「絵バカ」→「ルーシー」→「奏舞」、そして…?

土曜日は、先ずミヅマ・アート・ギャラリーで開催中の、会田誠「絵バカ」展へ。
このギャラリーが市ヶ谷に移って以来、初めての訪問だったのだが、外階段を登りきると、其処では髭面の男が地べたに座って、プカプカとタバコを吹かしている…会田さんその人であった(笑)。

作家に挨拶をして、中に入る。今回の出展は6点だが、何しろ気に入ったのは、大作「灰色の山」。この作品は未だ制作中だそうだが、3 x 7mの巨大キャンバスに、積み重なった無数の人間が描かれ、恰も室町期阿弥派、若しくは中国絵画的山水図の如き趣を見せている大変な力作で、細密な描写や朦朧としたグラデーション等、作家の技量の高さが窺える。

その他ナンセンスの極み、全裸の女性が「よかまん音頭」を唯唄って踊る、DVD作品の「よかまん」等、これぞ会田芸術!の展覧会であった。

市ヶ谷を後にし、今度は国立新美術館へ。此処では「ルーシー・リー展」が開催されている。今ルーシー・リーは密かなブームらしく、少し前の「21_21」での展覧会も記憶に新しい。また、我らが「優ちゃん」も大ファンだそうで、彼女の「欲しい器NO.1」作家となれば、放っては置けない(笑)。会場に入ると、先ず女性観覧者の多さに驚いた。やはりアーティストが女性で、作品もフェミニンだからだろうか。展示は整然としており、会場と作品も良くマッチしている。

出展作はモノトーンからカラフルな物、サイズも多様な作品が揃う。コーヒー・カップ等の、所謂食器には全く興味を惹かれなかったが、「ピンク線文鉢」や花器等は、フォルムも繊細且つ色も綺麗で、何点かに眼を奪われた。

観覧後は、美術館の近所に在る、優ちゃんも嘗て良く来ていたと云う、行き付けのカフェ「L」を訪れ、美味しいコーヒーとマスターの辛口トークの両名物を頂く。

そして夕方からは、友人のクラシック・ギタリスト、村治奏一君に招かれて、新橋の料亭「金田中」で開催された「奏舞の会」へ。

着くと直ぐに、二階の広間に通される。ウェルカム・ドリンクが振る舞われ、座布団の席に付く。来ている人々は、お茶関係、財界関係者が殆どで、御一緒したS氏以外は、ほんの数人の顔見知りが居る位で、また色々な意味で、久々の「日本な」場所だった事も有り、最近珠に感じる「外人気分」であった。

曲目だが、第一部が奏一君のソロで、彼のオリジナル「街道てくてく旅・熊野古道」のテーマ曲「コダマ・スケッチ」(本当に美しい曲だ!)や、ディアンスの「フォーコ」等計6曲、休憩を挟んでの第2部は、「カヴァティーナ」等4曲の奏一君のギターに、芸者衆に拠る、花柳流四世花柳寿輔氏振付の「舞」が付く。

広間で聴く奏一君のギターは、相変わらず素晴らしかったが、日本舞踊とのコラボには、正直少々違和感が残った。が、それも「宴」の事…やってみる事に意義が有るのだろう。

「奏舞」終了後は、下に降りて食事…鱧や鮎も出て、流石「金田中」、美味かった!奏一君、S氏、作詞家でG学園の先輩の村井邦彦さん(「翼をください」等)や、ジャズ・ピアニストの島健さん&島田歌穂さんご夫婦等と、楽しく食事をした後解散…奏ちゃん、お疲れ様でした!

S氏と共に「金田中」を後にしたが、未だ早かったので、コーヒーでも飲んで帰ろうと云う事になり、銀座のWESTを目指した…が、着いてみると生憎既に閉店。どうしようかと、ふと周りを見渡すと、輝く「赤い看板」が!(笑)。S氏と目配せを交わし、お互い頷くと「赤い看板」に向かって小走り。結局2人で90分間唄いまくり、今度こそ解散(笑)。

今日はこれから茶会、大丈夫だろうか(笑)?