「皆喜」月蝕。

昨日は、忙しくも嬉しい1日だった。

先ず昼過ぎからは、友人のクラシック・ギタリスト、益田正洋君の結婚パーティーに出席。

益田君とは、彼がジュリアード音楽院在学中からの付き合いで、「9.11」の丁度ひと月後に彼がジュリアード・シアターで演奏した「アランフェス」は、筆者が聴いた如何なるクラシック・コンサートの中でも、未だ屈指の物で有る(拙ダイアリー:「テロと『アランフェス協奏曲』参照)。

会場のイタリアン・レストランに着くと、嘗てのニューヨークの友人で現在長崎県美のキュレーターである川瀬佑介君(拙ダイアリー:「スペインへ、『南へ』、そしてニューヨークへ」参照)や、面識の有る益田くんのお弟子さん達始め、多くの人々が既に来ていて大賑い。

益田君と新婦の香織さんには、ほのぼのとした幸福感が溢れ、此方も見ているだけでハッピーな気分に為る…そして、彼等を祝福する友人達に拠るギター演奏や、何と川瀬君が優勝したクイズ・コーナー等で、ハッピーなパーティーは終了。

唯一の心残りは、川瀬君がクイズ大会優勝賞品としてゲットした、「松阪牛」を用いた「すき焼きパーティー」に参加出来ない事である…パーティーをやる事自体決まっていないのだが(笑)。

益田君夫妻の、これからのご多幸を御祈りしています!

そして夜は、夫婦で写真家U氏のステュディオを訪ねると、奥様のKさんもジョインして、大きく焼かれたU氏の新作を拝見する。

その後は麻布十番のイタリアン・レストラン「C」で、原発、メディアの有り方や「夫婦関係論」等に就いて熱く語りながら、素晴らしく旨いトリッパやカルパッチョ、ウニやわたり蟹のパスタ、ラムの網焼き等を頂き、大満足。

11時前に店を出ると、通りに居た人達が皆空を見上げて居たので、何事かと我々4人も空を見上げると、「皆既月蝕」間近の月が見え、暫く見ていると、何とも美しくも怪しい「皆既月蝕」が完成…皆思わず「オォッー!」と歓声を上げた。
その後はU氏の車に乗って、氏の新しいギャラリー・スペースを見学に。

この湾岸地帯に在る巨大ギャラリーは、本当に素晴らしいスペースで、この広さならば巨大彫刻やインスタレーション、バフォーマンス等も十分可能、U氏の大きく焼かれた新作もこのスペースで観ると、作品の奥行きや作品外の光景すらをも想像させ、一際その輝きを増す。

「自身の作品を、作品が最も活きるスペースで展示したい」と云う、アーティストが持つ当然且つ困難な案件を解決した、笑顔のU氏の新作展が待ち遠しい。

夜中過ぎに皆で外に出ると、月蝕は少しずつ収まり、月は顔を見せ始めていて、忙しい1日では有ったが、昨日会った全ての人々は、皆喜びに溢れていた事を思い出した。

当に「『皆喜』月蝕」の1日で有った。