"Zorn@60: John Zorn+Ryuichi Sakamoto"@Japan Society.

「神宮」の式年遷宮の最も重要な行事の1つである「遷御の儀」が、10月2日(内宮)と5日(外宮)に終了したが、今回の「遷御」に当たり思う所が有った。

先ず、神宮に拠る「動画配信」。時代だと云われれば其れ迄だが、この様な厳かなる儀式を配信する事に、何故か強い違和感が有る。多くの日本の重要なる歴史伝承は「秘」を以て行われて来た事、そして特に信仰の場に於いては、その「秘」の部分こそが最も重要な役割を担って来た事を忘れては為らない…何でもかんでも公開すれば良い、と云う物では無い。

もう1点聞く所に拠ると、安倍総理も現職総理としては浜口雄幸以来84年振りにこの儀式に出席したらしいが、IOC総会で「Undercontrol」されて居ると虚言した「福島第一」の汚染水漏れが酷くなる一方なこの時期、社長を呼んで大臣に一言云わせるだけでは無く、「神宮」に行っている暇が有ったら福島に行き、「政府が管理する」と明言した政府代表として陣頭指揮を執り、事態打開をして頂きたいと思うのは筆者だけだろうか?

そう思うのには理由が有る。

何を隠そう筆者の母方の実家は「神明社」(神宮内宮が総本社)で、祖母は当時非常に珍しかった女宮司、母親はその二十何代目だかで、ワタクシはと云うと「天津祝詞」は何とか奏じられる程度の落ち零れだが、それでも日本の神は何時でも「自分の中に『おわしま』」し、儀式に参列するよりも人助けや自然(海)破壊を食い止める事の方が、古来神道の基となるアニミズム的「神の意」に沿う事位は理解して居るからだ。今後の汚染水問題に関しては、政府と首相の対応に注視せねば為らない。

今度は此方からの、笑えるニュース。「フォロー・ミー」や「華麗なるギャツビー」(旧作)の女優、ミア・ファローのイケメン息子ローナン(25歳)が、何とウディ・アレンとの間の子では無く、「フランク・シナトラ」との間の子かも知れない、とファロー自身が云い出したので有る!

そもそも、ファローはシナトラとの2年間の結婚生活後、ピアニストのプレヴィンと結婚、その時に韓国から迎えた養女に、プレヴィンとの離婚後付き合ったアレンが「手を出して」、2人は別れた…まるでアレン作品の登場人物の如く、奔放極まり無さ過ぎる連中だが(笑)、この話は嘗てカトリーヌ・ドヌーヴが極秘出産する際、マスコミが「誰が父親なのか?」と病院に張り込んで居たら、こちらも当時大スターだったマルチェロ・マストロヤンニが慌てて病院に駆け込んで来た、との話を思い出させる…今回の「父親探し」の巻も含めて、アレンは即刻映画化すべきだろう!

と云う事で、此処からが今日の本題…金曜の夜はマヨンセと、ジョン・ゾーンの還暦記念ライヴ「Zorn@60: John Zorn+Ryuichi Sakamoto」を、ジャパン・ソサエティで観て来た。

このライヴは、先月60歳と為ったジョン・ゾーンの記念ライヴ・シリーズの1つで、Miller Theatre(大学講堂)やMET(美術館)、Poisson Rouge(ライヴハウス)、Anthology Film Archives(映像博物館)等で、彼の映画音楽からフリージャズ迄の足跡を辿って来た最後のイヴェントで、共演者はジョンの親しい友人でも有る、坂本龍一教授。

JSのロビーで、マヨンセが「The Stone」で教授と共演した時(→拙ダイアリー:「テンスな、余りにテンスな…: 坂本龍一&ゲル妻@The Stone」参照)のスタッフや知人友人達と一杯遣った後、会場内へ入ると、ステージは赤と青のライトで照らされた上幾つもの電球が天井から垂れ、星の様だ。

そして満員の観客の盛大な拍手に迎えられ、ジョンが左脚を椅子に乗せた独特なクラウチング・スタイルを取ると、教授はピアノ内部を覗き込み、2人のインプロヴァイゼイションが始まる。

この2人の共演を観るのは2回目だが(上記拙ダイアリー参照)、相変わらず2人は各々の楽器、アルトサックスとピアノを文字通り「楽しむ器」として最大利用し、時には打楽器として、時には効果音装置として使い、「音の即興詩」を奏でた!

唯一気になったのは、今回のジョンと教授の演奏が「こう云う音楽」だと知らずに来た観客がそれなりの数居た所為か、会場が一寸引き気味の嫌いが有って、筆者の隣の若いアメリカ人女性に至っては、終演後の拍手も一切せず、アンコールの途中に思いっ切り席を立って行って仕舞った程だ…(涙)。

また今回の2人のインプロだが、やはり「The Stone」やクラブの様な小さなハコでやった方が、「『次はどうなるのだろう』的緊張感」がより楽しめたのでは無いかとも思ったが、ジョンのパッショネイトな演奏は素晴らしく、教授も「2セット目、大丈夫かしら?」と思う程の熱演で有った!

その後は某アート・ディーラーに誘われ、「Daniel」で修行したシェフが出店したニュー・ウェイヴ・コリアンの「D」に行き、日中韓3カ国のメンバー総勢7人で、かなりツイストの効いた新鮮なコリアン・キュイジーヌを堪能。

このレストランは、何と「サングリア」を出すのだが、これがまた此処の料理に非常に合う(らしい…筆者は飲まないので)。そして「トッポギのチーズ・グラタン」や「プルコギ・ミニバーガー」等の料理も、須らく美味くて大感動。

常識を打ち破った旨い韓国料理を肴に、これ又常識破りな生粋のニューヨーカー・ミュージシャン、ジョン・ゾーンに、心の中で還暦のお祝いの祝杯を挙げた夜と為りました。


◎筆者に拠るレクチャーのお知らせ

●「特別展 京都 洛中洛外図と障壁画の美ー里帰りした龍安寺襖絵をめぐって」

日時:2013年11月16日(土)、15:30-17:00

場所:朝日カルチャーセンター新宿教室

サイト:http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=220110&userflg=0

問い合わせ:朝日カルチャーセンター新宿教室(03-3344-1941)迄。


奮ってご参加下さい!