スバラシイ・ニュース、そしてニューヨークへ。

昨日は、今回の日本滞在最終日。

午後からの重要な仕事の為に、滞在を1日延ばしたのだが、また「呼ばれた」っぽい事が有った(笑)。

実は、来日する度にお墓参りをするのを恒例としているのだが、今回は叔母の一周忌も拘わらず、そして最近のダイアリーにも記して居る様に、叔母の遺品整理をして形見分けの品を頂いて居るにも関わらず、何故か予定が上手く合わず、滞在も後1日と為っても、未だその「お参り」を果たせて居なかったのだ。

この事実は、筆者を実に不安にさせていたのだが、何故か急に出発が1日延期と為り、しかも前日から「梅雨入り」が宣言されて、シトシトと雨が降っていたにも関わらず、朝起きてみると、何とも信じられない晴天…これはお参りに、行かない訳には行かな(笑)。
思い立ち、しかし昼前の仕事のアポも有ったので、急いで着替えて、中央線に飛び乗った。墓地に着いてみると、これまた悲しい程スバラシイ青い空と深い緑、そしてそのお蔭で、出張中の疲労困憊の体から、ストレスが消えて行くのが解った…ご先祖様が呼んでくれたお蔭だろう。

午後早く都心に戻り、或る顧客の所で名品を観る。スバラシイ作品だったが、値段もかなりスバラシイ(笑)。喉から手が出る程出品したかったが、今回はスバラシイ抑制力で、出品を見送る事とした(笑)…時には、こう云う勇気も必要なのである。

その後、ミーティングの為にオフィスに戻ると、其処ではこの日最高の「スバラシイ・ニュース」が、筆者を待っていたのだった!

それはビジネスに関わる事では無く、前回の来日時に同僚のYさんに託して置いた、或る「時計」の事だった。

その時計はと云うと、去年亡くなった裏千家ニューヨーク出張所、元所長の山田尚氏が生前愛用されたモノで、氏の逝去後、形見分けの様な形で筆者が頂いた時計なのである。

しかしこの時計は、残念ながら、頂いた時には既に動かなくなっていた。そこで、以前から日本の時計修理技術の高さを聞き及んでいた筆者は、前回来日の際、先ずは銀座和光に持ち込んでみたのだった。

時計の中を開けて見た和光の専門家が云うには、この時計は、技術的に「ゼンマイ」から「クォーツ」へ移行する、たった1年半位の間に「ロンジン」等の各メーカーが製作した製品の1つで、「電池に因って、ゼンマイを動かす」と云う、非常に珍しいモノらしい…しかし、部品が無い等の理由で彼らには修理は不可能、との事であった。

がっかりし、藁をも掴む気持ちで同僚の時計担当、Yさんに相談すると、「天才時計修理師が居て、彼なら何とか出来るかも知れない」と云う…。其処でYさんにこの腕時計を預けて、その「天才時計修理師」に見て貰う事にしたのだ。

そして、その天才修理師曰く、「僕の技術なら、90%の確率で直るよ。」…何てカッコ良いのだ!

次回来日時には、動き出したその時計を、着ける事が出来るかも知れないし、生前返しきれない恩を受けた山田氏が刻んで来た「時」を、自分がなぞる事が出来るかも知れない…。

日本滞在最後の日の、涙が出そうな程に嬉しかった、最高にスバラシイ・ニュースで有った。

そして今、成田のラウンジで今回の収穫を思い出している筆者は、後一時間もすると、ニューヨークへの帰路へと旅立つ。

SEE YOU IN NEW YORK !