お疲れ様の週末。

スッカリ忘れていたが、MJが死んで早一年経ってしまった…毎日の様に思うが、月日が経つのは何と早いのだろう!来月再びバースデーを迎える自分の年齢も、もう遠い記憶の彼方へ…と行きたい処だが(涙)。

そして今日は、天気の良い日曜日の午後だと云うのに、何と仕事中なのである。

月曜(明日)の朝までにどうしても仕上げねばならない、急ぎのアプレーザルが有ってオフィスに来ているのだが、実は今日、オフィスまで歩いてくる途中、多くの人(専ら男性)にチラチラ見られる様な気がしてならなかった…自意識過剰なのかも知れないと思ったりもしたが、オフィスに着いてから、はたと気が付いた!そう、何を隠そう今日は「ゲイ・パレード」の日なのであった!

今住んでいる「ヘルズ・キッチン」は、ブロードウェイから近い事もあり、ダンサーや舞台関係の人も多く住んでいて、と云う事は、マンハッタンでもゲイの多い地区なのだが、オレンジのピッチリとしたシャツで歩いたのが、運の尽き(笑)。チラチラ色目を使われ、時折舐めるように下から上まで(上から下まで、では無い)見られる快感は、ストレートの人には判るまい…って、この孫一、ストレートですから(笑)。

そんなこんなで有るが、昨日の土曜は久々に一日中使い物に為らず、寝続けてしまった…。そしてその理由は「金曜の夜」に有ったのだ。

そのフライデー・ナイトは、親しい友人達とディナー。メンバーは、東京とニューヨークのギャラリー・展覧会情報のサイトを運営しているK君、建築家S氏、彼の友人の東京からのゲストで某雑誌編集者のJさんと、我等夫婦の5人。金曜の夜と有って、何処も中々予約が取れなかったのだが、結局飛び込みでユニヴァーシティ・プレイスに在る「S」に行く事になり、8:00に現地で待ち合わせとなった。

「S」に入って見ると既にK君が来ていて、取り敢えずバーで皆を待ちながら一杯飲む事に。K君から、彼が今考えている或る新規事業の話や、最新の現代美術の動向を聞く。彼は筆者より一回り以上も年下なのだが、シッカリしていて頼もしい…そして事情通であるので、彼と話すのは何時も勉強になるのである。

そうこうしていると、店の受付付近から、此方を見て近付いて来る女性が…Jさんの登場である。某有名ファッション誌の編集をされているJさんとは、勿論初対面であるが、「あの…孫一さんですか?」と恐る恐る、初めてみる生き物を見る様な感じで問われたので、彼女がJさんだと云う事が判明した訳だが、これも建築家Sの「相変わらず」の遅刻と連絡の悪さ(笑)の所以である…しかし会えて良かった。

3人で飲んでいると、やっとS氏が登場し、テーブルに向かう。「遅れてきた建築家」S氏に拠ると、ダンス・クラスを終えた妻は、友人のYさんと、何と「向かいの店」で飲んでいるらしい。夫が知らない事実を知っているとは…S氏、侮れん奴(笑)。テーブルに着くと、やっと妻が合流し食事がスタート。この「S」と云うヴィエトナミーズは、何しろ安くて量も多く、生春巻やダンプリング、「フライド・カラマリ」や「カレー・オクラ」、「スパイシー・ビーフ」等を皆でガツガツ食べる。

この日のメンバー、何しろ良く食べ良く喋るのだが、話題もアオイユウ(何故に優ちゃんは、女性から評判が良くなかったりするのだろう?)から、トム・フォードサッカー日本代表の本田、その後「どっちが好きか?スゴイか?」の話になり、例えばジェームズ・タレル VS.アー二ッシュ・カプーア、中曽根康弘 VS.小沢一郎、そして、大激論となった「村上春樹 VS.村上龍」迄、飛び捲くる。この「春樹」に関しては、時を改めて此処に記したいと思うが、因みに筆者は「龍」派であった(お手柔らかに…笑)。

最後に滅茶苦茶旨い「Bun Xao」を食べて「S」を後にすると、二次会はサリバン・ストリートのバー「R」へ。此処は何しろ「暗い」…雰囲気では無く物理的な照明が、である。どの位暗いかと云うと、店の奥に入り、其処ではカップルがソファでイチャイチャしていて、ソファに投げ出した女の子のその長い綺麗な足を、彼がゆっくりと摩っているのがホンノリと見え、思わず眼を凝らすが中々見えない、がちょっと慣れるとあぁ見えた、と云う具合なのだ(笑)。この「R」はその店の暗さの為、人の顔が殆ど識別出来ないので、女性陣には「ノーメイク、寝起きでも来れる!」と大人気で有ったが、一体「『バー』に寝起きで来る」生活とはどんな生活なのかと、男性陣は首を傾げるばかり。

此処での話題は「何時もの、不毛な」話題に終始し、それは「何故男は外見の綺麗な女性に興味を示すのか、男 VS.女、朝まで参ります!」である。しかし今回は、S氏と長い付き合いのJさんも当然論戦に参加、S氏絶体絶命!(笑)…この晩ばかりは、筆者もディプロマティックに徹しました。しかしこの「R」と云う店は、男女2人だけでやっている為超忙しいのが難だが、中々良いバーであった…また来よう。

夜中の2時を廻った所で「腹が減った」と云う事になり、またか…の最悪事態。ここで、「R」からは歩いて2分の処に住むK君が帰宅し、残った4人で今度はミッドタウンの行きつけ「T」へ。カレーだのラーメンだのを食した後、妻が未だ食べれる!等と寝言を抜かしたので、「高菜炒飯」でシメ…もう最悪である…こんなに節制の無い人間たちも居ないだろう。Jさんの眼が「点」に為っていたのも、当然である…Jさんには、もう会って貰えないのではあるまいか(笑)。

「T」を出て時計を見ると、明け方4時。Jさんは10時からお仕事、妻は昼から裏千家で「茶花のレクチャー」だと云うので、此の時点でやっと解散。そして土曜日の朝、4時半過ぎに寝たわが妻は頑張って起き、昼前に裏千家に向かったのだが、昼過ぎに裏千家に着いた彼女から電話が掛かって来て云うには、「お花のレクチャー、明日だった…」そうな。

お疲れ様でした、の週末であった。