摩天楼への想い:"EMPIRE STATE OF MIND" by Jay-Z featuring Alicia Keys.

昨日N.Y.に戻った。

空港の外に出ると気温はマイナス5度、「現実」に引き戻された感覚である。3週間の日本滞在は、それなりに実りがあったが、来週月曜からの出張を考えると未だ気は抜けない…しかし「名品」を観るのは、何時でもどんな時でも非常に楽しみなので、気力は持つかもしれない…体力は解らんが(笑)。

空港に迎えに来た車に乗り込み、ヘルズ・キッチンの自宅へ向かう。通常使うルートでは、マンハッタンに入るのに「ミッドタウン・トンネル」を使うのだが、トンネルに入る数マイル前から見えてくるマンハッタンの摩天楼に、「毎回」眼を奪われる。

人生で3回目、今回だけでももう10年もN.Y.に住んで居るのに、その上出張等でどんなに体が疲れていても、未だに車窓からマンハッタンが見えて来ると興奮するのは、一体何故なのだろう…。そして、その摩天楼が見えて来ると頭の中で音楽が鳴り始める。こんな経験はN.Y.に住んでいなくても、N.Y.に来た事の有る人なら、そして音楽好きな人なら必ず有るのではないだろうか。

マイケル・ベネットの傑作ミュージカルの映画化作品「コーラス・ライン」の、主人公の女性ダンサーがN.Y.にやって来るシーンでは、タクシーが確か「クイーンズボロ・ブリッジ」を渡ってマンハッタンに入って来るのだが、そのシーンのバックに流れる曲はシナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」だったと思うし、ビリー・ジョエルの名曲「New York State of Mind」や「52nd Street」等も、多くの人がマンハッタンを想う時に流れる曲だろう。

しかし昨日、筆者の頭に流れた曲は違った…。

昨日流れた曲は、今年のMTVアワードで素晴しいパフォーマンスを披露したJay-ZAlicia Keysのデュエット曲(拙ダイアリー「レベルの違い:MTVアワード」の巻参照)、「Empire State of Mind」。アリシアのピアノで始まるこの曲は、何処と無く切ない。日本滞在中にも、何度もCDでこの曲を聞いて居た事も有るだろうが、今自分の中でのN.Y.のイメージは、完全にこの曲に集約される…実に「名曲」である。

が、一つ「頂けない」事実が発覚した…それは「PV」である。今朝時差ボケで早く起き、VH1でカウント・ダウン番組の「Jump Start」をボーッと観ていたら、偶然この曲のPVがオン・エアされたのだ。筆者がこの曲のPVを見たのは実は初めてなのだが、余りのダサさに愕然、こんな良い曲のPVがこんなだとは…大ショックも良い所である。

タイムズ・スクエアの階段」での撮影、NYの街のイメージ・ショット等雰囲気作りに必死なのだろうが、どう観ても「大人気の2人のスケジュールが、上手く取れませんでした」的な「ヤッツケ」仕事にしか見えない。余りに残念で、眠いながらも怒りを覚えた程である。責任者出て来い!

しかしこのダサいPVで、曲の価値が下がる訳でも無い。しつこい様だが「名曲」である!!

Empire State of Mind」、是非聞いてみて下さい。N.Y.に思いを馳せて…。