「表千家」がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

速報!とうとう「表千家」がニューヨークにやって来る。

今までも表千家の先生はNYに居らしたのだが、時は来年6月、京都不審庵の肝煎りで「表千家同門会米国東部支部」が、滔々設立されるとの事である。

初代支部長は、ワシントンD.C.在住の医薬品開発者で(特に緑内障の治療薬で有名:1千億円以上の売り上げを誇る)、複数の新規医薬品の販売会社のオーナー、上野隆司氏。上野氏は大坂を本拠とする「上野製薬」の御曹司で、自身の会社もNASDACに上場している方である。

「噂では」ご本人は特にお茶をされない様であるが、上野氏のご母堂が表千家大阪支部の副支部長をされている関係で、数年前からこの支部長ポストの打診が有ったそうである。実は筆者はこの上野氏(夫妻)と、一度だけお会いした事が有るのだが、それは友人のクラシック・ギタリスト、村治奏一君のNY初ライヴの夜の事で(拙ダイアリー「垣間見る野生」参照)、その時の奏一君に拠ると、彼を始め多くの若いミュージシャンやアーティストを応援している、謂わばアート・パトロンをしている方だ、との事であった。またこの「東部支部」の顧問には、コロンビア大教授(日本外交、日米関係)のジェラルド・カーティス氏、慶大教授でジャーナリスト(元NHKワシントン支局長)の手嶋龍一氏が任命されたそうである。

さて聞く所に拠ると、この表千家「米国東部支部」は、ニューヨークを中心にD.C.フィラデルフィア、フロリダ等の範囲として、「表千家茶の湯」を在留邦人、また米国人に伝えて行くのが目的との事。また発足行事としては、6月18日から3日間に渡り、「晩餐会」(!)、「献茶式」「市民講座」「研修会」等を開催するそうで、その折には日本からも、猶有斎千宗員宗匠熊倉功夫林原美術館館長等が臨席されるとの事である。

今回支部長になられる上野氏が、「茶の湯」、「日本文化」、「日本美術」そして「世界に向けての日本伝統文化の発信」に対して、果たしてどの様なお考えをお持ちか、筆者は全く存じ上げないのだが、望むらくは偏狭な「セクショナリズム」に陥ったり、禅の精神に基づく「茶の心」を無くする様な事無く、そして「崇高なる美意識」をお持ちの尊敬できる方で有られる事を、期待して止まない。

これで、三千家NY揃い踏み・・・NYのお茶、そして日本文化も益々発展するであろう。
裏千家武者小路千家を初めとする各流派の方々、ウカウカして居られませんぞ(笑)!