All Things Art Asia:Benefit dinner@Asia Society.

下見会もいよいよ大詰め。昨日位から、ちょっと「良いニュース」も飛び込んできているので、少々期待も出て来た…「李朝染付壺」や「地獄太夫」も、良く売れるだろう。

この下見会も終盤になると、当然「セールス活動」が活発化する。ASIA WEEK中の、星の数ほどの「ギャラリー・オープニング」は、この「セールス活動」の場としての機能が大きく、オークションでの落札価格や落札者の噂、延いては、時折聞き及ぶ他の業者の作品の悪口や「妨害工作」等も含めて、魑魅魍魎が闊歩する中、皆必死に自分の扱う作品を売り込むのだ。

そんな状況で体はヘロヘロ状態、且つ時折激しい雨の中、昨晩はASIA SOCIETY主催の「ベネフィット・ディナー」へ。この「ベネフィット・ディナー」は、ASIAN WEEKを記念しての、所謂「ファンド・レイジング」の為のもので、今年はデザイナーのヴィヴィアン・タムをフューチャーした、ディナー・イヴェントである。

先ずはレセプションに出席の為、ASIA SOCIETYへ。

着いて見ると「鬼混み」の状況で、しかし星の数程の知り合いと挨拶を交わす。流石ヴィヴィアン・タムをフューチャーしているだけ有って、彼女の服を着た異常に背の高いモデル達も、会場を闊歩している。このASIA SOCIETYは、「アジア」と銘打っては居るが、その根幹は「中国」と「インド」の文化芸術が中心で、「日本」は何処と無く打っ棄られている感じの組織なのだが、こう云ったレセプションの時には、流石に日本美術関係者の姿も多く見られた。

8時前になると、ディナー参加者は大混雑のレセプションを後にし、ディナー会場へと向かうバスに乗り込む…今回のディナーは、アッパー・イースト・サイドに在るレストラン「Guastavino's」を借り切っての開催だからである。会場では、バスに分乗した着飾った人達が、次々とレストラン・エントランスに飲み込まれて行き、ジャズの生演奏で迎えられると云った、華やかな雰囲気を醸し出していた。

ディナーは、1テーブルに10−12人座る形式に為っているので、恐らく300人位の出席者であろうか。筆者と同じテーブルには、フリアー・ギャラリー学芸員のC氏、ボストン美術館のS氏、コレクターB夫妻、現代美術研究者のH夫妻、中国現代美術のギャラリーのCさん、そして妻と義父等。周りを見渡すと、見覚えの有る顔も色々有ったが、そこにはコロンビア大で教えているマシューも…嬉しい驚きであった。

さて食事だが、こう云っては何だが「ベネフィット」のディナーにしては、どれも大層美味しかった!ビーツとクリーム・チーズのミルフィーユっぽい前菜、サーモンのムニエル、デザート、どれもかなりのレベル。左隣に座ったフリアーのC氏(中国絵画が専門)とは、この秋台北故宮で開催される「南宋展」や東大のI先生の話で盛り上がり、右隣に座ったH夫人とは、今最もホットな現代美術家は誰か(彼女的には、「Tauba Aurbach」だそうだが…)等の話で盛り上がる。

そうこうしている内に、ファンド・レイジングの為の「オークション」が始まった。出品作品は、ベトナムや北京、タイ等の高級リゾートの宿泊や、イラン人の現代アーティスト、シリン・ネシャットの写真作品(因みに彼女は、妻のダンス仲間である)、ヴィヴィアン・タム特製のPC(ファッション・ショーの招待券つき)等など。そして最も高額をつけたのは、何とヴィヴィアンのPCで8500ドル…信じられない値段である!流石「ベネフィット」でのライヴ・オークション、「見栄」もかなりビッドに反映される(笑)。

デザートが終わると、恒例のダンス・タイム。筆者も昔懐かしい曲(ワイルド・チェリーの「PLAY THAT FUNKY MUSIC」等)で踊りました…着物姿の妻と、そして「ヴィヴィアン・タム」ご本人と…ヴィヴィアンは本当に魅力的な、セクシーな女性でありました!

今日で下見会は終わり。
後1日の辛抱…明日は、いよいよオークションである!!