近江の「神仏」に会いたい!

新潟の柏崎刈羽原発で、放射性物質漏洩が起きた。

全く以て東電の管理体制の甘さには閉口するが、此れは即ち我が国の原子力行政の甘さでも有る。なのに、この期に及んでも日本のメディアは、ウンともスンとも云わない…小沢一郎氏の強制起訴問題も然りで、「検察審査会」なる民主主義を根底から揺るがす様な、不透明極まりないシステムの不当性も追求しない日本のメディアは、本当に腐っている。それで居て、自分達が正義の味方・お利口さんだと思っているのだから、全く性質が悪い…何とかせねばならない。

しかしその一方、中沢新一氏の「緑の党」立ち上げのニュースも入って来た…未だ詳細は判らないが、こう云った動きが出てくる事自体非常に望ましいので、今後の活動方針等のステートメントを知りたいと思う。

さて土曜の夜は、建築家のK君とその友人のHIPHOPラッパーShing02君の、2人の若い友人達と居酒屋ディナー。

K君の話に拠ると、中東で「1km」の高さのビルが建つそうだ…これが完成すると、ドバイに在る現在世界最高層の建築物「ブルジュ・ハリファ」(828m)を抜くらしい。「しかし、火事等の災害時はどうするのだろう?」と聞くと、「そりゃもう、パラシュートしか無いですよね」(笑)とは、K君の談。何故に人は高い建物を欲しがるのか…未だに「権力の象徴」の積もりなので有ろうか?

また、Shing02君は1ヵ月半に渡り、革命後のエジプトを旅して来たばかりだが、例えば中東でのヘヴィ・メタル・バンド等の音楽情報や、ムバラク後、他の国と異なり内戦が起こっておらず比較的安定している状況や人権問題ついて、食事をしながら面白い話を聞く事が出来た。

が、今朝起きてNBCのニュースを観ると、カイロでキリスト教コプト派デモ隊と治安軍が衝突し、23人が死亡し150人以上が負傷したらしい。キリスト教徒はエジプトでは10%程らしいが(後はイスラム)、特に中東での体制崩壊後には、やはり「宗教」と「民族」の独立性や自由を求める衝突が避けられないのだろう。

そして昨日はと云うと、ゲル妻を伴い「空飛ぶ建築家」Sと久々に会い、近所のゲイ・オーナーがやっている、この辺りでは最も気の効いた店「44 x X」でブランチ。

お決まりの「エッグ・ベネディクト」等を食しながら、Sの近況を色々と聞いたが、Sは相変わらずヨーロッパ、中国等を飛び廻っているとの事…「早く嫁を見つけないと、栄養も不足するのでは無いか」と、地獄夫婦も余計な心配をしている(笑)。そして今月30日には、このSを追いかけ特集した「情熱大陸」も放映されるとの事…皆さん、乞うご期待です!

さて先週末、日本から1冊の分厚い展覧会図録が届いた。

その展覧会とは、「特別展 神仏います近江」。この展覧会は信楽、瀬田、大津の3会場、則ちMIHO MUSEUM滋賀県立近代美術館大津市歴史博物館の3館同時開催となる、かなり大掛かりな宗教美術展らしい。

図録を見ると、各々の会場の展覧には「サブ・タイトル」が付いていて、信楽会場のMIHOでは「第一部:天台仏教への道ー永遠の釈迦を求めて」、滋賀県近美は「第二部:祈りの国、近江の仏像ー古代から中世へー」、大津市歴博は「第三部:日吉の神と祭」と為っている。

早速図録中の出品作品を見ると、何とも多彩且つ凄い作品ばかりで、眼が離せなくなった!此処に数例を挙げると、先ずMIHOでの展示では神照寺の「金銅透彫華籠」(国宝)や石山寺の「木造維摩居士坐像」(重文)、大好きな聖衆来迎寺の高麗仏画楊柳観音像」(重文)やMIHO所蔵で耕三寺旧蔵の「木造持国天立像」(重文)、そして体型・顔付き共とても他人とは思えない(笑)、観音寺の「黄不動像」(これも重文)等の素晴らしい作品群。

大津市歴博では、筆者も大好きな「神道垂迹美術」がメインの展示で、その中でも「神像」のライン・ナップが素晴らしく、口元を袖で覆った建部大社の有名な重文「女神坐像」を始め、猿面をした「大行事神坐像」等女神像、男神像、僧形神像、武装神像等が多数、また絵画でも大和文華館所蔵の非常に珍しい構図の「日吉山王宮曼荼羅図」(重文)や、延暦寺の「日吉山王本地仏曼荼羅」(重文)等、名品の目白押しである!また滋賀県近美にも、石山寺蔵の快慶作「木造大日如来坐像」や永昌寺の「木造地蔵菩薩立像」等の重文作品を含む、多くの仏像が展示される。

各会場の会期はMIHOが12月11日迄で、滋賀県近美が11月20日迄、そして大津市歴博が11月25日迄となっている…筆者が日本に行く11月半ばなら、何とか間に合うでは無いか!

「近江の神仏」達に会える、絶好のチャンス…必見の展覧会である。