「アジア現代美術・イヴニング・セール」@クリスティーズ。

昨日午後、台北から香港入りし、夜は早速「アジア現代美術」のイヴニング・セール。

香港での、クリスティーズの下見会とセールは、巨大なコンヴェンション・センターで開催されるのだが、それもその筈、此処一週間で売られる現代美術、20世紀中国美術、中国古典絵画と器物、宝石、時計、ワインの全てを、一同に展観するからである。

しかし、会場が剰りに巨大なので、人を探したりスタッフルームを見つけるのも外部の者には大変で、この辺も「如何にも」中国的である(笑)。

さて、昨晩の「イヴニング・セール」だが、総売上は2億8125万5000香港ドル(約30億4300万円)、44点中37点売れ(84%)、トップ・ロットは常玉(SANYU)の「青花盆與菊」で、5330万香港ドル(約5億7670万円)、最高価格のを予想されていた蔡國強の「尋拔外星人」は、残念ながら不落札で有った。

此処で日本人作家の成績を見てみると、トップは奈良美智の「Magic Hand」で、422万香港ドル(約4566万円)、次いで村上隆の「Dragon Dob」が386万香港ドル(約4176万円)、タカノ綾の「Space 2」の302万香港ドル(約3267万円)と続く。

セール全体を眺めた感想はと云うと、会場のバイヤー達は思ったよりも冷静で、きちんと選んで買っている様に見受けられた…健康的な、良い傾向と云えるのでは無いだろうか。

セール後は、VIP顧客と最高に美味い海鮮中華の「L」で、「サシ」ディナー。香港の友人グルメ兼同僚のKに、料理を決めて店に予め頼んでおいて貰い、万全を期した。

顧客はビールと老酒、筆者はお茶で、先ずは乾杯。そしてKが我々の為に選んだ料理が、次々と運ばれて来る。

先ずは前菜。豚肉の小菜二品、「三層肉」「蜜汁叉焼」と、「蟹粉小籠包」。素晴らしい味と、小さ目のポーションが嬉しい…何故なら、その余りの旨さに、有れば有るだけ食べてしまうからである(笑)。

そして次に、此れが昨晩の白眉、マジに死ぬ程旨かった、「象拔蚌」と云う貝とモヤシのスープ…いや、「今迄の人生で、こんなに旨いスープは、正直食った事が無いっ!」と、香港の中心で愛を叫びたい程で有った。

こちらもグルメの顧客氏に云わせると、この「象拔蚌」は、氏が以前シンガポールで食べた幻の「Buddha Jumping (若しくは『Dancing』)Soup」(フカヒレ、アワビ、燕の巣等の、中国珍味の「全て」が入っていて、修行中の仏陀でさえ、此れを飲むと余りの旨さに飛び上がる・踊り出す、と云うスープ)に、勝るとも劣らないとの事。

その後も食のバラダイスは続き、野菜に「皇帝菜」、メインには、蒸し白身魚「東星斑」を解して、ソースごと白飯にブッかけて頂く…あぁ、夢なら覚めないで(笑)。

そして〆のデザートには、冷たい、恐らくマンゴーのスープと思われる「楊枝甘露」と、きな粉饅頭の様な熱々の「擂沙湯丸」。

台北での「トンポウロウ」の仇は、香港で早速取らせて頂きました!