速報:今晩の「現代美術トップ10」。

今晩クリスティーズ・ニューヨークで開催された「現代美術イヴニング・セール」は、72点のオファーで売れなかったのはたった4点のみ、史上最高売上の総額7億4494万4000ドル(約752億円)を売り上げた。トップ10は以下の通り。


1. ニューマン「Black Fire I」:8416万5000ドル(約85億円)
2. ベーコン「Three Studies for a Portrait of John Edwards」:8080万5000ドル(約83億6千万円)
3. ロスコ「Untitled」:6624万5000ドル(約67億円)
4. ウォーホル「Race Riot」:6288万5000ドル(約63億5千万円)
5. ウォーホル「White Marilyn」:4104万5000ドル(約41億4千万円)
6. バスキア「Untitled」:3488万5000ドル(約35億2千万円)
7. クーンズ「Jim Beam」:3376万5000ドル (約34億1千万円)
8. リヒター「Abstraktes Bild (712)」:2928万5000ドル(約29億5千万円)
9. カルダー「Poisson Volant」:2592万5000ドル(約26億1千万円)
10. ウール「If You」:2368万5000ドル(約24億円)


カルダーとクリストファー・ウールの価格には個人的に一寸驚いたが、バーネット・ニューマンの1位は美術史的にも作品的にも納得、そして相変わらずベーコン、ウォーホル、ロスコ、リヒターの人気は高い。

そして今回のセールは、トップ10に入らなかったべーコン「Figure Turning」(2256万5000ドル)、デ・クーニング「Untitled XXXI」(2116万5000ドル)、スティル「PH-1033」(1752万5000ドル)、ポロック「Number 5」(1136万5000ドル)、そしてミッチェルの「Untitled」(1192万5000ドル)の5点を加えて、1000万ドル超で売れた作品が計15点と云う、恐るべきセールと為った訳だが、トップ10全作品が1000万ドル以上で売れたセール(いや、全作品が2000万ドル以上なのだ!)は、筆者の20年超のキャリアでも初めてだ。

この仕事に入って数年後、モネの「睡蓮」が初めて1000万ドルを超えて売れたのを観て、腰を抜かさんばかりに驚いた経験の有る者としては、もう隔世の感がある。

然も「8000万ドル」超が1オークションで2点も…現代美術マーケットは、一体何処まで伸びて行くのだろう…。