「狂人走れば不狂人走る」。

少し前に雨から雪に変わった、外出自粛要請の週末2日目の東京。

ウィルスを抑え込んでくれと祈りたく為る様な、窓から見る吹雪き始めた美しい雪景色とは反対に、僕の心は途轍も無く殺伐として居て、それはコロナウィルスの蔓延の事実よりも我が国のリーダーへの我慢ならぬ感情の所為だ。

テレビニュースでは、首相や都知事が「自粛『要請』」を出してもそれに従わない人、特に若年層の人達を取り上げて居るが、人間的にも政治家としても、そしてリーダーとしてもこんなに信頼の置けない人間の云う事を聞け、と云う方が無理に決まって居る。

森友問題のみ為らず、嘘を吐き続け、議事録も作らず根拠の無い「政治判断」を勝手にし、人を人とも思わぬ傲慢な態度を取り、「やってる感」を出す為の「不急不要の『原稿棒読み会見』」を「国民を見据えて」話す訳でも無く、左右に顔を振り続けてのパフォーマンスとしてドヤ顔でやり続け、責任は国民に丸投げ…正直、こんな首相を未だに支持して居る人の気が知れない。

さて、今日のダイアリー・タイトル「狂人走不狂人走」は、大徳寺百七十世清巌宗渭の言で有る。

改めて簡単に意味を記せば、「人間は付和雷同する物だ」と云う事だが、ヒトラーの例を出す迄も無く、リーダーの人格に拠って国民がそれに流され、同化して行く「恐怖」を喩えた物とも云えるだろう。

ティーンエイジャーの頃、この言葉を僕に教えてくれた祖父の親友だった政治思想家の先生は、「リーダーが間違うと、国家全体が間違う」と良く仰って居られた。現首相の父親を推していた先生がご存命だったら、今何と仰られるか…。

首相も首相夫人も、国を引っ張る人間としての自覚、それは「国民の下僕」であり「リーダー」で有ると云う自覚を改めて持ち、過去を振り返って過ちは正し、1人の人間として真摯に、誠実に国民とその心に対峙し沿わねばこの難局は切り抜けられないし、我が国に於いて無責任、平気で嘘を吐く、都合の悪い事は隠蔽と云う様な「人格的国民総首相化」を蔓延させ、亡国の一途を辿るのは必然。

首相は会見で、遠巻きに「文化芸術は後回し」と云った。

自分を戒める古人の言葉や「教養」は、文化芸術から得られる最大のモノ…こんな事が解らない様では、生前先生が歴代首相を始め自分が推す政治家に勧めた谷中の禅堂に一時期通ったのも、総理に取っては単なるお得意の「パフォーマンス」に過ぎなかったのだろう。

国家の難局時に、文化芸術を最も後回しにしては為らないのは、首相本人では無いだろうか?

 

ーお知らせー

*4月1日発売の「婦人画報」5月号の特集「珠玉の東京50」内、「究極の“東京ギフト”」にてオススメさせて頂きました。また同号内「併読本のススメ」にて、拙著「美意識の値段」が取り上げられました。是非ご一読下さい。

*「日経マネー」5月号(3/20発売)内「Money Interview」(→https://www.nikkeibpm.co.jp/item/mon/639/saishin.html)にて、インタビューが掲載されています。ご一読を!

*3月21日付「文春オンライン」に、インタビュー(→https://bunshun.jp/articles/-/36541)と拙著「美意識の値段」からの「怖い話」の抜粋(→https://bunshun.jp/articles/-/36555)が掲載されました。

*3月17日付「日経産業新聞」内のシリーズ企画「アートはビジネスに役立つか」の第5回(→https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57322410X20C20A3000000/)に寄稿しています。大変内容のある本企画、是非ご一読下さい。

*「週間文春」3月12日号内「文春図書館」の「今週の必読」に、作家澤田瞳子氏に拠る「美意識の値段」の有難い書評が掲載されております(→https://bunshun.jp/articles/-/36469?page=1)。是非ご一読下さい。

*3月4日付「日刊ゲンダイDigital」にて「美意識の値段」の書評が掲載されました(→https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/269858)。

*3月1日付ウェッブ版「美術手帖」にて、インタビューが掲載されました(→https://bijutsutecho.com/magazine/interview/21362)。

*2月28日付朝日新聞デジタル「&Ⓜ︎」内のインタビュー、「クリスティーズジャパン社長と映画『ラスト・ディール』に学ぶ ホンモノを見抜く力」(→https://www.asahi.com/and_M/20200228/9915737/)にて、インタビューを受けました。

*2月21日の夕刊フジ、22日の西日本新聞の書評に、拙著「美意識の値段」が取り上げられました。

*2月15日産経新聞内「本ナビ+1」で、永青文庫副館長橋本麻里氏が拙著を取り上げて下さいました(→https://www.sankei.com/life/news/200215/lif2002150018-n1.html)。

*2月15日付日経「新書」にて「美意識の値段」が取り上げられました(→https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55630490U0A210C2MY6000/)。

*2月5日の日経MJ内「使える読書」で、「美意識の値段」が取り上げられました。

*1月22日の産経新聞書評欄に、拙著「美意識の値段」が取り上げられました(→https://www.sankei.com/premium/news/200122/prm2001220002-n1.html)。

*「J-CAST ニュース」内「BOOK ウォッチ」(→https://books.j-cast.com/2020/02/12010854.html)、「Bur@rt ぶらっとアート」(→https://kobalog.jp/burart/2020/01/aesthetics-and-prices/)にて、「美意識の値段」が取り上げられました。

*作家平野啓一郎氏に拠る、拙著「美意識の値段」の書評はこちら→https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/review/8124。素晴らしい書評を有難うございます!

*拙著「美意識の値段」が集英社新書から発売となりました(→https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1008-b/)。是非ご一読下さい!

*雑誌「Pavone」54号内の特集「ART: Timeless Value 永遠の価値を求めて」(→http://www.pavone-style.com/culture/art_202001_1.php)で、オークションに就いての取材を受けました。是非ご一読下さい。

藤田美術館の公式サイト内「Art Talk」で、藤田清館長と対談しています。是非ご一読下さい(→http://fujita-museum.or.jp/topics/2018/12/17/351/)。

*僕が嘗て扱い、現在フリア美術館所蔵の名物茶壺「千種」に関する物語が、『「千種」物語 二つの海を渡った唐物茶壺」として本に為っています(→http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033551943&Action_id=121&Sza_id=E1)。非常に面白い、歴史を超えた茶壺の旅のお話を、是非ご一読下さい!(因みに、その「千種」に関する僕のダイアリーはこちら→http://d.hatena.ne.jp/art-alien/20090724/1248459874、今から思えば、これも藤田美術館旧蔵で有った…)

主婦と生活社の書籍「時間を、整える」(→http://www.shufu.co.jp/books/detail/978-4-391-64148-6)に、僕の「インターステラー理論」が取材されて居ます。ご興味のある方は御笑覧下さい。

*僕が一昨年出演した「プロフェッショナル 仕事の流儀」が、NHKオンデマンドで2021年3月28日迄視聴出来ます。見逃した方は是非(→https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017078195SA000/)!

*山口桂三郎著「浮世絵の歴史:美人画・役者絵の世界」(→http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062924337)が、「講談社学術文庫」の一冊として復刊されました。ご興味の有る方は、是非ご一読下さい。