中国美術市場の「明日は、どっちだ?」。

橋下大阪市長が誕生した。
この人の事を「独裁者」等と、とやかく云う人が居るが、この人程「実践」する有言実行の人も、今の日本の政界には居ないのでは無いか。

今の日本には、一本筋の通った、確固とした「背骨」が必要なのだから、彼の様に明確なヴィジョンを持って実践する人には、是非とも頑張って貰いたい。

こう云う「決断」の人を「独裁者」と呼ぶ人程、自分自身では最後迄責任を取り切れない人で有る事が多い様に思うが、物事はやってみなければ判らないし、改革や革命は「実行有るのみ」で有る。

橋下氏のこれからに、期待したい。

さて、昨日香港にやって来た。

酷い時差ボケと寒暖差、旅の疲労で久々に風邪を引いてしまって居るのだが、初日の昨日の夜は、VIPクライアントとそのビジネス・パートナーの方と3人でディナー。

著名グルメ、同僚Kのお勧めに拠って上海料理の「L」へ行き、「白海老とトリュフ炒め」や、フカヒレ・スープ(風邪に最適で有る!)に豚のスモーク・ハムを浸して食べたり、鰻とセロリの炒め、蟹肉蟹味噌と麺を合えた超ウマの料理等を頂いた。

食事の話はこれ位にして(笑)、昨日で「アジア現代美術」のセールが終了したので、今日はその事を。

デイ・セールの方は非常にバンピーで、近年のアジア現代美術のセールでは中々難しいセールの1つだったが、イヴニング・セールの方はロットで74%、ヴァリューで77%を記録し、都合3億9733万6000香港ドル(約39億5700万円)を売り上げた。

このセールでのスター・アーティストはと云うと、それは疑い無く趙無極(ザオ・ウーキー)。

トップ・ロット・タイだった2作品、「Cerf Volant et Oiseau」と「22.7.64」の各3538万香港ドル(約3億5200万円)を初め、趙作品はトップ10に3点入り、その3点だけで9494万香港ドルを売り上げたからだ。
此れは、先日ニューヨークで開催された、現代美術セールに於けるスティルやリヒターと同じ様な現象で、所謂「ポスト・ウォー・コンテンポラリー・マスター」、しかも特定の作家の高品質作品に、人気が集中する傾向に有ると云えよう。
また、このセールは全体的に非常にセレクティヴなセールだったとも云えるが、日本勢では奈良美智の「Looking for Treasure」が422万香港ドル(約4076万円)と、タカノ綾の「You Want to Get Out of Here, Don't You ?」が338万香港ドル(約3370万円)と、その存在感を示した。

今日クリスティーズでは、中国古画と中国近代絵画のセールが開催されており、器物セールは明後日に予定されている。

不動産バブルが弾けた等と噂される中国市場だが、オークション業界では景気が落ち着くと、「歴史の評価」を経た、より信頼感の大きい古い作品に人気が移行する傾向が見られるのだが…如何だろう。

中国美術市場の「明日は、どっちだ?」(尾藤イサオ風に:古いね…:笑)。