怀念的上海式震惊生日晩宴。

聞く所に拠ると、前回のダイアリーで出るや否やと心配していた達さん(西野達氏)のインスタレーション「Dicovering Columbus」の記事が、達さんの心配を他所に、日本でそろそろと新聞等に出て来て居るらしい…良かった!

そして北京市が、日本の作家の作品の出版停止を命じたとの事…何とも共産国家らしい措置では有る。

だが我が国は、絶対にそういう事はしてはならない…何故なら、他の文化を貶めないと云う大前提の下、如何なるアートにも国境等必要ないからだ。

そう云った意味で、今ニューヨーク、いや全米で大ヒットしているのが、コリアン・ラップ&ダンス・ナンバー「Gangnam Style」!

34歳で二人の子持ち、サングラスを掛けペッタリ髪を七三分けに決め、正装した小肥りの韓国人ラッパーPSYが、その体型からは想像出来ない軽やかさでコミカルに踊るダンスは、YouTubeで何と「2億5000万回」以上も再生され、アメリカ海軍の兵士や数々のセレブ達もその振り真似をする事に因って、それ自体も話題になる程の大ヒットと為って居る。

観た事の無い人は、此方を(→http://www.youtube.com/watch?v=9bZkp7q19f0)(→http://www.youtube.com/watch?v=QZmkU5Pg1sw)…こう云うアーティストを見ると、「竹島」の事等すっかり忘れてしまうが、序でに思うのは、此処までアメリカを席巻する日本人アーティストの曲が、何時の日か生まれるのだろうか?と云う事だ。

そんな「Gangnam Style」も話題に上がったのは、土曜の夜にミッドタウンに在る激ウマ隠れ家中華の「C」で行われた、A姫の為の「サプライズ・バースデー・パーティー」での事だった。

そもそもこの日は、ルイ・ヴィトンの美しい草間彌生本を作ったデザイナーのG氏&L夫妻と、彼らが見つけた旨い中華を一緒に食べに行こう、と云う話だったのだが、これに託つけて毎年やっているA姫のバースデー・パーティーを、「よし、今年もやっちゃおう!」と云う事に為ったのが始まり。

そうして、マーサ・スチュアートの取材を遣り終えたM女史&D、台湾・日本帰りのKちゃんと旦那さんのJ、オークションを終えた我等地獄夫婦と、リトル・イタリーでのお祭りで駆けずり回っていたP王子を加えた9人は、ファッション・ウィークで超多忙だったA姫を再び「驚かす」算段を始めたのだった。

それにはP王子の協力が必須…実はそのPのお姉さんは、「ニュー・シネマ・パラダイス」に準主演している有名美人イタリア女優なのだが、その血を全く受けていないと思われるPが(笑)、果たしてA姫を上手く騙して、皆の待つ「C」に連れて来れるだろうか?

が、予想は良い方に外れ(笑)、毎年の「サプライズ」経験で警戒心も強い筈のA姫が店に入って来て、我々を見付けた時に見せた「マジに目が点」な顔は、P王子に今年の「最優秀主演男優賞」受賞を決定付けたので有った(笑)。

さてG氏が見つけたこの「C」、30年代上海をイメージした内装の小さな店で、店員もかなりエッジーな中国系店員達が揃い、雰囲気も中々にレトロで宜しいのだが、何しろ料理が旨い!

此処の料理を一口食べれば、今後余程の事が無ければチャイナ・タウンやフラッシングへ行かなくても良いと思う程で、上海ベースに四川も加わった料理の数々は、現代的ツイストも入っているので、幾ら食べても飽きない。

「クラゲ・ペスト」や「スパイシー棒々鶏」から始まり、小籠包、「ティー・スモークト・ダック」、青椒肉絲、「味噌ソース掛け揚げ魚」、回鍋肉や苦瓜迄、もう須らく旨くて皆大満足…そしてその余りの旨さに、「これから『C』に通わねば!」と心に決めたワタクシだが、その為には「Gangnam Style」を毎日踊ってエクササイズをせねば、将来とても生き延びて行けないのも明白で有ろう…(笑)。

そしてハッピー・バースデーを合唱し、ケーキも食べ終え時計を見ると、何とあれだけの料理を1時間一寸で完食した計算で驚愕したが、店の一番奥に居た我々が店を出ようとすると、外は大雨が降っていて、これまたビックリ。

上海30年代カフェ風の店先で、これも30年代風ファッションと化粧をした背の高い「マダム」に見送られ、人通りの少ない街に降り続ける大雨を眺めて居たら、何となく自分がウォン・カーウェイの映画の1シーンに入り込んだ気分に為った。

仕方無くタクシーを捕まえようと、思い切って雨の路に飛び出したが、しかしその雨は思った程冷たく無くて、何故か濡れても嫌では無かった…そしてそれはきっと、ニューヨークと云う街に集まった、台湾、イタリア、アメリカ、インドネシア、そして日本と云う国境を超えた暖かい友人達と、長い歴史を誇る暖かい中国料理のお陰だったに違いない。

Happy Birthday again, Princess A !!

(因みにダイアリー・タイトルは「Good old day's Shanghai style surprise birthday dinner」の意です…中国語間違ってたら、スミマセン)