NYの日本美術事情をお伝えしよう。

前回記したが、一昨日の日曜日は「ゲイ・パレード」の日で、その晩は友人総勢6人でステーキを食した。

メンバーは、アメリカ人日本美術史准教授とアーティストのゲイカップル、日本人女性アーティスト、一年間の滞在を終え今日帰国された次期家元、妻と筆者。ステーキ後は、我が地獄宮殿に移動し、深夜2時まで日本文化、美術、マイケル・ジャクソン等の話に花が咲いた。

この日本美術史家はもう長い友人なのだが、素晴しい知性の持ち主で日本語も完璧、そして驚くべき日本美術に関する造詣の深さを持つ。こう云う外国人が居る事を、日本人はもっと知らねばならないだろう。

最近の日本人は「真の国際人とは、自国の文化を外国人にきちんと説明できる人の事である」という事を忘れては居ないだろうか。我々は、もしこの名門大学で教鞭を取る日本美術史家以上に我が国の文化を知らないとするならば、「恥」と思わねばならないだろう。

そう云った意味でも、今回の次期お家元のニューヨークでの長期滞在・活動は、日本文化のプロ中のプロが、日本文化芸術の代表選手である所の「茶道」を、正しく世界の人に伝え旅したと云う意味に於いて、非常に意義深く、日本人の矜持を示したと云える。若宗匠、大変お疲れ様でした。

そしてこの友人に代表されるのだが、ニューヨークの日本美術に関する知識・蒐集のレベルは、一般の日本人が思っているよりも非常に高い。デコラティブなモノも多いが、毎日日本美術品をマンハッタン中査定して回っている、と云っても過言では無い程数も有り、大事にされてもいるし、屏風・焼物・漆・木彫等、数多良い品にも出会う。日本人は、アメリカで何故こんなに日本美術が愛されているかを、一度熟考すべきだろう。

この辺の事は、7月1日付朝日新聞夕刊に掲載予定の、筆者のインタビュー(どの位のサイズかは未詳)を参照頂きたい。

明日は早朝4:45のに来る迎車に乗り、終日シカゴ出張…数人のコレクター宅で作品を見る予定。考えただけで眠い。