「MIRRORS」と「MY DEATH IS PENDING」、そして「胸焼け注意報」発令。

昨晩は、先ず57丁目に在るZabriskie Galleryで始まった、アーティスト澤田知子さんの展覧会のオープニング・レセプションへ。

ギャラリーに着くと、もう多くの人が来ており、可愛い赤い着物を着た澤田さんを発見。彼女とも久し振りだったのだが、着物も良くお似合いで、相変わらずのニコニコ顔。

澤田さんと旧交を温めると、早速作品を拝見。今回の展覧会タイトルは「Tomoko Sawada:Mirrors」と為っており、作品は勿論御馴染みの「セルフ・ポートレイト」なのだが、少々趣が異なる。今回の連作は、アーティスト本人が「似て非なる者:『双子』」に扮する事に拠って、人が「他者」と邂逅した時に、その「他者」を自分を映す「鏡」として捉え、その「鏡」に映る自分に最も似ている「他者」を考えた時に思い付いたのが「双子」だった、と澤田さんに解説を頂く。

成る程、髪型やメイク、表情や顔の向き等が微妙に異なるポートレイト「2枚」で、1作品となっている。女子高生、キャバクラ嬢、近所のオバハン、ヤンキー等など、何時も澤田さんの「百変化」には驚かされるのだが、今回も妻と「こう云う人、居るよなぁ…」と唸ってしまった「ポートレイト」のリアル感、そして勿論澤田さんのアイディアと、何と云うかそれを「アッサリと」実現する、肩に力が入っていない「想像力と実行力」は、本当に素晴しいと思う。

澤田さんに別れを告げ、アップ・タウンを後にする。次も友人のアーティスト、Mary Ellen Carrollのショウ「My Death Is Pending Because.」のオープニングへ向かう為、54丁目から今度はCanal&Greene Streetに在る「Third Streaming」迄、マンハッタンを縦断。

こちらの展覧会は、別の場所で行われた彼女の新刊書のサイン会と、或るパフォーマンスを含めたこの会場での展覧会のダブル・フューチャーである。会場に着くと、黒山の人だかり…マリー・エレンの人気と人柄が伺える。待ち合わせていたジャズ・ピアニストのH女史と合流して、人を掻き分けて飲み物を取り、早速作品拝見。コンセプチュアル・アーティストである彼女の作品は、ドローイング、写真やネオン管を用いて、時折重たくそして時にはポップに、「人体」と「死」を観者に問いかける…ウーム、オモイ(笑)。

マリー・エレンを見つけてお祝いを述べるが、しかし相変わらず彼女は可愛い。そもそも彼女とは行きつけの「B」のカウンターで知り合ったのだが(因みに、写真家のロバート・ポリドーリとも「B」のカウンターで知り合った)、何しろ綺麗でしかも「呑んべ」な女性なのである(笑)。その後、建築家のアンや、アート・インヴェスターのダグ、同僚のラテン・ペインティングの専門家、ガブリエラ等の「偶然の友人」達とも会い談笑。

さて、10時になるとパフォーマンスが始まった。これはCarolyn Yarnellと云う現代音楽家の作品「MEC OPUS.5」のワールド・プレミアで、弦楽四重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、ベース)なのだが、何と「弓」を一切使わずに、最初から最後まで指で弦を弾いて演奏する作品であった。演奏はと云うと、ハッキリ云って何とも思わなかったが、その試みや楽しと云った所か。

10時半を廻ると、皆腹が減り始め(笑)、いそいそと28丁目の和食屋「M」へ。色々と飲み食いしたのだが物足らず(笑)、49丁目のラーメン屋「S」へハシゴ。此処は夜11時になると、赤提灯を出して店名を変え、和食屋からラーメン屋に変貌すると云う、変わった店だ。塩と醤油ラーメンを皆で食べたのだが、正直味はイマイチで、フラストレーションが溜まる。大食いで有名なH女史等は、怒りの余り席を立ってしまい、その怒りを静める為に何と「もう1軒」行く事に…あぁ、悪夢再び、である(笑)。

結局最後は「T」に落ち着き、筆者は「半カレー」を、H女史に至っては「夜中の2時」だと云うのに「メンチカツ・カレー」を確り一人前食し、解散。

胸焼け注意報発令!…これも再び、である(笑)。