美しき「東洋と西洋の子」。

サッカーのヨーロッパ選手権「EURO2012」決勝は、スペインが4-0でイタリアに圧勝した(泣くな、P王子!:笑)。

懐かしのバラック(元ドイツ・ナショナル・チームFW)も解説をしていた、ESPNの中継に噛じり付いて見て居たのだが、しかし今年のスペインは本当に強く、大好きだったラウルが居た頃も強かったが、現チームはスペイン・ナショナル・チーム史上、最強と云っても過言ではないのでは無いか。

特に前半2点目の、パス回しと抜け出しの速さ…小廻りの効くサッカーはスペインの伝統的お家芸だが、本当に速い!何しろ強い!…「無敵艦隊」の復活を見た試合で有った(後は「経済」だ…ガンバレ、スペイン!)。

そんなサッカー・ファン大興奮の先週末は、Shantala Shivalingappaのソロ・コンテンポラリー・ダンスの公演を観に、19丁目の「ジョイス・シアター」へ。

シャンタラはインドのマドラス生まれでパリ育ち、「Child of east and west」とも呼ばれる、非常に才能豊かな女性ダンサーだ。

そして彼女は、インドの伝統的舞踊もこなすが、此のダイアリーでも度々取り上げて居る、モーリス・ベジャールピーター・ブルックピナ・バウシュ天児牛大(因みにこの日配られた「PLAYBILL」にも、この順番で名が並ぶ程、天児氏の海外での名声はスゴいのだ!)とも共演している。

ジョイス・シアターに着くと、場内はほぼ満員。前から10列目のど真ん中に座ったが、チケットはたったの39ドル(約3200円)!こう云った世界各地からの一流アーティストの公演が、しかもこんなに廉価で観れる所が、ニューヨークの最高に素晴らしい所だ…東京や香港ではこうは行くまい。

席に付いて暫くすると、黒緞帳とライトだけのシンプルな舞台の暗闇から、シャンタラが浮かび上がっての登場…あぁ、何と美しいダンサーなのだろうか!そして最初の作品、天児牛大氏に拠る振付・衣装作品「IBUKI」から公演は始まった。

「IBUKI」は如何にも「山海塾」を思わせる振付で、スローでテンスな動き故に要求されるバランス感覚と強靭な筋力、シャンタラの鍛え抜かれた肉体はそれを完璧にこなしたと思うが、「上手いけど、身体の中が空洞に為り切っていないから、色が付いてる…それとやはり天児さんの創るダンスは、『男』の為のモノでは無いか?」とは、天児氏とも長い交流の有るゲル妻の感想で有る。

しかし、続くピナ・バウシュとの共同コレオグラフィー作品の「SOLO」や、シャンタラ自身が振付をした「SHIFT」、そして古典インド舞踊をモティーフとした、座った侭での非常に美しいパフォーマンス「SMARANA」迄、シャンタラのダンスは何とも素晴らしいの一言。

しなやかで強く美しい肉体を駆使し、アジアン・オリジンを生かした、指の先まで神経の行き届いた鍛え抜かれたダンス、そして忘れてはならない、かなりの美形(ニヤリ)…溜息が出る程に美しい、「東洋と西洋の子」の公演で有った!

あぁ、シャンタラと友達になりたい…(笑)。