♪ I'M AN ALIEN, I'M A ”LEGAL ART ALIEN” IN NEW YORK...♪

最近再び、「何故このダイアリーには、イメージ(写真)が一切無いのだ!」とのお叱り(?)のコメントを頂いた。

がしかし、申し訳有りませんが、この孫一将来的にも「写真」を入れる気は御座いません。その理由は2つ…。1.イメージの挿入の仕方が良く判らない(笑)。 2.例えば文中に出てくる「アート」や「レストラン」が、どんな作品か(何処か)を知りたければ、自分で探すのが一番の勉強になる、と云う事なのです…悪しからず。

さて、水曜日は中国美術・オールドマスター素描・エステイト&アプレーザル各部門の専門家達と、飛行機に乗って終日出張。訪ねた個人宅のコレクションの中では、日本美術のヴォリュームは大きくは無く、値段の高い作品も無いのだが、何処と無く趣味が良いクオリティの有る作品を幾つか見つけた…こんな時の査定は、やっていても本当に楽しい。帰りは降りしきる雨の為、飛行機が2時間以上遅れたが、こんな事はアメリカでは日常茶飯事…帰れただけでもラッキーである。

では、本日の話題。話は遡って先週金曜日の朝、オフィス隣のNBCでは、恒例の朝のコンサートが行われた。

その日のパフォーマーはスーパースター「スティング」で、会場はもうスゴイ人、しかしスティングはとても58歳(!)には思えない程若々しく、ヒット曲の「English Man in New York」や「Every Little Thing She Does is Magic」、「Roxanne」等を熱唱していた。

こんな話をするのには、当然訳が有るのだが、それは筆者のこのダイアリーのハンドル・ネーム「art-alien」は、実はスティングの名曲「English Man…」から取ったからである。

さて、このハンドル・ネームを付けた理由である。1987年発表のこの名曲は、当然前から知っていたのだが、ニューヨークーロンドンーニューヨークと外国に住み始めてから、サビの部分の「♪Oh, oh… I'm an alien, I'm a legal alien, I'm an Englishman in New York…♪」の歌詞の「Alien」の部分が、長い間何故か非常に気になっていたのだ。これは、2000年の人生3度目のニューヨーク生活のスタートの折、グリーン・カードを取得するまでの間持ち歩いていた、所謂「外国人登録証」である「Alien Registration」の存在も、大きな理由だったのだろうと思う。

その頃から筆者は、珍しく機嫌が良かったりすると、鼻歌で茶化して「♪Oh, oh… I'm an alien, I'm a legal alien, I'm a Japanese man in New York…♪」等と良く唄ったりした物だが、実は或る疑問が何時も頭に浮かんでいたのだ…それは、何故「Foreigner」でも「Stranger」でも無く、「Alien」なのだろうかと云う事である。

先ず「Stranger」が却下されるのは、判りやすい…「Stranger」とは認識できない「未知」の人の事だからだ。アメリカ人の友人に聞くと、「Alien」は「Foreigner」の「よりフォーマルで法的な云い方」らしいのだ。と云う事は、アメリカでは宇宙人を「Alien」と呼び「Foreigner」と呼ばない所をみると、米国は外国人のみならず、宇宙人にも「法的且つ丁寧な言い方」で接すると云う事か(笑)。しかし日本では、映画の影響も有るのだろうが、何と無く「Alien」の方が「Foreigner」より野蛮で、より悪い意味に思っている人も多いのでは無いだろうか。

日本美術を、ニューヨークで生業とする、永住権を持つ、日本国籍の私…「法的芸術的外国人」と自称するのも、当然なのかも知れない(笑)。