「80年代な夜」@ビルボード東京。

昨日の夜は、六本木のミッドタウンに在る「ビルボード・ライヴ東京」に、ちょっと懐かしい「フュージョン」を聴きに行った。

一緒に行ったのは、作家のH氏夫妻で、流石H氏は学生時代にギタリストをしていただけ有って、クラシックのみならずロックやジャズ・フュージョンにもかなり造詣が深く、「80年代フュージョン」バリバリのこのステージ中も、カルトな話で盛り上がった。

さてライヴのメンバーだが、これがスゴイ。

ランディ・ブレッカー(tp)、ビル・エヴァンス(sax)、スティーヴ・ルカサー(g)、ローベン・フォード(g)、ダリル・ジョーンズ(b)、ロドニー・ホームズ(ds)そしてスティーヴ・ワインガート(key)…「フュージョン必殺仕事人」(笑)と呼びたくなる様な、豪華メンバーである。

会場は満席、日本のフュージョン・ファンは、年齢層は高めだとしても、まだまだ健在と見た(笑)。ステージに登場したメンバーの「ユルいファッション」を見てH氏と苦笑するも、流石日本でのライヴ、時間通りに開演。

何しろ、80年代に大活躍したブレッカー・ブラザース(昨晩H氏に聞く迄、マイケルが亡くなったのを知らなかった…涙)、TOTOサンタナストーンズ、スティング等とプレイした彼らのテクニックは、本当に素晴らしい。ランディとビルのバワフルなホーン、ルカサー(この人は、30年間何も変わっていない!)とフォードのダブル・ギターも流石だが、この晩の主役は、やはり「リズム・セクション」の2人、ダリルとロドニーであった。

この2人が造り出す「超タイトな」リズムは、只でさえファンキーなナンバーに、恐るべきグルーヴを加える。特にアンコールで演奏された2人の「掛け合いソロ」をフィーチャーしたナンバー、そして「スカンク・ファンク」、此方も自然に体が動き、もうノリノリであった!

ステージ終了後はH夫妻を伴って、ダリルを訪ねにアーティスト・ルームへ。そもそもダリルとは、NYの友人、ジュエリー・デザイナーのN氏の紹介で知り合ったのだが、前回ダリルと会ったのは、筆者が「オール・ショパン・プログラム」の帰りに、彼と「ショパンのエロさ」を話したりしたので(2月4日付ダイアリー参照)、H氏を紹介するには良いタイミングであったのだ。

そしてダリルは、相変わらず気さくに我々を迎えてくれた。蕎麦打ちをしたり、日本の文化に興味津々の彼は、H氏の英訳作品を所望…流石「インテリ・ファンキー・ベーシスト」である(笑)。

ダリルと再会を約束して別れた後は、近くの行き付けのカフェ「L」へ…このカフェも、奇しくも開店後30年を数える「80年代」の店であった。珈琲と美味しいスウィーツを食しながらの四方山話の後、解散。

しかし「仕事人」のオジサン達の何と元気だった事か…あれが80年代パワー…見倣わねば(笑)!

ファンキーな、そして日本が最も幸せだった「80年代」な夜であった。