ターニング・ポイント。

鳩山氏が辞任した。

社民党の与党離脱、普天間、来月の参院選を考えれば、「最悪事態に於ける、最善策」であった様に思う。これで民主党は、来月の選挙に勝てないまでも、大敗はしないかも知れない。

しかし、改めて云う迄でも無いが、日本のメディアは本当に腐っている。国民(自分)が選んだ、そして誕生からたった8ヶ月の「政治的子供」の民主党を、何故長い目で「応援」出来ないのだろう?たった8ヶ月で、どんな人間が、どの様な仕事で、一人前に仕事をこなせるだろうか?メディアの人間は、自分が新入社員だった時を思い出すべきだ。

何十年にも及ぶ、澱みきった、自民党政権の例えば「普天間」の様な「膿」を出しながら、嘗て今まで「誰も」「一度も」口にしなかった「事業仕分け」を、「たった8ヶ月」でやった彼らを、一度でも「4年位は応援しながら、皆で一緒に頑張ろう」と、国民に訴えたメディアが有っただろうか?

批判と文句だけが、頭の良い標とでも思い、政治家が何でも解決してくれるスーパーマンとでも思っているのだとすれば、全く情けない、世界でも有数の「おバカ・メディア」である。今度こそ、反省して新首相を叱咤激励して頂きたい。

さて昨日は、数人の「持ち込み」客とオフィスで会い、作品を観る。面白い江戸絵画、仏像が到来し、その持ち主と話す…何時もながら、相手も此方も緊張の一瞬(「難しいモノ」の場合は、特に)であった。

お昼は久々に、オフィス近所の、有名トンカツ屋「とんき」で、「ミックス・フライ丼」。此処のオヤジは無愛想で有名なのだが、何故か筆者には、この15年以上何時も愛想が良い…今回も「ご無沙汰です!」と、ニコニコ、カツも相変わらず美味かった!

昼食後、銀座と秋葉原の業者を訪問しビジネスを終えた後は、若手アート関係者の友人達との飲み会の為、久々の渋谷へ。

場所は、道玄坂から少し「風俗街」に入った所に在る串焼き屋。久々の渋谷、しかも風俗街を歩くのは、甚だ恥ずかしかったのだが、何故か一度も「客引」されなかったのも、人徳の為せる業か…若しくは単に同業者と思われたか(笑)。

今回のメンバーは、皆嘗てニューヨークで活動していた人達で、キュレーターのS君とNさん、アーティスト兼未来の占い師(笑)M嬢、アリゾナ大で勉強中のMさんと筆者の5人。

この面子だと、通常S君の独壇場になるのだが、蓋を開けてみると、予想通りの展開(笑)。しかしこのS君、本当に多方面に渡り、勉強家で驚く。この晩もアート・フェアの問題点から始まり、彼が関わって来た「沖縄」、安保、神道デリダ迄縦横無尽…何時もながら、此方も本当に勉強になった。

さて、今日のタイトルの意味は、政治もそうだが、実は昨夜の彼らの事も大きい。

それは、今の日本の儘ならない経済と文化の衰退状況、国民的リテラシーの低下、「文脈」を書き換えた様に見せ掛けただけで、現代美術界に於いてすら旧態依然と存在する「権威・画壇主義」等に、戻った日本で揉みくちゃにされながら奮闘する、ニューヨーク帰りの若手アーティストやキュレーター達への、エールなのだ。

今彼達が立つ「ターニング・ポイント」は、大揺れに揺れているが、恐れる事は何もない。

何故なら、既存の国や政治家、「王」や「天皇」の様に君臨したがるアーティスト等に頼らず、彼達自身で、彼等独自の「国」と「アート」を産みだす、又と無い大チャンスなのだから…。

「カオス」「破滅」の後に、「再生」が来るのは必須である。