「フカヒレ」と「トリュフ」。

再び新幹線の中からアップ中、これから二人の顧客に会う。一体何回関西に行かせれば、気が済むのか…(涙)。

昨日は先ず甲冑からスタート。10月の「サムライ」セールが大成功した事と、メトロポリタン美術館の大展覧会のお蔭「も」有って、オファーが多い。伝来の良い何領かを(因みに鎧は一領、二領『りょう』と数えます)、ゲットした。

午後は東海地方に、再びプチ出張。ある初出(うぶだし)屋さんと会い、室町が有ろうかと云う、ある絵画を観る。筆者的には、桃山と云っておいた方が無難と思う作品だが、クオリティは素晴らしく、伝来も良い。将来の為、お互いにもっと調査する事にして、別れた。

帰京後は、最近残念にも亡くなった塚田晴可氏の「ギャラリー無境」閉廊セールへ。筆者も塚田氏とは長い付き合いであったが、妻も岳父を通して子供時代から「オジチャン」と呼び、親しんでいたらしい。氏の独特な美意識に裏打ちされた「新古美術」は、女性誌等にも取り上げられ、氏は仏教美術を含めた「骨董」と云う「知恵」を、一般の人に広く知らしめた。忘れてはならない功績である。塚田氏のご冥福を、心よりお祈り致します。

さて夜は、作家&モデル兼デザイナーのH夫妻と、青山の「R」にてヌーベル・チャイニーズ・ディナー。「夫同士」以外は、実は初対面だったのだが、何とも美味な「フカヒレの姿煮トリュフ添え」等のご馳走に舌鼓を打ち、妻のお能内弟子時代の「アンビリーバブル話」に驚愕しつつも、和気藹々。

奥様のHさんは、流石「気品」が有り、特に大きく笑った時のお顔が、最高に素敵である。「鑑定士」が云うのだから、間違いない(笑)。そしてH氏との会話は、文学の将来や贋作問題、世界経済迄、相変わらず刺激的でタメになったのだが、可笑しかったのは、未だお二人が出会った頃デート中に、H氏が「酔うと、どうなるの?」と奥様に尋ねると、「機嫌が悪くなります。」と答えたそうで、H氏はその答えを聞いて「この女性は、頭の好い人だ…」と思ったそうだ…確かに!これでは男性は、お酒を強要出来ない…安全である(笑)!

お二人はご結婚されて未だ一年半程だそうで、初々しく、何とも羨ましいカップル。作家とモデル(デザインもやられているらしい)と云う両者が、お互いを惹き付け合った「魅力」とは一体何だったのか、次回「シッカリ」と(笑)確認させて頂きたい。

しかし、もしかしたらお二人の関係は、この日皆で食した「フカヒレとトリュフ」(両者共個性が強いが、片方は意外と淡白で、一緒に食べると合わなさそうだが実は全く違和感が無く、実際相乗効果で旨さ倍増!)の様な事なのかも知れない、と勝手に考えた孫一であった。

ウチはさしずめ、北京ダックの「鴨」と「ネギ」(どちらが鴨かは内緒:笑)だが、「トリュフ」と「フカヒレ」の御二人には、是非ニューヨークでもお会いしたいものである。