨ニモマケズ」は、此方に長く住む我々には本当に心に染み入る物が有って、社員で有る立場も忘れ、不覚にも感動してしまった!

そのオークションの結果を此処でお伝えしたいのは山々だが、これから直ぐに西海岸へと飛ばねばならない…そして西海岸で3日過ごした後は日本、その後香港を廻った後、再び日本滞在を経て、ニューヨークには12月半ばに戻る、と云う長旅に出る。

ニューヨークとは、暫しの別れである。