オスカールのブラジル風BBQ。

日曜は、友人の現代美術家、オスカール大岩氏のバーベキュー・パーティーに招かれて行った。

知らない人の為に云えば、オスカールは日系ブラジル2世のアーティストで、細身の外見からは想像できない程のスケールの大きな絵画を描く。去年都現美で開催されたワンマン・ショウの巡回展が最近まで高松で開催されていた為、日本から帰ってきたばかり。最近では北京や香港でも展覧会があり、10月には彼の故郷、サン・パウロでも予定されている。

場所はチェルシー。オスカール家の真向かいに欧州風の神学校・寄宿舎があり、その内庭がBBQ会場である。神学校の門を潜ると、オスカール夫人のY子さんが3人の元気溌剌な子供たちと一緒に出迎えてくれた。奥さんとは始めてお会いしたのだが、明るくサッパリした非常に魅力的な女性で、聞くと嘗て日本の某美術館に勤めていたそうで、オスカールとは展覧会で知り合ったそうだ。

他にブラジル人ファッション・デザイナー、日本人写真家のT氏、建築家カップル、ファッション・フォトグラファー、アーティストのE氏、ブラジル通のエリザベス宮殿主A子姫、アフリカン・ダンス・カンファレンスの為遅れてきた我妻など、各々飲み物を持参しての参加。ヨーロッパの何処にでもある様な神学校の内庭は、草花やこんもりとした木々に囲まれ、蝉の抜け殻がその辺に落ちていたり、鳥の羽ばたく音が聞こえたりして、オスカールやゲストの子供たちの嬌声と混ざり合い、何とも云えぬホッコリした気分を醸し出していた。

そして、お待ち兼ねのBBQタイム!!先ずはチョリソ・ソーセージ、ピリ辛で旨い!焼きあがったら「It's spicy!!」と書いた皿に盛る(子供が間違えて食べると、吐き出す為)。お次は色々な物が詰まっている、ブラジリアン・ポーク・ソーセージで、此れがまたウンマイ。オスカール自作のトマト・ビネグレット・サラダも登場し、さて此処からが本番なのだが、このトマト・ビネグレット・サラダをソーセージ、肉やポテトに掛け、その上に「ファロッファ」(芋とベーコンの粉末)を振りかけて食するのである。

オスカールの友人のブラジル人デザイナーは、「僕は小さい頃からファロッファは好きじゃない」と言っていたが(納豆の嫌いな日本人も多いし)、本当ーにウマイ。その後はフェジョアーダ(豆の煮込み)やポーク・スペアリヴ、ビーフ、焼おにぎり等ご馳走のオンパレード。全ての「焼物」にビネグレットとファロッファを掛けて食べたのだが、これが非常にサッパリしていて更なる食欲をそそるのだった。

ゆっくりと夕闇が迫り、蚊に刺された腕をポリポリ掻きながらの解散となったが、眼にも舌にも新鮮極まりない「ブラジリアン・BBQ」は、真剣に旨かった…。

流石オスカール…オブリガード!!