「サムライ・セール大成功!!」の巻。

今日サムライ・セールが終了した。結果から云えば、お陰様で「大成功」!

86点中62点売れ、ヴァリューでは75%、総出来高270万ドル。9月のセールが、156点中89点売れて、出来高が290万ドルだった事を考えれば、半数のオファーで、ほぼ同額の売り上げなのだから、非常に良く売れたと云えるだろう。

トップ・ロットは、表紙にもなった紀州徳川家旧蔵の甲冑で60万2500ドル、オークションでの日本の甲冑落札価格の「世界新記録」である!!9月に、茶壷「千種」をフリアー・ギャラリーに売却したのに続き、今度の甲冑も米国の美術館、MINNEAPOLIS INSTITUTE OF ARTSに売却した(アンダー・ビッダーは米国個人)。

美術館が当社のオークションで直截買うと云う事は、「専門家が認めた」という意味と為り、当社オークションの出品作品の信頼性も増すので、非常に宣伝効果も高い。同落札高額第2位は、17世紀初期の長谷川派「宇治川先陣争い図」屏風、六曲一双で26万6500ドル(スイスの個人コレクター)、南北朝郷義弘の太刀が3位で、19万4500ドル(イタリアの個人コレクター)であった。

前日のBONHAMSのサムライ・セールがかなり不調だったので、実は危惧が無い訳でもなかった。が、昨日VIPの顧客から電話ビッドが入った(この顧客は、一昨日の当社宝石のオークションで、有名な「ANNENBERG DIAMOND」[エスティメイト$3−500万ドル:ハンマー680万ドル]をビッドしたが買えず頭に来て、自身の趣味である日本美術を買ってやる!という話だった)ので、少々安心していたとは云え、それでも想像以上の良い結果であった。

このBONHAMSとのセール結果の大きな違いは、須らく集めた商品のクオリティと価格に集約されるだろう。以前筆者の部下であった、現BONHAMSの日本美術担当者には悪いが、やはりオークションは、出品作品の質とカタログの緻密さ、それまでの顧客との信頼関係等で決まる。僭越だが彼はマダマダだ。

その他特筆すべきは、桃山の「南蛮鐙(あぶみ)」。エスティメイトが1万ドルであったのに、結果は6万ドル、「南蛮」は何時も根強い人気が有る。また刀剣が少々弱いのに比べると、兜、甲冑は全体的に良く売れた。やはり、デコラティブな要素も多分にあるのだろう。刀剣の中では高額商品の売却が難しいと思われたが、救いの神が一人現れ、何とか・・。やはりオークションはやって見なければ判らない。その時々の買い手の気分もあるからだ。

何しろ最高の、今年最後のセールであった。これもチームの皆のおかげ、皆様のおかげです。有難う御座いました!今晩はこれから、D氏主宰の「遠州家元歓迎ディナー」@MICHAEL'S。こんなセールの後は、業界の人々と会うのも楽しい。

今年の3月とは大違いである(笑)。